一人で開業をしたいけれども、開業するためには資格が必要なのではないかと疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。たしかに資格があると知識やスキルを証明できますし、開業後の仕事の獲得がしやすいでしょう。しかし、資格がなくても開業できる仕事は多くあります。

この記事では、一人で開業できる仕事の特徴を紹介するとともに、開業しやすい職種、一人で開業するときの注意点を解説していきます。これから一人でフリーランスとしての独立をしようとしている人や、法人を開業しようとしている人はぜひチェックしてみてください。

一人での開業におすすめの仕事の特徴とは

一人での開業におすすめの仕事には、どのような特徴があるのでしょうか。

スキルや経験を活かせる

一人での開業に向いている仕事は、スキルや経験を活かせる仕事です。スキルや経験を活かせる仕事がどういうものかというと、自分が身につけた専門的な知識やスキルで仕事をする職種のことです。「企業のフリーランス人材活用に関する実態調査」では企業が「フリーランスに仕事を発注するにあたって最重要視するポイント」は以下のような結果となっています。

最重要視するポイント 割合
対応スピードが速い 36.70%
成果物の品質が高い 29.60%
コストを抑えられる 21.60%
スムーズなコミュニケーションができる 11.20%
その他 0.50%

スピードや品質が重視されており、このことからフリーランスではスキルや知識、経験が重視されることがわかります。

また、「データで見る日本のフリーランス」の調査結果を見ると、日本のフリーランスの平均年齢は55.4歳であり、50歳代以上の男性が54.8%となっています。つまり、経験が豊富なベテランが多いということがわかります。

こういった人はスキルや経験があるので、フリーランスでも仕事が得られ、収入も得られていると思われます。一人で開業をするのにはスキルや経験が大事であることがわかります。

リモートワークができる

リモートワークができるということも、一人での開業におすすめの仕事の特徴です。リモートワークが可能であれば、自宅で一人で仕事をすることができ、効率よく収入を得ることができるでしょう。

一人で開業した場合、稼働した分がそのまま収入になります。リモートワークができない仕事の場合には、通勤に時間がかかってしまい、移動時間分の収入を逃すことになってしまいます。リモートワークができれば長い時間働けますし、効率よく収入を得られるのです。

また、一人で開業する場合にはパソコンでできる仕事がよいでしょう。パソコンでできる仕事であれば、どこかに移動して仕事をしなければならないという制限がないですし、急ぎの対応が必要な場合もどこからでも対応することができます。

投資や雇用が必要ない

投資や雇用が必要ないことも、一人で開業しやすい仕事の特徴といえます。

設備投資や仕入れが必要な仕事の場合、機器の購入や材料の仕入れなどの費用がかかります。初期費用が多くかかるので投資分を取り返すのに時間がかかりますし、需要予測を見誤った時には在庫を抱えるリスクがあります。

また、人を雇用する必要がある仕事も定期的に人件費が発生するため、一人での開業には向いていません。人件費を支払わなくてはならなくなると、利益を圧迫することになってしまいます。自分だけで売上が得られる仕事を選べば経費を抑えることができますし、利益を大きくできます。投資や雇用が必要ない仕事を選びましょう。

Web上から仕事が得られる

Web上から仕事が得られるというのも、一人で開業するのにおすすめの仕事のポイントです。

一人で開業して収入を得ていくには、自分で仕事を獲得していかなくてはなりません。ですが、見込み客のところまで出向いて営業活動をするのは大変ですし、業務を行う時間が減ってしまいます。

フリーランス募集サイトや案件サイトが多いサイトや、そういったサイトに掲載されやすい仕事であれば案件を見つけやすく、営業活動をする負担を減らせるでしょう。

資格がなくても一人で開業しやすい仕事10選

資格がなくても一人で開業しやすい職種は多くあります。

1.ITエンジニア

ITエンジニアは一人で開業しやすい仕事です。ITエンジニアはシステムやWebサイト、アプリケーションなどの設計や開発を行う仕事であり、フリーランスが多い職種となっています。

ITエンジニアはインターネットがあれば自宅で仕事ができますし、パソコン以外に初期投資が必要ありません。プログラミングや設計、開発を行うことが主な仕事なので、一人で仕事ができるので、人を採用したり投資をしたりといったことが必要ありません。フリーランスのITエンジニア向けの案件サイトなども多くあり、案件を獲得しやすいことも開業しやすい理由となっています。

ただし、ITエンジニアは自身のスキルがサービスとなるので、スキルがないと仕事を得られないということになってしまいます。十分な経験を積み、知識やスキルを身につけてから開業するのがよいでしょう。資格がなくても仕事は得られますが、資格を得ればスキルを証明することができます。

2.Webデザイナー

Webデザイナーも資格を持っていなくても開業しやすい仕事の1つです。

WebデザイナーはWebサイトのデザインやコーディングを行いますが、エンジニアと同じようにパソコンとインターネット環境があれば仕事ができます。スキルがあれば開業ができるので、フリーランスになりやすい仕事といえます。

Webサイト制作や運用においてWebデザイナーは求められますが、フリーランス向けの案件サイトなどがあるので、仕事を見つけやすいでしょう。ただし、Webデザイナーのフリーランス案件は単価が低いものもあるので注意が必要です。デザインセンスを磨くとともに、より高度なプログラミングスキルを身につけるのがよいでしょう。

3.営業

資格なしで一人で開業しやすい仕事としては、営業も挙げられます。

フリーランスの営業として企業の営業活動を代行したり、営業体制の構築したり、コンサルティングを行ったりします。営業として開業する場合も自分ひとりで業務を行うことができるので、人を採用する必要がなく初期投資なく開業ができます。

自身の営業力や人脈、ノウハウを活かして仕事を行うので開業しやすい仕事といえますが、成果が求められるので能力や人脈などが重要になります。営業としての経験を積み、成果を出すためのノウハウと人脈を身につけるようにしましょう。

4.建築エンジニア

建築エンジニアの仕事の中でも資格なしで働ける職種があります。建築エンジニアは、設計士やプラントエンジニア、施工管理などの仕事がありますが、こういった職種のなかには一人で開業しやすいものがあります。

一人で開業しやすい仕事の例としては、設計士があります。設計士は施主にヒアリングを行いながら建築物の設計を行い、それを図面に起こすとともに、工事の監理までを行う仕事です。建築作業は工事業者が行うので、こういった仕事は一人で行うことができます。

設計事務所を開業する場合には建築士の資格が必要ですが、フリーランスで働く分には資格は必要ではありません。建築に関する知識や設計スキルがあれば開業することができるでしょう。ほかにも、施工管理なども一人で開業することが可能な仕事といえます。

5.CADオペレーター

CADオペレーターも一人で開業しやすい仕事のひとつです。CADオペレーターは、建設業や製造業で設計図を作成する仕事です。専門ソフトを使い、建物や機械部品の図面を描くことが主な業務になります。CADオペレーターは、資格がなくてもCADソフトを使用して正確な図面の作成ができれば仕事を受注できるため、能力さえあれば一人でも開業が可能です。クラウドソーシングや仕事紹介サイトなどに案件が多く掲載されており、仕事を獲得しやすいのも特徴といえるでしょう。

ただし、ソフトの習得には時間がかかる上に、経験が浅いうちは高単価の案件を得にくい点が課題です。また、業界ごとに異なるソフトを使うため、対象の業界で必要とされるソフトのスキルを磨くことが必要です。

6.機械エンジニア

機械エンジニアも資格なしで一人で開業しやすい仕事のひとつといえるでしょう。機械エンジニアとは、企業の要望に応じて自動車や産業機械、電子機器などの設計や開発を行う職業です。CADや専用ソフトを使って図面作成やシミュレーションを行うとともに、機械の製造プロセスなども最適化し量産化を実現します。

機械設計エンジニアのフリーランスとして働くときには、クライアントと直接契約し、依頼された製品の設計を行います。クライアントの要望を叶える製品を作る能力が重要であり、特に資格が必須ということはありません。

パソコンとCADソフトがあればどこでも仕事を進められますが、機械の部品に必要な素材などは収集して現物を製作しなくてはなりません。機械工学の知識が必要であり、材料力学や流体力学、熱力学などの専門知識に加え、CADやCAEなどの設計ツールの習得も必要です。独立前に企業で十分な実務経験を積み、スキルを高めておきましょう。

7.クリエイター

クリエイターも資格がなくても一人で開業できます。クリエイターとは、動画やイラスト、漫画、Webコンテンツなどを作る職業です。クリエイターとして開業するには資格は必要ありません。自分のセンスや才能を活かして作品を作り、作品を販売することで収入を得ます。

作業はパソコンなどを用いて自宅でできますし、インターネットを介して作品を販売したり、SNSやクラウドソーシングサービスで案件を請け負うこともできたりするので、クリエイターも一人で開業しやすい仕事といえるでしょう。

しかし、競争が激しいことが多いので、継続的に仕事を得るには評価される作品を作る能力と、ブランディングなどが重要になってきます。スキルを磨きながら積極的に自身の創作物を発信し、自らをブランディングしていくことが大切です。

8.コンサルタント

資格がなくても一人で開業できる仕事としては、コンサルタントも挙げられます。コンサルタントは自身が身につけた知識やノウハウなどを用いて、クライアントの課題を解決する仕事です。

自身の能力がサービス内容であり、モノを作る必要などがないので初期投資も少なく、一人で開業しやすいといえます。高度な専門知識や経験が求められますが、資格の取得が必須というわけではありません。オンラインでのコンサルも可能で、クライアントを全国から獲得することができるので、自宅で開業なども可能です。

ただ、コンサルタントには企業やビジネス全体において成果を出すことが求められるので、コンサルタントを行う業界や業種における十分な経験と実績が必要になります。また、開業後にはコンサルタントとして常に最新の情報を学び続ける姿勢も求められます。

9.ライター

ライターも、資格がなくても一人で開業しやすい仕事のひとつです。ライターは記事やコピーラティング、シナリオなどの文章を執筆するのが主な業務で、パソコンとインターネット環境があれば始められます。また、クラウドソーシングを利用すれば、未経験でも仕事を獲得しやすいため、開業のハードルが比較的低い職種といえるでしょう。

しかし、競争が激しい業界のため、ライターとして継続的に仕事を得るには一定のライティングスキルが求められます。単に文章を書く能力だけでなくSEOやマーケティングの知識、リサーチ力などを身につけることが重要です。

ライターとして成功するには、スキルを磨きながら実績を積み、信頼を得ることが不可欠です。まずは小さな案件から挑戦し、徐々に単価の高い案件へとステップアップするとよいでしょう。

10.翻訳

一人で開業できる仕事としては翻訳があります。翻訳は、学術書や文学作品、ニュースなどの文章を外国語から日本語に訳す仕事です。文章を翻訳することが業務なので特定の資格は必要なく、語学力とパソコンがあれば開業できます。

ただし、翻訳は単なる言葉の置き換えではなく、文脈や意図を正しく理解し自然な表現にする必要があるので高度な語学力が必要ですし、専門性が高い文章を翻訳する場合は専門用語や文化などの知識も必要になります。TOEICや英検、翻訳検定などの資格を取得することで、客観的なスキルや知識の証明ができるでしょう。

一人で開業するときの注意点

一人で開業する際には、注意しなくてはならないポイントがあります。以下のポイントに注意しましょう。

エージェントに相談する

一人で開業する際には、エージェントに相談するのもよいでしょう。エージェントのなかには、フリーンランス向けの案件に特化して仕事を紹介してくれる会社があります。こういったエージェントを活用することで、自分で営業活動を行う手間なく良い案件を得られる可能性があります。

エージェントは非公開求人など多くの案件の情報を持っており、自分に合った案件を紹介してもらえる可能性があります。さらに、案件の詳細情報、会社内部や社風の情報なども知っていることがあり、より案件選びの精度を高めることができるでしょう。

また、転職エージェントを利用した人は、利用しなかった人に比べて転職時の年収が高くなるというデータもあります。エージェントを利用することで報酬を高めることができる可能性もあるのです。

生活資金を蓄えておく

一人で開業するという場合には、生活資金を蓄えておくということに注意しましょう。

サラリーマンであれば毎月固定の給与をもらえますが、一人で開業するとなると自分で仕事を得なくてはなりません。開業したばかりなど仕事を得られない場合には、収入が完全になくなってしまうので生活資金を蓄えておいたほうがよいでしょう。

フリーランスは社会的信用が低いので銀行から融資も受けづらいので、ある程度の蓄えがないと開業後すぐに廃業ということになってしまいます。また、住宅購入を考えている場合はローンが通りにくい場合があるので、会社員の間に住宅購入の契約をしておいたほうがよいでしょう。

人脈を作る

一人で開業する場合には人脈作りが重要となります。開業をすると自分で仕事を取っていかなくてはなりませんが、前職の知人や仕事で出会った人などからの紹介というのは営業をしなくても仕事を得られますし確度が高いので、人脈を作っておくことが大切なのです。

フリーランス協会による「フリーランス実態調査」によれば、「直近1年間で仕事獲得に繋がったもの」の1位が人脈(70.6%)であり、「もっとも収入が得られる仕事の獲得経路」の1位も人脈(33.6%)でした。開業する前には企業や関係会社、パートナー、クライアントなど、人脈を作るようにしましょう。

また、「今の働き方に対する満足度」の調査では、「多様性に富んだ人脈形成」が34.4%と最も低くなっています。フリーランスでは一人で仕事をすることになり人脈形成が難しくなるので、開業前に人脈を形成しておいたほうがよいということがわかります。

事務作業が必要

一人で開業する際には事務作業が必要ということに注意しましょう。開業をしたあとには、あらゆる事務作業を自分で行わなくてはなりません。日々の経費処理、請求処理、労務や保険の手続き、確定申告などをすべて自分で行わなくてはならないのです。請け負っている業務と並行して、これらの事務作業を行うのは負担になる可能性があります。

また、仕事を得るためにはポートフォリオや経歴書の作成も必要です。これまでの経歴や実績を資料にまとめるのは一定の時間が必要ですし、仕事が終わったあとにはこれらの資料を更新していかなくてはなりません。

一人で開業する前には、こういった事務作業があるということを覚えておきましょう。

フリーランスエンジニアの求人はベスキャリITで

資格がなくても一人で開業できる仕事は多くあります。一人で開業をする場合には、投資や仕入れ、採用などが必要ない職を選ぶとともに、今回紹介したような一人で行いやすい職を選ぶのがよいでしょう。特に、ITエンジニアはパソコンさえあれば在宅でできますし、プログラミングスキルがあれば仕事ができるのでおすすめです。今後も需要は高まるでしょうし、手に職をつけることで長く活躍することができるでしょう。

そして、エンジニアとして開業する際には、エンジニアに特化したフリーランスエージェントを利用するのがおすすめです。エージェントによって、自分にあった案件を効率的に得ることができるでしょう。

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