「品質管理の仕事に役立つ資格とは?」「キャリアアップに活かせる資格を知りたい」という疑問をお持ちではないですか?
品質管理の分野では、専門知識やスキルを証明する手段として資格取得が重要です。ただ、適切な資格を選ばなくては業務で活用できなかったり、評価につながらなかったりするので注意が必要です。
この記事では、品質管理が資格を取得するメリットを解説するとともに、おすすめの資格を紹介します。資格取得における注意点やキャリアを高める方法も解説しているので参考にしてください。
品質管理が資格を取得するメリット
品質管理が資格を取得することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
収入アップにつながる可能性がある
品質管理の分野で資格を取得することは、収入アップにつながる可能性があります。
品質管理部門を備える企業のなかには、業務に関連した資格を保有している従業員に対して、資格手当や報奨金を支給する制度を導入している場合があります。とくに、品質管理検定(QC検定)やISO関連資格など、業務に直結する資格を取得していると、企業からの評価も高まり、昇給や昇進につながることもあるでしょう。
また、転職市場においても、資格はスキルや知識の証明となり、希望するポジションへのマッチ率や年収提示額にも好影響を与えることがあります。資格は「目に見える実力」として評価されやすいため、将来的な収入アップを目指すなら、資格取得は大きな武器となるでしょう。
信頼性が高まる
品質管理の資格を取得することで、専門知識やスキルを客観的に証明できるため、社内外からの信頼性が高まります。
品質管理の仕事は、製品やサービスの品質を守る重要なポジションであり、責任も大きい分、その知識やスキルに信頼性が求められます。資格を保有していれば、一定の知識や技術を持っていることの証明になり、上司や同僚、他部門からの評価が向上するだけでなく、クライアントからの信頼も得やすくなるでしょう。
とくにISOやJISなどの規格に準拠した運用を行う企業では、資格の有無が業務上の判断材料になることも多く、信頼される品質管理担当者としてキャリアを築くうえでも大きな強みとなるはずです。
キャリアの選択肢が広がる
品質管理に関する資格を取得することで、自身のキャリアパスが広がる可能性があります。資格取得によって得られる専門知識やスキルは、管理職への昇進やリーダー職へのステップアップに直結する可能性があり、将来的にマネジメント層を目指すうえでも大きなアドバンテージとなるでしょう。
また、履歴書に明記できる公的資格は、転職活動においても効果的にアピール材料となり、評価されやすくなります。実際に、内定後や入社後に資格取得を求める企業もあるため、事前に取得しておくことで選考や配属時に有利に働くケースも少なくありません。
さらに、資格はフリーランスとして独立したり、コンサルタントとして活躍したりするときにも役立ちます。このように、資格は知識の証明だけでなく、将来の選択肢を広げるパスポートにもなるのです。
品質管理におすすめの資格9選
では、品質管理におすすめの資格とはどのようなものなのでしょうか。
1.品質管理検定(QC検定)
「品質管理検定(QC検定)」は、製造業をはじめとした多くの業界で活用されている、品質管理の知識やスキルを客観的に証明できる資格です。日本規格協会が主催しており、品質管理の基礎から実務レベルまで幅広く評価されるため、現場スタッフから管理職まで幅広い層に支持されています。
等級は1級から4級まであり、4級は入門レベル、1級は高度な統計的手法を含む上級レベルとなっており、自身のスキルレベルに応じた受験が可能です。特に3級・2級は企業内での評価対象となることが多く、昇進や昇給の要件として導入している企業もあります。
QC検定を取得することで、品質管理の基本を体系的に学べるだけでなく、職場内での信頼性や説得力も向上します。製造業や品質管理の現場でキャリアアップを目指すなら、まずはQC検定の取得を検討してみるとよいでしょう。
2.品質マネジメントシステム審査員
「品質マネジメントシステム審査員(QMS審査員)」は、ISO 9001などの国際規格に基づき、企業の品質マネジメントシステムが適切に構築・運用されているかを、第三者の立場から審査・評価する専門家です。JAB(日本適合性認定協会)などの認証機関が審査員としての力量を評価・認定しています。
この資格は、品質管理の実務経験に加え、体系的な知識と高度な専門性が求められるため、企業内での信頼度が高く、昇進や管理職登用にも有利です。特にISO認証を取得している企業においては、QMSの維持・改善が組織運営の要となるため、資格を持つ人材は評価されるでしょう。
さらに、QMS審査員は品質基準やリスクマネジメントに精通しており、品質方針の策定や内部監査の対応、業務プロセスの最適化など、組織全体の品質向上に貢献する重要な役割を担います。
3.マネジメントシステム監査員検定
「マネジメントシステム監査員検定」は、品質管理・環境管理・労働安全衛生などのマネジメントシステムに関する知識と、監査に必要なスキルを有していることを証明できる資格です。一般財団法人日本規格協会(JSA)が実施しており、ISO 9001、ISO 14001、ISO 45001など、複数の分野に対応しています。
この検定では、マネジメントシステムの構築・運用に関する基本的な理解に加え、実際の監査に必要な視点や考え方、リスクマネジメント、適合性評価などが問われます。受検者は、企業内部の監査担当者だけでなく、外部監査を担う立場を目指す人にも広く推奨される資格です。
品質管理の分野では、マネジメントシステムの有効性や改善状況を評価・提案できる力が求められるため、この検定を取得することで業務への理解を深められるだけでなく、組織全体の品質向上にも大きく貢献できるはずです。
4.QCサークル指導士資格認定制度
「QCサークル指導士資格認定制度」は、製造現場におけるQC活動を正しく指導・育成できる専門家を認定する国内で唯一の資格制度であり、2000年に日本科学技術連盟が創設しました。
QCサークル指導士を持つことで、品質トラブルの予防や改善活動の推進ができるだけでなく、改善の専門家としてマネジメント層や経営層からの信頼も得られるため、キャリアアップや社内評価にも有利になるはずです。
受験には、まずQCサークル推進者コースの受講が必須で、最終日に認定試験があります。認定後は、社内外のQCサークルを指導したり、セミナー講師・大会講評者として活動できるなど、品質管理の実務力と指導力を客観的に証明することができます。一定期間ごとに資格更新(3年に一度)も必要なため、常に最新の品質管理知識や組織改善手法に触れ続けられる体制が整っています。
5.金属材料試験技能士
「金属材料試験技能士」は、JIS規格などに基づき、金属材料の強度や硬さ、耐久性などを正確に評価・試験するための専門知識と技能を証明する国家資格です。製造業の中でも特に金属素材・部品分野の品質保証や検査工程に従事する人にとって、重要性の高い資格といえます。
資格は等級によって1級・2級・3級に分かれており、現場経験や知識のレベルに応じてステップアップが可能です。取得することで、非破壊検査や引張試験、衝撃試験など、各種金属試験の実務スキルを体系的に習得でき、品質管理部門や試験検査部門での実践力が大きく高まるでしょう。
技能士として認定されることにより社内外からの信頼性が向上し、キャリアの選択肢も広がるはずです。製造業や機械加工業で品質試験のスペシャリストを目指す方にとって、取得する価値の高い資格といえるでしょう。
6.技能検定(鋳造)
「技能検定(鋳造)」は、金属製品の製造工程において不可欠な「鋳造」の技能を評価する国家資格で、厚生労働省が所管する技能検定制度のひとつです。溶かした金属を型に流し込み、冷却・固化させて目的の形状に仕上げる鋳造は、製造業における製品の強度や品質に大きく関わる重要な工程です。
鋳造工程は、製品の寸法精度や表面仕上げ、内部欠陥の有無など、最終的な品質に直結するプロセスであるため、品質管理の視点でも重要です。技能検定取得によって、製造現場における品質トラブルの原因を早期に発見・改善する力が身につき、不良品の低減や工程の最適化にも貢献できます。また、品質管理部門と製造現場の橋渡し役としての役割も果たしやすくなり、現場視点をもった品質管理の実践が可能になるでしょう。
この検定は、等級によって初級者向けの3級から熟練技術者向けの1級まで用意されており、実技試験と学科試験の両方でスキルを証明する形式になっています。現場の生産性や品質を高めるうえで重要視されており、特に鋳造業界では評価の高い資格です。
7.技術士(経営工学部門)
「技術士(経営工学部門)」は、製造業やサービス業における生産管理・品質管理・業務改善・コスト削減など、経営の効率化を図るための経営工学に関する専門知識と実務能力を備えた技術者を認定する国家資格です。科学技術分野の中でも特にマネジメント系に位置づけられ、高度な専門性と総合的な問題解決力が求められます。
この資格を保有することで、品質管理や業務改善の現場において、工程の最適化や不良削減、プロセス改善のリーダーとしての信頼性が高まります。また、企業のマネジメント層やコンサルタント、社内の改善推進役などのキャリアパスを描くうえでも大きな武器となります。
技術士試験は一次試験と二次試験の2段階構成となっており、一次試験では科学技術全般に関する基礎知識や適性、専門分野の理解度などが問われます。二次試験では、経営工学に関する実務的な応用力や倫理観、課題解決能力を論文や口頭試験を通じて評価されます。二次試験に合格すると「技術士(経営工学部門)」の資格が付与されます。
8.作業主任者
作業主任者は、労働安全衛生法に基づき特定の作業において労働者の安全を確保するために選任される責任者です。たとえば「有機溶剤作業主任者」や「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」など、作業の種類ごとに資格が定められており、国家資格として講習修了と修了試験の合格が必要です。
品質管理との関係では、安全で安定した作業環境を確保する役割があり、品質トラブルや人的ミスの防止につながる点で重要なポジションです。また、安全管理と品質保証は密接に関連しており、製造現場での総合的なマネジメントスキルを身につける上でも有効な資格といえるでしょう。
講習は通常2〜3日間にわたって行われ、法令、安全衛生に関する基礎知識、作業方法や事故防止措置、設備の点検方法などについて学びます。最終日に実施される修了試験では、講習内容に基づいた筆記試験が行われ、合格すれば作業主任者としての資格が得られます。
9.ISO資格
ISO資格は、国際標準化機構(ISO)が定める規格に基づいた品質マネジメントや環境マネジメントなどの仕組みを構築・運用するうえで必要な知識とスキルを証明する資格です。特に品質管理に関係するものとしては、ISO 9001(品質マネジメントシステム)が代表的です。
ISO資格の多くは、ISO規格に基づいたシステムの導入や維持管理を担う内部監査員やリーダー監査員(主任審査員)としての認定を受けるために取得します。取得するには、指定された教育機関による研修コースを受講し、最終日の試験に合格する必要があります。講座では、品質方針の策定、リスクベース思考、是正処置の考え方、監査手法などを実践的に学びます。
品質管理の現場では、ISOの知識を持っていることが規格遵守の体制整備や社内改善活動に直結するため、信頼性の高い人材として評価されます。とくにISO 9001の内部監査員資格を取得することで、品質マネジメントシステムの継続的改善や外部審査への対応といった重要な業務に関与できるようになります。
品質管理の資格取得における注意点
品質管理の資格取得においては注意すべきことがあります。
受験資格があるものがある
品質管理の資格には、誰でも受験できるものと受験資格が設けられているものがあるので注意しましょう。
たとえば、「品質マネジメントシステム審査員」や「技術士(経営工学部門)」などの高度な資格では、一定年数以上の実務経験や、指定研修の修了、事前登録などが受験の条件となっています。これらを満たしていないと、申し込み自体ができなかったり、試験を受けられても認定されないことがあります。
せっかく学習時間や受験費用をかけても、要件を満たしていないことで無駄になってしまうリスクがあるため、あらかじめ公式サイトや実施団体の情報を確認しておくことが大切です。自分のキャリア段階に応じた資格を選び、計画的にスキルアップを目指しましょう。
目的に合った資格を選ぶ
品質管理に関する資格を取得する際には、自分の現在の業務内容や将来の目的、キャリアビジョンに合った資格を選ぶことが重要です。品質管理分野の資格は多種多様であり、それぞれが対象とするスキルや活用場面が異なります。
たとえば、現場での実践力を高めたい人には、技能検定や作業主任者といった現場作業に直結した資格が適しています。一方で、マネジメントや監査を目指す人には、ISO関連資格や品質マネジメントシステム審査員のような、管理・改善を推進する立場に必要な資格を取得するのがよいでしょう。自身の目的を明確にしたうえで資格を選ぶことで、スキルアップやキャリア形成においてより効果的な成果が得られるはずです。
上で紹介した資格は、役割や目的などで以下のように分類できます。自分の目的やキャリアビジョンごとに取得してください。
| 資格の目的や役割 | 資格名 |
|---|---|
| 基礎知識を身につけるための資格 | 品質管理検定(QC検定) |
| 現場での実践力を高める資格 | 金属材料試験技能士 |
| 技能検定(鋳造) | |
| 作業主任者 | |
| 品質改善や統計的手法に関する資格 | QCサークル指導士資格認定制度 |
| マネジメント・監査に関わる資格 | 品質マネジメントシステム審査員 |
| マネジメントシステム監査員検定 | |
| ISO資格 | |
| 転職やキャリアアップで有利になる資格 | 技術士(経営工学部門) |
実務も重要
品質管理においては、資格の取得だけでなく、実務経験も重要であることを忘れてはなりません。
品質管理のスキルは単なる知識だけでは不十分であり、現場での問題発見や原因分析、改善の実行力、さらにはチームと連携して成果を出す実践的な力が求められます。資格はあくまで知識や意欲の証明にすぎず、実際に品質を向上させるには、現場での経験と具体的な成果が欠かせません。
実際、品質管理の現場では「実務で何を成し遂げたか」が評価の基準になることが多く、資格を取得するだけで満足するのではなく、現場での経験を積み重ねることが不可欠です。
品質管理がキャリアを高める方法
キャリアを高めキャリアや年収を高める方法は資格取得以外にもあります。その方法を紹介するので参考にしてください。
転職する
品質管理のキャリアを高めるには、より好条件の企業への転職を検討することが有効です。
転職することで、今よりも高い品質基準に対応している企業や、グローバルな品質マネジメントに関わるポジションに就ける可能性があります。そうした環境では、より高度な知識や経験を得ることができ、結果としてキャリアの幅や市場価値を高めることができるでしょう。
たとえば、日系メーカーから外資系企業に転職した場合には、国際規格への対応力が求められ、英語力やマネジメントスキルも磨かれる可能性があります。このように、より高いレベルの職務に挑戦できる転職によって、品質管理職としてのキャリアアップを実現できるでしょう。
『品質管理は転職しやすい?必要なスキル、転職を成功させるポイントも解説』
部署異動する
品質管理としてのキャリアを高めるには、部署異動を行うのもよいでしょう。
異なる部署での経験を積むことで、品質管理以外の業務や全体の業務プロセスへの理解が深まり、より俯瞰的に物事を捉える力が養われます。これは、将来的なマネジメントポジションを目指すうえでも重要な基盤になります。
例えば、製造部門や技術開発部門、営業部門などへの異動を通じて、品質に対する各部署の視点を理解できるようになれば、品質向上に向けた社内調整力や説得力も強化されるでしょう。また、海外赴任などの経験があれば、グローバルな品質基準や文化の違いを学ぶことができ、より幅広い対応力が身につくでしょう。
マネジメントを学ぶ
品質管理のキャリアを高めるには、マネジメントスキルを身につけることも有効です。
品質管理は単なる個人作業ではなく、チーム全体を管理し、現場を円滑に運営する能力が求められます。たとえば、主任やグループリーダーの立場では、部下の指導、工程の進捗管理、品質トラブルへの対応など、幅広いマネジメント力が必要です。さらに、工場長や管理職への昇進を目指すには、現場の統率力や報告・連携スキルに加えて、コスト管理や生産性向上の取り組み、安全衛生への配慮といった経営視点での判断力も求められます。
マネジメントを学ぶことで品質管理における役割が広がり、キャリアアップや年収向上につながるでしょう。品質管理のキャリアに関しては以下の記事で詳しく解説しています。
品質管理の就職・転職はベスキャリ機電で
品質管理は資格を取得することで、年収や信頼性、キャリアを高められる可能性があります。自身の目指すキャリアビジョンに合わせて資格や経験を選び、着実にスキルアップを図ることが将来の成長につながるでしょう。そのためにも、求人情報の収集やキャリアの棚卸しを行い、自分に合った道を見極めることが重要です。
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品質管理の求人一覧