製造業は実際どれくらいの年収がもらえるのか、他の業種と比べて年収は高いのか、製造業の職種ごとの年収を知りたいなどの思いを持っている人も多いのではないかと思います。

製造業は業種や職種、企業の規模によって年収に大きな差が出る分野であり、正確な情報を知っておかないと、転職やキャリア選択で後悔してしまう可能性があります。

そこでこの記事では、製造業の年収の特徴、製造業の職種別の年収情報、年収を高める方法について詳しく解説します。

製造業の年収の特徴

製造業の年収が他業種と比べてどのような位置にあるのか、年齢や性別、職種ごとの年収の特徴を調査し解説します。

他の業種との比較

製造業の月給は、他業種と比べてどの程度の水準にあるのでしょうか。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査2023」によると、正社員・正職員の平均月給は全産業で336.3千円、製造業では307.0千円となっています。これらの数値から製造業の給与水準は、全産業平均よりやや低めといえます。

一方、連合・JR連合による「連合・賃金レポート2022」では、製造業全体の生涯賃金(大卒)は約2.52億円となっており、全国平均の約2.1億円に比べて高くなっており、大卒であれば製造業においては賃金が日本の平均以上であることが考えられます。

さらに業種別年収ランキングでは、製造業(メーカー)の平均年収は約481万円で、金融(491万円)、総合商社(472万円)に次ぐ高水準となっています。

属性ごとの年収

年齢別の標準者賃金カーブ(連合調査資料)によると、製造業では55歳で年収が最も高くなり、その後緩やかに減少する傾向にあることがわかります。例えば、20代後半は年収400万円前後ですが、40〜50代には700万円以上の高収入層が多くなり、長期キャリアで収入が飛躍的に伸びる構造となっています。

また、男女間の年収格差にも注意が必要です。同じ資料では、製造業における男女間の賃金比較指数は「77.1」とされており、女性の平均賃金は男性の77.1%にとどまっています。これは全産業平均(72.4)よりは良いものの、依然として大きな差が存在することを示しています。

このように、製造業の年収は年齢に比例して増加する一方で、男女間の賃金格差という課題も残されているのが実情です。

職種によって年収に幅がある

製造業とひと口に言っても、職種によって年収には大きな差があります。

たとえば、工場でライン作業や組み立てを担当する製造オペレーターや軽作業員などは、未経験でも就業しやすい反面、年収は300万〜400万円台にとどまるケースが多く見られます。地域や企業規模によっては年収300万円を下回ることもあります。

一方、開発・設計職や品質管理、生産技術、設備保全、管理職クラスなど専門性が高い職種は、経験年数とスキルに応じて年収500万〜800万円以上を狙えるポジションも多く、技術系エンジニアやマネジメント職になるほど年収水準が高まる傾向にあります。

このように、同じ製造業のなかでも職種によって収入の伸びしろが大きく異なるため、キャリア形成を考える際には、どの職種を目指すかが重要なポイントになります。以下では、製造業の各職種の年収の解説をするので参考にしてください。

製造業の職種別の年収解説

製造業の年収は、同じ業界でも「何を作っているか」や「どの職種か」「どの企業に属しているか」によって大きく異なります。ここでは、厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag(職業情報提供サイト)」のデータをもとに、代表的な製造業の職種ごとの平均年収を紹介します。転職やキャリア形成を考えるうえでの参考にしてください。

機械設計エンジニア

機械設計エンジニアは、製品や装置の設計図を作成し、性能や安全性、コストを考慮しながら最適な構造を考案する専門職です。自動車や産業機械、精密機器など、あらゆる製造分野で必要とされており、製造業の中でも特に専門性の高い職種といえます。

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、機械設計技術者の平均年収は669.4万円となっています。これは、令和4年の国税庁「民間給与実態統計調査」による日本の平均年収458万円を大きく上回っており、高い専門性が収入に直結していることが分かります。

経験やスキルを重ねることで、プロジェクトリーダーや開発マネージャーへのキャリアアップも可能で、将来的にも高収入が見込める点が大きな魅力でしょう。

機械設計エンジニアの年収とは?将来の年収、年収を上げる方法などを解説

自動車エンジニア

自動車エンジニアは、自動車の設計・開発・製造に携わる技術者であり、走行性能や安全性、環境性能の向上を目指して、さまざまな技術的課題の解決に取り組む重要な役割を担っています。エンジンや電装部品、ボディ構造、制御システムなど担当分野は多岐にわたり、近年ではEVや自動運転技術といった次世代分野への対応も求められています。

職業情報提供サイトによると、自動車開発技術者の平均年収は700.6万円です。これは他のエンジニア職と比べても高水準であり、高度な技術が必要とされることに加え、大手自動車メーカーなど規模の大きい企業が多いことが、年収の高さに影響していると考えられます。

技術革新が続く自動車業界では、今後もエンジニアの需要が高まることが予想されており、安定した収入とキャリアアップの両面で魅力のある職種といえるでしょう。

半導体エンジニア

半導体エンジニアは、スマートフォンや家電、自動車、産業機器などに欠かせない半導体製品の設計・開発・製造に携わる専門職です。近年では、AIやIoT、自動運転といった先端分野の拡大に伴いより一層注目を集めています。半導体の製造には、高度な専門知識と精密な工程管理が求められ、技術者としてのレベルが問われる分野です。

職業情報提供サイトの半導体技術者を見ると、平均年収は755.2万円となっています。これはエンジニア職の中でも特に高水準であり、世界的な半導体需要の増加や日本政府の産業支援策などが、収入の高さに反映されているといえるでしょう。

今後も経済安全保障やグローバル競争力の観点から、半導体人材のニーズは高まり続けると予想されます。研究開発、プロセスエンジニア、装置エンジニアなどの専門領域へとキャリアを広げることで、さらなる収入アップやキャリア成長が期待できるでしょう。

半導体エンジニアの年収はどれくらい?将来性や年収を上げる方法も紹介

電気・電子エンジニア

電気・電子エンジニアは、発電設備や電子機器、通信機器、制御装置などの設計・開発・保守に携わる技術者です。電力インフラから家電製品、医療機器、自動車など、暮らしを支える幅広い分野で活躍しており、製造業においても重要な役割を担っています。

職業情報提供サイトによると、電気・電子技術者の平均年収は755.2万円です。特に制御系や組み込み系の開発など、高度な専門知識と技術が求められる分野ではさらなる高収入も見込めます。

IoTや再生可能エネルギー、スマート家電といった成長領域の発展により、今後も電気・電子系エンジニアの需要は継続的に拡大する見通しです。キャリアアップを図ることで、プロジェクトリーダーやマネジメント層への昇進などによって年収を高められることも期待できます。

電気・電子エンジニアの年収は?仕事内容や今後の需要についても解説

企画

企画職は、製造業においても製品開発や市場戦略の立案、業務改善など多岐にわたる役割を担っています。市場ニーズを分析し、商品やサービスの方向性を決めることから、企業の収益や成長に大きな影響を与える重要なポジションといえます。

職業情報提供サイトにおける「企画・調査担当」のデータによると、平均年収は690.7万円とされています。製造業に限らず、業界を問わず一定の高収入が見込まれる職種であり、特に事業戦略や新規事業開発に携わる場合は、高い企画力や論理的思考力、コミュニケーション能力が求められます。

特に、製造業の中でも中堅〜大手企業の新規事業部門や商品企画部門に所属するケースでは、担当するプロジェクトの規模や売上インパクトによって年収800万円以上が提示されることもあります。また、マネジメント層やプロジェクト責任者となれば、年収1,000万円を超えることもあります。

研究・開発

研究・開発職は、製造業の中でも特に専門性が求められる職種のひとつで、年収面でも比較的高水準となる傾向があります。研究・開発では、新製品の設計や改良、素材や製造プロセスの最適化などを担い、企業の競争力を左右する重要な役割を担っています。

研究・開発職は製造業の中でも高収入が期待できる職種のひとつです。これは製造業以外も含みますが、調査によると研究・開発職の平均年収は705万円とされています。年齢が上がるにつれて収入も増加し、50代では1,000万円を超えるケースもあるようです。

技術力や専門性が重視される分野であり、成果が収入に反映されやすい職種といえるでしょう。キャリアアップ、年収アップを目指すなら有望な選択肢のひとつです。

生産技術

生産技術は、製造現場の効率化や品質向上を目的に、設備や工程の改善、技術開発を担う職種です。製品を安定して生産するうえで欠かせない存在であり、製造業全体の競争力に直結する重要なポジションといえます。

職種別年収ランキングによると、生産技術職の平均年収は616万円(2024年時点)とされています。このデータを見ると、30代前半で約570万円、40代で700万円を超える水準に達しており、経験やスキルに応じて安定的な収入が見込めることがわかります。

特に、改善提案や自動化設備の導入などで成果を上げられる人材は、高い評価を受けやすく、収入面にも反映される傾向があるでしょう。また、年齢や実績に応じて着実に収入が伸びるので、安定性を求める人にもマッチするはずです。

生産技術の年収とは?将来の年収、年収を上げる方法などを解説

生産管理・品質管理

生産管理や品質管理は、製造現場における「安定生産」と「品質確保」の要として重要な役割を担う職種です。生産管理は、納期・在庫・コストを最適化しながら製造計画を遂行する一方で、品質管理は製品の品質基準を保ち、出荷前の検査や不良品の分析・改善などを担当します。いずれも製造の最前線で現場と密接に関わる仕事であり、緻密な調整力や問題解決能力が求められます。

職業情報提供サイトによると、生産管理・品質管理の平均年収は755.2万円とされています。この平均年収は、製造業の中でも高水準に位置しており、責任の大きさや専門性の高さを反映しています。とくに近年は、製造業全体で生産効率の向上や品質向上が強く求められており、それに伴い生産管理・品質管理職の役割も一層重視される傾向にあります。

品質管理の年収とは?年収の特徴、将来の年収について解説

設備保全

設備保全は、製造現場において機械や設備の安定稼働を支える重要な職種です。業務内容は、機器の定期点検やトラブル発生時の修理対応、予防保全、故障の原因分析など多岐にわたります。生産ラインの停止は企業にとって大きな損失となるため、設備保全担当者には迅速かつ的確な判断力と技術力が求められます。

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、「産業用ロボットの保守・メンテナンス」「紡織設備管理・保全」「物流設備管理・保全」など、設備保全に該当する業務の平均年収は586.3万円とされています。業種や設備の専門性によって収入に差はありますが、今後も自動化や省人化の進展とともに、安定したニーズが見込まれる職種です。

工場の設備保全の年収は?年収を上げる方法、将来求められる能力も紹介します

また、製造業への就職については以下の記事で詳しく解説しています。

製造業へ就職したい人は要チェック!職種や年収、向いている人をデータから解説

製造業で年収を高める方法

製造業に従事するなかで、年収を高めるにはどのような方法があるでしょうか。

転職する

製造業で年収を高めたいと考えるなら、転職は有効な手段のひとつです。転職でより給与水準の高い会社や年収の高い職種やポジション、大規模な会社に転職をすることで、年収を高められるでしょう。

特に、現在の職場で昇給が見込みにくい場合や、自身のスキルや経験がより高く評価される環境を求める場合には、思い切って新たな職場に挑戦することで収入アップが期待できるでしょう。

転職時には、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントは、求職者の希望やスキルにマッチした企業とのマッチングを行うだけでなく、企業との年収交渉や選考対策もサポートしてくれるため、自分ひとりで動くよりも好条件を引き出しやすくなります。

実際、転職時にエージェントを活用した人の約6割が年収アップを実現しているというデータもあるので、転職エージェントの利用は有効でしょう。

資格を取得する

製造業で年収を高める方法として資格の取得は有効です。多くの企業では、業務に関連する資格を取得すると資格手当が支給される制度があり、収入アップにつながるケースも少なくありません。とくに、企業が推奨する技術系・安全衛生系・マネジメント系の資格を取得することによってスキルや知識の裏付けとなり、評価につながるでしょう。

また、現場責任者や管理職を目指すうえでも、一定の資格が評価基準のひとつになることがあります。さらに、特殊な作業や設備に関わる業務では、資格の有無によって業務の範囲が変わり、手当が支給されるケースもあるため、資格取得はキャリアと収入の両面でプラスに働くでしょう。

役職を得る

製造業で年収を高めるためには、役職を得ることが有効な手段です。

役職に就くことで業務の責任範囲が広がり、組織全体をマネジメントする立場となるため、評価基準や報酬体系も上がる傾向があります。企業では等級や役職に応じた給与制度を採用しているケースが多く、上のポジションに昇進することで基本給が上がるだけでなく、役職手当が支給されることも一般的です。

役職を得ることで責任が増す分、年収を上げるチャンスが広がるため、製造業で収入アップを目指すなら昇進を意識した行動が大切です。

先端技術の知識・スキルを身につける

先端技術に関する知識やスキルを身につけることは、製造業で年収を高めるための重要な手段のひとつです。近年の製造現場では、DXやIoT、AIの導入が進んでおり、こうした技術を活用した品質管理や生産効率の向上が求められています。

たとえば品質管理へのアンケートでは、「品質におけるDXやIoTの推進方法」が製造業の現場で課題として多く挙げられており、デジタル技術をどのように実務に組み込むかについて現場が手探りの状態であることがわかります。

また、品質管理でAIシステムの利用が増えているという調査もあり、AIやDX、IoTなどの先端技術の知識やスキルを身につけることで、企業にとって喫緊の課題に対応できる人材として高く評価されるでしょう。これらのスキルを持つことで、高付加価値な業務に関わる機会が増え、結果的に年収アップやキャリアの選択肢拡大につながるはずです。

製造業の就職・転職はベスキャリ機電で

製造業の年収は職種やスキル、経験、企業規模によって大きく異なります。年収を上げるためには、そういった職種や企業に就職・転職するのがよいでしょう。

そのためには、就・転職エージェント「ベスキャリ機電」の利用がおすすめです。ベスキャリ機電では、製造業・機電系分野に特化した転職支援を行っており、ものづくりの現場に精通したキャリアアドバイザーが、あなたの強みや希望条件に合った求人をご紹介します。

特に、業界に精通したアドバイザーが技術的な背景や職場の実情を理解したうえでの的確なアドバイスが可能です。さらに、常時10,000件以上の案件を保有しており、非公開求人も多数取り扱っているので、大手メーカーや高年収案件に出会えるチャンスが広がっています。

また、書類添削や面接対策、年収交渉なども手厚くサポートしているため、はじめての転職やキャリアチェンジでも安心して進められます。製造業で年収アップやキャリアアップを目指すなら、ぜひベスキャリ機電を活用してみてください。

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