フリーランスエンジニアとして仕事をしていくには、様々なスキルが必要になります。これからフリーランスエンジニアになろうと考えている人は、どのようなスキルを身につけておけばいいのかを知りたいのではないかと思います。
そこでこの記事では、フリーランスエンジニアの案件を長年紹介してきたベスキャリが、フリーランスエンジニアに必要なスキルと、職種ごとに必要になるスキル、スキルを得るときの注意点などを紹介します。
『フリーランスエンジニアとは?職種やリスク、仕事獲得方法などを解説』
フリーランスエンジニアに必要なスキル8選
「フリーランスエンジニア1000名を対象としたアンケート調査」をもとに、フリーランスエンジニアに必要な能力を解説します。「フリーランスエンジニアとして働く中で大事(重要)なことを教えてください(3つまで選択可)」という質問に対して、以下のような結果となりました。
エンジニアとしての技術力・経験 | 40.55% |
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絶え間ない向学心・学習意欲 | 30.66% |
健康 | 27.52% |
自己管理能力・セルフマネジメント | 23.31% |
案件獲得のための営業力・交渉力 | 22.33% |
コミュニケーション | 20.67% |
自身の強みを伝えるセルフブランディング | 20.37% |
仕事の速さ | 15.87% |
確定申告や税金・社会保障などの知識 | 6.66% |
出典:https://relance.jp/blog/fact-finding-survey-of-freelance-engineers-202301/
1.エンジニアとしての技術力・経験
フリーランスエンジニアとして仕事をしていくには、エンジニアとしての技術力・経験が重要です。
フリーランスエンジニアを求めるクライアントは、十分な技術力や経験を持ったエンジニアに依頼をします。フリーランスに依頼する場合には、クライアントは即戦力となる人材を求めていることが多いので、技術力や経験がないと仕事を得られないということになってしまいます。
また、対応できる人が少なかったりニーズが高かったりする言語や職種の案件は高単価となるので、フリーランスエンジニアとしての収入を高めるためにも、経験を積んで対応力を高める必要があるのです。
2.学習を継続する力
フリーランスエンジニアには学習を継続する力が必要です。IT業界は新しい技術が生まれやすいですし、トレンドなども変化しやすいです。フリーランスエンジニアが増加していることもあり、こういった変化についていけなければ仕事が得られないということになってしまうでしょう。
また、学習を継続して新しい技術やプログラミング言語を習得すれば、仕事の幅が広がりますし、案件の単価も上がる可能性があります。フリーランスエンジニアとして活躍を続けるためにも、学習を継続するようにしましょう。
3.自己管理能力
フリーランスエンジニアには自己管理能力が求められます。フリーランスエンジニアは個人で働くことになるので、いつどれだけ働くかを自分で決めることができます。その分、計画を立てて自己管理をしないと、納期に間に合わなかったり、さぼってしまったり、だらだらと仕事をしてしまったりということになりかねません。
また、フリーランスエンジニアは支出や納品物の品質の管理、学習計画やプロジェクトの管理などを行わなくてはなりません。フリーランスエンジニアになる場合には、自己管理能力を身につけましょう。
4.健康維持する力
フリーランスエンジニアには、健康を維持する力も必要です。フリーランスエンジニアは個人で働くことになるので、病気や怪我をして働けなくなると収入が得られなくなってしまいます。食生活や睡眠の質に気を配ることはもちろん、風邪や生活習慣病などの病気の予防や怪我のリスクを避けるなど、日々の生活のなかで健康維持を行う力を身につけなくてはなりません。
また、フリーランスエンジニアの業務は長時間のデスクワークが中心となり、運動不足や姿勢の悪化、眼精疲労、腰痛といった身体的なリスクもつきものです。これらを防ぐためにも、定期的にストレッチをしたり、休憩時間に軽い運動を取り入れたりするなど、意識的に健康を維持する習慣を取り入れることが大切です。
5.営業力・交渉力
営業力や交渉力もフリーランスエンジニアに必要なスキルです。
フリーランスとして独立すると、仕事を得るための営業や諸々の交渉を自分で行わなくてはなりません。ただ、エンジニアとしてキャリアを重ねてきた人は、営業や交渉を行ったことがないのでどうすればいいかわからないという人も多いと思います。現に、中小企業庁による調査では、「フリーランスになる際に直面した課題」として、「顧客の確保」が最も大きくなっています。
エージェントなどを利用すれば営業をする必要はありませんが、クライアントに自身をアピールしたり、報酬の交渉などを行ったりしなければなりません。こういった営業力や交渉力を身につけましょう。
6.コミュニケーション力
コミュニケーション力も、フリーランスエンジニアが持っておいたほうがよいスキルです。フリーランスエンジニアは、自身でクライアントとやりとりを行わなくてはなりません。仕事をスムーズに行うためにクライアントの意図を汲み取り、自身の意見を適切に伝えられないとなりませんし、継続的に仕事を得られるように深い関係を築く必要があります。
そのためにも、フリーランスエンジニアは相手の意図を汲み取る力、自身の意図を伝える力、信頼関係を作るためのコミュニケーション力を身につけなくてはならないのです。また、チームで仕事をすることも多いので、他のエンジニアやパートナーと円滑にコミュニケーションを取る力も重要になります。
7.事務能力
フリーランスエンジニアになると、事務能力も必要になります。フリーランスは開業のための手続きから、請求業務、労務・税務処理、確定申告などの事務作業をすべて自分で行わなくてはなりません。エンジニアとしての業務以外にもこういった細々とした事務作業を行わなくてはならないので、事務が苦手な人は余計な時間がかかりますし、ストレスに感じるかもしれません。
「フリーランスになって感じたデメリット・不満な点」でも、「労務や確定申告などの事務作業の手間がかかる」は2番目に多い結果となっています。会社員のときには、こういった事務作業は会社が行ってくれていましたが、フリーランスでは自分で調べながら行わなくてはならず、大きな負担になってしまうでしょう。
作業を外部に委託することもできますが、ある程度は労務や税務などの知識を得ておかなくてはなりません。
8.問題解決力・論理的思考力
ほかにも、フリーランスエンジニアにとって、問題解決力や論理的思考力は重要なスキルです。
エンジニアの業務においては、開発するものや取り扱う技術、クライアントの要件などが日々変化し、その都度「どうすれば実現できるか」「なぜうまく動作しないのか」といった課題に直面します。こうした状況下で求められるのが、筋道を立てて物事を整理し、的確に原因を突き止め、最適な解決策を導き出す力です。
特にフリーランスは自ら意思決定を行い、問題に対応しなければならないため、トラブルや仕様変更にも柔軟かつ論理的に対応できるスキルが必要不可欠なのです。
職種ごとにフリーランスエンジニアに求められるスキル
上で説明したスキルはすべてのフリーランスエンジニアに必要ですが、職種ごとに求められるスキルもあります。
システムエンジニア
システムエンジニア(SE)は、システムやソフトウェアの開発において、要件定義や設計などの上流工程を担当する仕事です。
クライアントの課題を解決するための発想力や提案力、論理的思考力などが求められます。また、システムエンジニアはシステムのイメージをするため、プロジェクトの管理をするためにプログラミングスキルも求められます。JavaやJavaScript、Ruby、PHP、Pythonなど、業務領域に関わる言語でのプログラミングスキルが必要です。
クライアントとのコミュニケーションも行う必要があるので、ヒアリングスキルやマネジメントスキルなども求められるでしょう。
Webエンジニア
Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションなどのWebサービスを設計・開発・運用するエンジニアです。
Webサイトの開発にはHTML、CSS、JavaScript、PHP、MySQLなどがよく用いられるので、これらのプログラミングスキルが求められるでしょう。また、WebアプリにはJava、JavaScript、Ruby、Python、Go言語などが用いられることが多いです。
WebエンジニアはWebを介したサービスを作るため、データベースやセキュリティに関する知識なども求められます。直接クライアントに対して、作りたいWebサービスのイメージをヒアリングする機会なども多いので、ヒアリング力なども求められるでしょう。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアは、Webサービスや業務システムなどを稼働させるために必要なサーバーの設計・開発・運用を行う仕事です。使用用途やユーザー規模などに合わせてサーバーを最適な構成に設計し、構築を行います。
サーバーOSに関する知識と操作スキルが必要になりますし、アプリケーションとOSをつなぐミドルウェアの知識、セキュリティの知識なども必要になります。さらに、OSを操作したりサーバーを操作したりするのに必要な言語のプログラミングスキルも求められます。
シェルスクリプトやPowerShell、Python、Ruby、Java、PHP、C#などはサーバーで利用されるので、プログラミングスキルを得ておくのがよいでしょう。また、サーバーに問題が起こるとサービスが使えなくなってしまうので、リスクヘッジのノウハウや、即座に解決をする問題解決力も重要です。
データベースエンジニア
データベースの設計や開発、運用を行うのがデータベースエンジニアの仕事です。ITシステムやWebサービス、アプリケーションなどでは多くのデータを保存する必要があります。それらのデータを保存するのがデータベースであり、適切にデータを保存し、必要なときにスムーズに取り出せるよう設計・構築を行うのがデータベースエンジニアの役割なのです。
データベースを操作するには主にSQLを利用するので、SQLの知識とプログラミングスキルは必須となります。また、Microsoft SQL Server、Oracle Database、MySQL、PostgreSQLなどデータベースに関する知識も必要です。ほかにも、WindowsやLinuxなどのサーバーOSやネットワークの知識やセキュリティに関する知識などもあったほうがよいでしょう。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、企業や施設におけるネットワーク環境を設計・構築・管理する仕事です。クライアントの求めるネットワーク環境を実現するのに適した設計を行うとともに、機器を設定してシステムを動作させます。
ネットワークエンジニアは、仮想化の浸透にともないプログラミングスキルを求められるようになっています。仮想化においては、PythonやJavaScript、Ruby、Javaなどのような言語でのプログラミングスキルが必要になるので、これらのスキルを身につけておくのがよいでしょう。
また、ネットワークから情報が流出しないようにセキュリティ対策を行う必要もあるので、セキュリティに関する知識も求められます。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報システムのセキュリティの監査や脆弱性診断、セキュリティ対策、不正アクセスやサイバー攻撃への対応などを行います。企業の情報資産を守ることがミッションであり、高い専門性とスキルが求められます。
セキュリティエンジニアは、自身でセキュリティ対策のためにプログラミングを行う場合があるので、プログラミングスキルが求められます。セキュリティエンジニアはアプリケーションやシステム、ネットワークなど幅広い分野の対策を行う必要があるので、PHP、JavaScript、Python、perl、ruby、SQLなど、よく使われるプログラミング言語のスキルがあったほうがよいでしょう。
また、サイバー攻撃の知識や法律知識、セキュリティに関する規格と認証、サーバーやOSの知識なども求められる可能性があります。
クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureに代表されるようなクラウドサービスを利用してITシステムの設計や実装、運用を行う仕事です。クラウドサービス上で、求めるシステムを作るために設計・構築を行い、必要なアプリケーションを選定・開発します。
クラウドエンジニアはクラウド環境の設計や構築、運用が仕事なので、AWSやGoogle Cloud、Microsoft Azureなどのクラウドサービスに関する知識・スキルが必須です。また、ITインフラのクラウド化を行うことが多いので、ネットワークやサーバーなどの知識も必要です。また、OSやアプリケーション、ミドルウェアの知識やスキルも求められます。
開発においてはプログラミングを行うこともあるので、JavaやJavaScript、Ruby、Pythonなどのスキルもあるとよいでしょう。
フリーランスエンジニアがスキルを得るときの注意点
フリーランスエンジニアがスキルを身につけようとするときには、注意すべきことがあります。情報処理推進機構の「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2022年度)」の「IT人材の学びを阻む障壁」によると、学習を始めた後の障壁としては「学びのための時間を確保できない」「共に学ぶ仲間や相談相手がいないために挫折してしまう」「新たなスキルを活用する場がない」「学びが評価につながらない」となっています。
時間の確保
フリーエンジニアがスキルを得るときには、時間の確保に注意をする必要があります。
フリーランスは働けば働くほど収入になりますし、好きな時間に好きなだけ仕事をすることができるので、多くの仕事を受けすぎたり長時間仕事をしたりしてしまうことがあります。そうなってしまうと、スキルを得るための学習の時間を取れなくなってしまいます。何日も学習の時間が取れなくなると、次第に学習する意欲も薄れてしまうでしょう。
スキルを得ると決めたなら案件を受けすぎないようにして、学習のための時間を作るようにしましょう。
モチベーションの維持
フリーランスエンジニアがスキルを得るときには、モチベーションの維持が重要です。
フリーランスエンジニアはひとりで仕事を行うことになりますし、会社員のように一緒に働く人がいない場合が多いです。スキルを習得しようとしたときに共に学ぶ人を見つけるのが難しいと思います。しかし、共に学ぶ人がいれば刺激を受けられますし、お互い励まし合いながら学習を継続できるはずです。
また、習得までに小さな目標を設定し、それをクリアするたびにモチベーションを高めるなども有効です。学習をする人が集まる場に行く、コミュニティに参加するなどもよいでしょう。
スキルを活用できない可能性がある
フリーランスエンジニアがスキルを得たとしても、そのスキルを活用できない可能性があります。フリーランスエンジニアの案件では、委託される業務内容は決まったものになります。委託業務に関係のないスキルや先端技術などを学んだとしても、それを活用できない可能性があります。せっかく学んだ技術を利用できないことで、徒労感を感じてしまうかもしれません。
また、学んだことを実践する前には実践経験を積まなくてはなりませんが、フリーランスではそういった実践をする場があまりないというのも注意しなくてはなりません。さらに、学んだスキルがクライアントから評価されない可能性もあります。その場合には、スキルを評価してもらえる案件を探す必要があるかもしれません。
フリーランスエンジニアの求人はベスキャリITで
フリーランスエンジニアになるには、さまざまなスキルが必要です。これからフリーランスエンジニアを目指そうという方や、今フリーランスエンジニアだけれどももっと収入を高めたいというような人は、今回紹介したスキルを高めるようにしましょう。
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