フリーランスエンジニアとして働ける寿命は短いのでしょうか。フリーランスエンジニアを目指そうかと思っていたり、現在フリーランスとして働いていたりしても、いつまで働けるのかが不透明で不安という人も多いかと思います。フリーランスエンジニアの寿命が短いのであれば、今後のキャリアの考え方も変わってくると思います。

はたして、フリーランスエンジニアの寿命はどれくらいなのでしょうか?この記事では、アンケート結果など信頼できる情報をもとに、フリーランスエンジニアが何歳まで働けるか紐解いていきます。

フリーランスエンジニアの寿命が短いと考えられる要因

まず、フリーランスエンジニアの寿命が短いと考えられる理由は何なのでしょうか。

仕事が取れない?

フリーランスは仕事が取れないのではないかと思われるのも、寿命が短いと言われる理由です。

フリーランスエンジニアは、会社員のように何もしなくても仕事がもらえるわけではなく、自分で仕事を獲得しなくてはなりません。営業を行ったり、紹介をしてもらったりすることで仕事を得る必要があるのです。もし仕事を得ることができなかったらフリーランスとして生きていくことは難しいので、寿命が短いのではないかと思われるのです。

しかし、昨今は案件を取得する方法が増えてきています。例えば、クライアントと直接つながれるクラウドソーシングや、フリーランス向けのエージェントサービスなどが登場しており、仕事を獲得しやすくなっています。また、同じ目標を持つ人が集まるコミュニティやサロンで関係を構築していくこともでき、フリ-ランスでも仕事を得やすくなっています。

年齢制限がある?

年齢制限があるのではないかという不安も、フリーランスエンジニアの寿命が短いと考えられる理由です。

フリーランスエンジニアというのは、自身の手でプログラミングをすることを求められるので、若い世代に仕事が集中すると考える人もいるかもしれません。年齢を重ねて40代や50代になると仕事がもらえなくなってしまうと、若い時にはよくても後々生活ができなくなってしまいます。

実際には年齢が高いフリーランスエンジニアでも仕事は得られていますし、キャリアが長くなるとそれだけ高度な案件で求められるようになります。マネジメントなどが必要な仕事なども得られるようになるので、年齢制限があるといったことはありません。

変化についていけない?

変化についていけないのではないかということも、フリーランスエンジニアの寿命が短いと考えられる理由です。

エンジニアの世界は新しい技術や言語、トレンドが次々に生まれ、凄まじい速度で進化をしています。こういった技術や言語をインプットしながら変化についていくことが求められるのです。例えば、生成AIやIoT、ロボットなどこれまでになかった新しい技術が続々と誕生しています。

こういった変化についていけなくなる不安から、フリーランスエンジニアとして生きていくのは難しいと考える人がいるかもしれません。しかし実際は、エンジニアの仕事は分業されていることが多いですし、特定のプログラム言語の仕事は常に存在します。新しい技術が出たからといってそれ以外の言語の仕事がなくなるということはないのです。情報のインプットなど変化についていくことは必要ですが、新しい技術が使えないから仕事が得られないということはないでしょう。

ここまでフリーランスエンジニアの寿命が短いと思われる理由をみてきましたが、フリーランスでは会社員のときのような保証がないので、どうしても不安要素に目を向けてしまうと思います。しかし実態は異なることも多いです。次からは、データをもとにフリ-ランスエンジニアの寿命が本当に短いのかどうかを見ていきます。

フリーランスエンジニアの寿命は本当に短い?

実際のフリーランスエンジニアの年齢

実際のフリーランスエンジニアの年齢を見ることで、寿命が短いかを確認できます。

IT人材市況動向レポートを見ると、フリーランスエンジニアの年齢層では「45歳~54歳」が16.2%、「55歳~」は6.3%となっています。

このデータを見ると、40代や50代以上も一定数おり、年齢が高くてもフリーランスエンジニアとして働けることが伺えます。このような結果から、フリーランスエンジニアの寿命が短いわけではなく、長く働くことも可能ということがわかります。

フリーランスエンジニアは稼げる

フリーランスエンジニアの寿命が短くない理由としては、稼げる職種であることが挙げられます。ITフリーランスへの調査によれば、年収800万円~1000万円未満が26%、1000万円以上が7.8%で、実に33.8%が800万円以上の年収を得ている結果となっています。

また、システムエンジニアのみのデータですが、厚生労働省の職業情報提供サイトによると、正社員も含む平均年収は557.6万円となっています。

フリーランスエンジニア白書によると、50、60代は不明ではありますが年収が高いのは40代となっています。このように、フリーランスエンジニアは40代など年齢が高くなっても収入が稼げることがわかります。

フリーランスエンジニアの寿命が長い理由

フリーランスエンジニアは寿命が短いわけではなく稼げる職種であることがわかりました。ここからは寿命が長い理由を解説していきます。

競争率が高くない

フリーランスエンジニアは競争率が高くないことから寿命が長いといえます。

フリーランスエンジニアとしてキャリアを積んだあとには、一定の経験やスキルを備えているはずです。ですので、参画するプロジェクトもレベルの高いものになり、若手人材とは競合になることはありません。

もちろん、若手向けの案件よりも数は少なくなりますが、そのレベルのエンジニアも減るので競争率が高くなるというわけでもないでしょう。競争率が高くないので、フリーランスとして仕事を獲得でき、長く続けられるのです。

とはいえ、他者ではなく自身がクライアントから選ばれるにはトレンドや新しい知識・スキルのインプットが不可欠にはなってきます。

求人数が増加している

フリーランスエンジニアの求人数は年々増加しているので、今後も寿命が長くなることが考えられます。

ITエンジニア・クリエイターの正社員転職/フリーランス市場の調査によれば、2024年6月のITフリーランスの案件発生数は前年同月比146%となり、過去最高を記録したされています。

これはエンジニアの需要が高まっているとともに、フリーランスへ業務委託を行うという方法が一般化してきたことから増加していると考えられます。今後も、AIやIoTなど新しいテクノロジーによってフリーランスエンジニアの仕事は増えると考えられ、それによって長く働けるでしょう。

肉体の負担が少ない

フリーランスエンジニアは肉体的な負担が少ないことも、寿命が長い要因として挙げられます。

エンジニアはパソコンを使ったデスクワークが基本であり、立ちっぱなしの仕事である販売業や重いものを運ぶ運送業といった肉体労働系の職業とは異なり、怪我や加齢による体力の衰えから仕事を続けるのが難しくなるということは少ないでしょう。特にフリーランスの場合は通勤の負担もないので、肉体的な疲れを溜めずに済みます。

また、フリーランスは自分の裁量で働く時間を決められるので残業や休日出勤などもありませんし、自分で調整ができれば長時間労働をする必要もありません。身体的な疲労の点からも、フリーランスならエンジニアとしてのキャリアだけでなく、人生の寿命も長くなるのではないでしょうか。

ストレスが少ない

フリーランスエンジニアは、人間関係のストレスが少ないのも寿命が長くなるポイントです。

企業に属すると、気が合わない上司と一緒に仕事をしたり、管理職で板挟みとなってしまったりということがあります。そういったストレスから、体調を崩す人や転職をする人などもいると思います。フリーランスであればそういった職場の人間関係はないので、ストレスをため込むことはありません。

顧客やパートナーといった一部の人とのやりとりで済みますし、仕事を自分で選べるので不要なストレスを感じることがありません。ストレスに関しても、エンジニア人生を長く続けることができるとともに、健康を損なう可能性も減らすことができるでしょう。

以上のようなメリットから、フリーランスエンジニアは寿命が長いといえるのです。

フリーランスには何歳までなれる?

フリーランスエンジニアを目指す場合、何歳までなることができるのでしょうか。

フリーランスとして独立した年齢の調査を見ると、「30代前半」および「30代後半」がもっとも多く全体の約45%でした。30代の次に多いのが、「40代」で全体の約35%となっています。つまり、30代~40代で全体の80%を占めていることになります。そして、フリーランスとして独立した平均年齢は35.2歳となっています。

20代から経験とスキルを積み重ね、人脈を築いた30代や40代で独立する人が多いようです。40代などでは仕事が取れないのではないかと不安な人もいるかもしれませんが、多くの人が40代で独立をしていることからも十分仕事が得られることがわかります。

フリーランスエンジニアとしての寿命を延ばすポイント

フリーランスエンジニアは長く働けることがわかりましたが、より長く働くためのポイントがあります。寿命を長く延ばすためのポイントを6つ紹介します。

スキルアップをする

フリーランスエンジニアとして寿命を延ばすには、スキルアップをすることが重要です。

エンジニアとして活躍し続けるには、仕事の幅を広げるとともに時代の需要についていかなくてはなりません。常に最新の情報をインプットするとともに、新しい言語やスキルを身につけましょう。

そのためにも、トレンドとなっている技術はなにか、これからニーズが高まる分野はどこかを調査するのがよいです。自身のスキルをより深めるとともに、身につけている言語に近く、習得しやすいものをさらに学ぶなどがよいでしょう。それによって、受けられる仕事の幅が広がるとともに、より難易度の高い仕事を受けることができるようになります。

このようなスキルアップによって求められるエンジニアになることができ、より長く働くことができるはずです。

資格を取得する

資格取得もフリーランスエンジニアとしての寿命を延ばすひとつの方法です。

エンジニアは知識やスキルで評価されることが多く、フリーランスエンジニアの採用においても実力があるかどうかが重要な選考理由となります。しかし、エンジニアの実力というのは証明するのがなかなか難しいのが実情です。

資格を取得することで、資格が定める一定の能力を示すことができます。それによって、クライアントは求める能力がない人材を採用するリスクを避けられますし、エンジニアはより仕事を得やすくなるでしょう。

また、フリーランスエンジニアの求人のなかには資格が必須条件となっている案件もあるため、資格取得は仕事の幅を広げることにも直結します。資格は年齢を経ても有効であり、よりエンジニアとしての寿命を延ばすことができるでしょう。

信頼関係を作る

フリーランスエンジニアの寿命を延ばすためには、クライアントと信頼関係を作ることが重要です。

クライアントから信頼してもらえれば仕事を継続してもらえる可能性が高まりますし、別のクライアントやパートナーなどを紹介してもらえる機会も増えるでしょう。このように人脈を増やしていけばより仕事を得るチャンスが増えますし、長くフリーランスとして活動できるはずです。

人脈を得るためには、交流会などのイベントへの参加もよいでしょう。最新の技術動向などの意見交換、業界情報などを得ることができますし、業界内での繋がりも深まっていきます。多くの仕事が安定的に得られるようになれば、フリーランスから起業も目指せるでしょう。

こういった人脈の重要性は、フリーランスへのアンケート結果からもわかります。「もっとも仕事の獲得に繋がったことがあるもの」と「もっとも収入が得られる仕事の獲得経路」の1位は、どちらも人脈でした。クライアントとの信頼関係を作るよう努力しましょう。

自己管理をする

フリーランスエンジニアが寿命を延ばすためには、自己管理をすることが重要です。

フリーランスは自由に働ける一方で、スケジュールやタスク、体調といった管理をすべて自分で行なわなければいけません。自己管理ができずに納期が過ぎればクライアントの信用を失い、仕事を失うことになってしまいます。

また、自己管理するうえでは、しっかり休みをとることも重要です。休まず仕事を続けて疲れが溜まることで仕事の効率やクオリティが下がってしまう可能性があります。ストレスが溜まり、体調を崩すことにも繋がりかねません。無理をせず適度に休みを作ることも、フリーランスエンジニアの寿命を延ばすために大事な能力です。

長期的なキャリアを考える

フリーランスエンジニアが寿命を延ばすためには、長期的なキャリアを考えることも重要になります。

フリーランスエンジニアは、常に自分の責任で仕事を行いますし、行った仕事が収入へと直結します。ですので、どうしても目先の仕事ばかりにとらわれてしまい、自身の将来のキャリアを考えるのが後回しになってしまうことが多いと思います。しかし、長期的なキャリアを考えなくては、気づいたときには同じことを繰り返しており、成長をしていないということになる可能性があります。

だからこそ、フリーランスエンジニアは将来的にどれくらいまでにどのようなスキルを身につけるか、どのような仕事を経験するかなど、将来にどのようなキャリアを築くかを計画しなくてはなりません。

年齢を重ねてもフリーランスエンジニアとして働くためには、エンジニアとしてのプログラミングスキルはもちろん、プロジェクトの進行管理を行うPMなどのマネジメントスキルを高めることも重要でしょう。

仕事獲得のためのチャネルを作る

フリーランスとしての寿命を長くするためには、仕事獲得のためのチャネルを作ることが大事です。

営業をしなくても自身の代わりに企業へ営業をしてくれ、案件の紹介をしてくれるフリーランスエージェントや求人紹介サイト、クラウドソーシング、営業代行などのチャネルを活用しましょう。また、自身のブログやGithub、ポートフォリオ、SNSなど、クラアインとの目に止まるようなチャネルの準備も有効でしょう。競合のエンジニアが知らないようなサイトやエージェントを活用することで、より仕事を獲得しやすくなるでしょう。

エージェントの利用者は非利用者に比べて年収アップの平均金額が9.2万円高いというデータもありますので、エージェントは積極的に利用するのがおすすめです。

フリーランスエンジニアの求人はベスキャリITで

フリーランスエンジニアは寿命が短いと思われがちですが、実際には長い傾向にあることがわかったと思います。ただし、長くフリーランスとして働くためには、仕事を得なくてはなりません。そのためにはエージェントの活用がおすすめです。

フリーランスエージェントを活用する際には、エンジニア専門のサービスを利用しましょう。専門だからこそ、一般の媒体に載っていない案件が見られますし、スタッフもエンジニアの事情に詳しいのであらゆる相談ができます。

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