メーカーの仕事はどんな人に向いてるのか、自分の性格やスキルでメーカーに合うのか不安という人もいるのではないでしょうか。メーカーに就職をしたけれども向いていなかったと後で気づくと、仕事人生が苦しいものになりますし、転職を考えなくてはならなくなるかもしれません。

そこでこの記事では、メーカーに向いている人の特徴、メーカーへの就職のメリットを紹介するとともに、もし就職するなら身につけておいたほうがよいスキルなどを分かりやすく解説します。メーカーへの就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

メーカーに向いている人の特徴とは

メーカーに向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。

ものづくりに興味がある

ものづくりに興味があるというのは、メーカーに向いている人の特徴のひとつです。

メーカーは製品を企画・開発し、形あるものを世の中に送り出す仕事です。そのため、「なぜこの形なのか」「どうすればもっと使いやすくなるのか」といった視点で、製品づくりに取り組まなくてはなりません。そのため、ものづくりに対して純粋な関心や好奇心を持っている人は仕事の中でやりがいを感じやすく、成果にもつながりやすいでしょう。

また、メーカーの仕事では試行錯誤がつきもので、一度でうまくいかないことも珍しくありません。そうしたときに、どうすればもっと良くなるのか、他の方法はないかと前向きに考え、チャレンジを楽しめる人は困難にも柔軟に対応できますし、成長を続けられるでしょう。

子どものころから工作や機械いじりが好きだった人や、身近な製品の裏側にある技術に関心を持っていた人はメーカーに向いているかもしれません。

チームで協力して目標を達成できる

メーカーに向いている人の特徴に、チームで協力して目標を達成できるというものもあります。メーカーの仕事は、一人で完結するものではありません。製品を世に出すまでには、開発、設計、生産、品質管理、営業、さらには調達や物流といった多くの部署が関わり、それぞれが役割を果たす必要があります。そのため、自分の担当業務に責任を持ちつつも、他部門と連携して課題を共有し、目標達成に向けて協力できる人材が求められます。

実際、「組織・チームのあり方の変化に関する意識調査」でも、製造業の一般社員に期待されている姿については、回答者の69.7%が「チームで協力して成果を上げる」ことだと回答しました。

日頃から周囲と協力しながら物事を進めることが好きな人、チームの中で前向きに行動できる人はメーカーという組織の中で大きな力を発揮できるでしょう。

場面に応じて自分で考えて動ける

場面に応じて自分で考えて動けるという特徴もメーカーに向いている人の特徴です。

メーカーの現場では、日々さまざまな課題や予期せぬトラブルが発生します。設計上の微調整が必要になることもあれば、生産工程で問題が発覚することもあります。そのような場面ではマニュアル通りの対応だけでは十分でないことも多く、自分で状況を判断し、最適な行動をとる力が求められます。

「今、自分に何ができるのか」「どう動くのが最も効果的か」をその場で考え、主体的に行動できる人は、メーカーで活躍することができるでしょう。特に製造業では、ひとつの判断ミスが品質低下や納期遅延など大きな問題に発展することもあるため、自ら考えて的確に動ける人材は現場から強く求められます。

リーダーシップがある

メーカーに向いている人の特徴としては、リーダーシップがあることも挙げられます。

メーカーの現場では、複数の部署やスタッフが関わりながらひとつの製品を形にしていきます。その過程では、意見の調整やスケジュール管理、トラブル対応など、全体を見渡して指揮をとる役割が必要になります。

特にメーカーでは技術的な課題や納期、コストの制約など複雑な要素が絡み合うため、全体のバランスを見ながら冷静に決断できる人が重宝されます。これまでにチームのリーダーを務めた経験がある人や、プロジェクトの進行管理を担ったことがある人などは、その経験をメーカーの現場でも活かすことができるでしょう。

学習意欲が高い

学習意欲が高い人もメーカーの仕事に向いている可能性があります。

メーカーの仕事は、技術や製品に関する知識だけでなく、市場の動向や業界の最新トレンド、さらには生産技術や品質管理手法など、幅広い分野にわたって常に学び続ける必要があります。特に近年では技術革新のスピードが非常に早く、新しい素材や製造方法、AIやIoTの活用といった変化に対応することが求められています。だからこそ、学習を続ける意欲が重要なのです。

ものづくり白書」では、製造部門の人材について、今後特に重点的に伸ばしていきたい能力・知識に「多くの工程に対応できる技能(多能工化)」を挙げる企業が67%でした。これはさまざまな分野について学び、自らの対応領域を広げられる人材がより必要とされていることを意味すると考えられるでしょう。

専門性の高い仕事がしたい

メーカーは専門性の高い仕事がしたいという人にも向いています。

メーカーの仕事は、製品の設計や開発、生産技術、品質管理、研究開発など、それぞれの分野で高度な知識やスキルが求められるため、専門性を深めたいと考える人にとってやりがいのある環境です。特に技術職では、材料力学や電気回路、流体力学、機械設計、ソフトウェア開発など、学問的な知見を実務に活かせる場面が多くあります。また、多くのメーカーでは、一定の領域に特化して長くキャリアを積むことができるため、自分の専門分野を極めることが可能です。

実際、「2024年新入社員意識調査(業界別編/製造業)」によれば、製造業に就職した新入社員のうち28.1%が、将来的なキャリア像として「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を歩みたい<専門家>」と回答しています。

つまりメーカーは専門性を磨きながら働きたいと考える人々に支持されていることがわかります。自分の得意分野を伸ばし専門家として働きたいという人にとって、メーカーという選択肢は理にかなったキャリアパスといえるでしょう。

製造業に向いている人とは?適性や職種別の特徴などから解説

メーカーへの就職のメリット

メーカーで働くことには多くのメリットがあるので、メーカーに向いている人の特徴が少しでもある人はぜひ目指してみてください。

ものづくりの根幹に触れられる

メーカーへ就職することのメリットは、ものづくりの根幹に触れられることです。企画から設計・開発、製造、そして市場投入に至るまで、一連のプロセスに携わることができるのはメーカーならではの魅力です。このプロセスの中で、自らのアイデアや技術が実際の製品として形になり、世の中に送り出される過程を間近で体験することができます。

さらに、完成した製品が世の中でどのように使われ、どのような評価を受けているかを知ることで、自分の仕事の社会的意義や影響力を実感できます。メーカーで働くことで、単にモノを作るという経験だけではなく、創造の根幹に関わるというかけがえのない体験ができるでしょう。

高収入が期待できる

メーカーに就職するメリットのひとつに、高収入が期待できることも挙げられます。特に大手メーカーやインフラ系、技術力の高い企業では、業績が安定していることに加え、社員への還元意識も高く、基本給や賞与が比較的高水準であることが多いです。また、職種によっては専門性や技術力が求められるため、それに見合った待遇が用意されていることも少なくありません。

令和5年分民間給与実態統計調査」によると、製造業の平均年収は約533万円となっており、全産業平均の460万円を上回っています。さらに、「平均年収ランキング」の業種分類ではトップ10に「メーカー」は3業種入っています。

このように、メーカーは全体的に高収入が期待できる仕事であり、安定した収入を求める人にとって魅力的な選択肢でしょう。

出典:転職サービスdoda「平均年収ランキング2023」< https://doda.jp/guide/heikin/

需要が大きい

需要が大きいこともメーカーに就職するメリットのひとつです。

日本の製造業は、世界的に見ても高い技術力と品質管理能力を誇り、多くの企業が国内外で安定した生産体制を築いています。一方で、近年は現場の人手不足が深刻化しており、多くの企業が人材確保に向けて積極的な取り組みを進めています。そのため、技術職をはじめとするさまざまな職種で常に人材が求められており、就職や転職のチャンスも豊富です。

実際、「製造業の人手不足実態調査」を見ると、製造業の90.29%が「人材不足」を感じており、そのうち7割以上が「採用活動強化」「賃金・福利厚生の見直し」「働き方改革」など、なにかしらの対策に着手している状況が報告されています。

このような状況を踏まえると、今後もメーカー業界における人材需要は継続すると見られ、未経験者にとってもチャレンジしやすい環境が整いつつあります。安定した需要のある分野で働きたいと考える人にとって、メーカーは有望な選択肢といえるでしょう。

幅広い人と知り合える

メーカーに就職するメリットとしては、幅広い人と知り合えることも挙げられます。

メーカーの仕事は、開発・設計・生産・営業・品質管理・調達など、多岐にわたる部門が連携しながら進められます。社内だけでも職種や専門性の異なる多くの人と関わる機会があり、プロジェクト単位での協働や部署をまたいだ連携などを通じて、幅広い人間関係を築くことができます。

また、仕入先や外注先、販売代理店、時には海外の取引先やパートナー企業ともやり取りをすることもあり、社外のさまざまな立場・業種の人々と関係を築くことができます。これにより、視野が広がり、自分自身の成長にもつながる貴重な経験が得られるでしょう。

様々な場所に出張できる

メーカーの仕事にはさまざまな場所に出張できるというメリットもあります。

メーカーにおいて製品の開発や導入、生産ラインの立ち上げ、取引先との打ち合わせ、展示会への参加など、出張はさまざまな場面で発生します。国内外を問わず、工場や顧客の現場に足を運ぶことで、製品が実際に使われている環境や、ユーザーの生の声に触れることができます。

こうした経験は、自分の仕事が社会にどう役立っているかを実感できる貴重な機会ですし、モチベーションの向上にもつながります。また、各地を訪れることで視野が広がり、文化や慣習の違いを学ぶことでビジネスパーソンとしての柔軟性も高まるでしょう。

メーカーへの就職者が学んでおいたほうがよいスキル

メーカーへの就職を考えている人は、どのようなスキルを学んでおくのがよいでしょうか。

タイムマネジメント

メーカーへの就職者が学んでおいたほうがよいスキルにタイムマネジメントがあります。

メーカーでは、製品の開発や製造に関するスケジュールが厳格に管理されています。納期を守ることはもちろん、設計・試作・量産化などの各工程においても期限が設定されており、タイムマネジメント能力が求められます。業務が複数並行して進むことも多いため、優先順位を見極めて効率よく仕事を進める力も重要です。

生産トラブルや業務量の変動など、計画通りにいかない場面も少なくありません。そうした状況でも慌てず、再調整を図りながら安定して業務を進められる人材は評価されるでしょう。

言語化する力

メーカーに就職する場合、言語化能力も身につけておくのがよいでしょう。メーカーでは、技術的なアイデアや課題、進捗などをチーム内や他部署、取引先に正確かつ明確に伝える力が求められます。このような場面では、専門用語を的確に使いつつも、相手の理解度に応じてわかりやすく説明しなくてはなりません。

また、問題が発生した際には、その原因や対策を明確に説明する力も重要です。トラブルが発生した場合、何が問題なのか、なぜそれが起きたのか、どうすれば再発を防げるのかを整理し、関係者に迅速かつ正確に共有する必要があります。

複数の人と連携してものづくりを進める以上、技術力だけでなく言語化能力もまた重要な能力といえるでしょう。

IT・デジタルリテラシー

IT・デジタルリテラシーもメーカーへの就職者が学んでおきたいスキルのひとつです。DX化が進むなかで、近年では製造業でもデジタル化が急速に進んでいますし、IoTやAI、クラウドなどの先端技術を活用する場面も増えてきました。そのため、これらの技術に対する基本的な理解を持っておくことは、メーカーで働くうえで大きな強みになります。

ExcelやPowerPointなどの基本的なソフトウェア操作に加え、PythonやSQLといったデータ分析や業務自動化に活用できるツールの使い方を学んでおくとより良いでしょう。さらに、生産管理システムや業務支援アプリ、CAD・CAEの操作スキルを身につけておけば、設計や開発業務への適応力が高まります。

ITやデジタル技術に対する興味や学習意欲を持ち、自らアップデートし続ける姿勢が今後ますます求められるでしょう。

協働力

メーカーで活躍するためには、協働力も身につけておいたほうがよいスキルです。

メーカーでは、設計、開発、生産、品質管理、営業、購買など、さまざまな部門が連携しながら製品をつくり上げていきます。そのため、どんなに優れた専門知識や技術があっても、チームで円滑にコミュニケーションを取り、目的に向かって協力できなければ成果は上がりません。だからこそ、異なる専門分野の人など自分とは違う視点を受け入れ、柔軟に対応する姿勢である「協働力」が重要なのです。

実際、「ものづくり白書」によると、製造業の正社員(50歳未満)における最も重要な能力・スキルについて、企業の53.5%は「チームワーク、協調性・周囲との協働力」と回答しています。ものづくりの現場で信頼関係を築くためにも、共通の目標に向かって周囲と連携する力を磨きましょう。

分析力・創造力

分析力や創造力もメーカーを目指すときに得ておいたほうがよいスキルのひとつです。

メーカーの現場では、常により良いものを、より効率的に作ることが求められます。そのためには、現状を的確に把握し、課題や問題点を論理的に分析する力(分析力)と、それに対して新しいアイデアや解決策を生み出す力(創造力)の両方が欠かせません。

たとえば、生産現場においては設備の稼働率や不良率のデータを分析し、そこからボトルネックを発見することが求められます。そして、限られた時間や資源のなかでどうすれば効率よく改善できるかを考え、創意工夫を重ねて実行に移す力が必要とされます。

自分なりの視点を持ち、常に「なぜそうなるのか」「もっとよくするにはどうすればいいか」と考える姿勢がメーカーでの活躍につながるでしょう。

文系でもメーカーで働くことができる?

文系でも、メーカーで働くことはできるのでしょうか。結論から述べると、文系でもメーカーで働くことは可能です。

メーカーと聞くと理系のイメージが強いかもしれませんが、実際には営業、商品企画、マーケティング、経営企画など、多様な職種が存在します。これらの職種では、理系の専門知識よりも、コミュニケーション能力や論理的思考力、情報収集力、発想力など、文系的なスキルが重視される場面が多くあります。

また、理系的な知識が求められる部署や職種であっても、入社後に基礎知識や技術などを学べる研修制度を用意しているケースもあり、文系出身者でもキャッチアップすることが可能です。そのため、専門的なバックグラウンドがなくても、学ぶ意欲と柔軟な姿勢があればメーカーの技術職で働くことも可能でしょう。

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メーカーへの就職を考えていて、今回紹介したメーカーに向いている人の特徴がある人は、メーカーへ就職してみてはいかがでしょうか。メーカーの仕事は、社会のインフラや人々の生活を支える重要な役割を担っています。そういったものづくりに携わることで、大きなやりがいと達成感を得られるはずです。そして、メーカーへの就職や転職をする際には、エージェントの利用がおすすめです。

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