電気関係の仕事で、おすすめの職業にはどのようなものがあるのでしょうか。未経験者はもちろん、大学で工学を学んだ人やこれまでに機械分野の仕事をしていた人のなかには電気関係の仕事に興味があるという人もいると思います。
この記事では、機電分野の求人を紹介しているベスキャリが、おすすめの電気関係の仕事について詳しく解説します。仕事内容や年収、必要なスキルに加え、就職・転職のポイントや取得しておくと有利な資格も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
電気に関わるおすすめの仕事
電気関係の仕事にはさまざまなものがありますが、ここではおすすめの仕事を7つ紹介します。具体的な仕事内容や平均年収、必要なスキル・知識をまとめているので、職種選びの参考にしてください。
電気工事士
電気工事士は、建物の電気設備を設置・維持する仕事です。電気工事士の業務は、変電設備の設置、配線工事、コンセントや照明器具の取り付けなど多岐にわたります。電気は生活や産業に不可欠な要素であり、電気に関連する設備を整備・維持する電気工事士の需要は安定しています。
厚生労働省によると、全国の電気工事士の平均年収は550.9万円と比較的高く、50~54歳で平均年収はもっとも高くなり682.44万円にまで達します。
電気工事士として働くには、第一種または第二種の電気工事士の資格が必要です。電気主任技術者(第一種・第二種・第三種)の資格を取得すれば、キャリアの選択肢がさらに広がります。また、仕事には図面を読み解く力や法令に対する理解が求められ、グループで作業するためのコミュニケーション力も重要です。
電気エンジニア
電気エンジニアは、発電設備や受変電設備、電気機器の開発・設計・修理などを担う職種です。業務内容は多岐にわたり、工場における発電機の組み立てや運転管理、建設現場では作業員への技術指導や設備の改良も担当します。また、鉄道会社では受変電設備の維持や照明設備の保守管理が業務に含まれます。
職業情報提供サイトによると、電気エンジニアの平均年収は688.2万円となっています。電気エンジニアとして活躍するためには、工学領域に関する専門知識に加えて、論理的思考力や問題解決能力、コミュニケーション力が求められます。
電気通信技術者
電気通信技術者は、現代社会に不可欠な通信インフラを支える職業であり、高い専門性と技術力が求められる仕事です。該当する職種は多く、その業務内容もさまざまです。
企業の開発部門に所属する電気通信技術者は電子機器の設計・製造・開発を担当し、施工部門では通信設備の施工管理を行います。運用部門では、システムの保守や障害対応を担当し、安定した通信環境を維持します。携帯電話やインターネットなどの電気通信システムの計画・設計や施工管理、運用などを行う場合もあります。
統計データによると、全国の電気通信技術者の平均年収は558.3万円です。電気通信主任技術者や情報処理関連の資格取得がキャリアアップに役立つでしょう。電気通信技術者は、技術の進化に対応し続けることで、将来にわたって安定したキャリアを築けるでしょう。
電子機器エンジニア
電子機器エンジニアは、携帯電話やパソコン、テレビなどの電子機器の開発・設計・製造を担当する職種です。電子機器エンジニアは、電子機器の製造工程の管理や技術的な指導、特許技術の出願など、多岐にわたる業務を担当します。製品に関する知識と電子機器に対する高い専門性が求められます。
職業情報提供サイトによると全国の電子機器エンジニアの平均年収は688.2万円と高い水準で、もっとも年収が高くなる50~54歳における年収は841.26万円に達します。
電子機器エンジニアに役立つ資格としては、電子機器組み立て技能士やCAD利用技術者試験などがあり、これらを取得することでキャリアの選択肢が広がるでしょう。
プラントエンジニア
プラントエンジニアは、工場や製造施設などの生産設備や電力供給システム、制御システムの設計、開発、管理を担う仕事です。
プラントにはさまざまな種類があり、石油や化学製品の製造に使われるものから、電気やガスなどのエネルギーを利用するものがあります。そのため、担当するプラントにより業務内容には幅があります。
システムの設計のみならず、建設工事の支援や完成検査などに対応することもあり、プラント建設において重要な役割を担う仕事です。統計データによるとプラントエンジニアの平均年収は612.4万円となっています。
業務の幅が広いプラントエンジニアには、さまざまなスキルが求められます。例えば、発電所や化学プラントの設計では、電力供給の効率化や安全性を確保するために、電気工学および電子工学、システム工学に関する高度な知識が必要です。また、設計業務ではCADやシミュレーターを活用し、プロジェクトごとに専門的なスキルや知識が必要になります。
半導体エンジニア
半導体エンジニアは、半導体の設計から開発、品質管理に幅広く関わる仕事です。同分野における技術革新が進む中で今後も高い需要が見込まれることもあり、平均年収は688.2万円と比較的高くなっています。
半導体エンジニアの業務内容は多岐にわたり、半導体の製造工程に関する設計・開発・テストのみならず、半導体における部品や回路のレイアウト、半導体を使用するデバイスの設計などがあります。
半導体エンジニアには、製造工程を設計・開発するプロセスエンジニア、半導体デバイスの設計を担当するデバイスエンジニア、回路やシステムを手掛ける設計エンジニアなどの専門職があります。どの職種でも業務には電気や電子の知識、CADの知識やスキルなどが求められます。
半導体エンジニアの仕事内容については以下の記事で詳しく解説しています。
『半導体エンジニアってどんな仕事?仕事内容、やりがい、必要な知識を紹介』
機械設計エンジニア
機械設計エンジニアは、自動車や船のような移動用機械や産業用機械、電子機器、工作機械、建設機械など、幅広い機械の設計・開発を行う仕事です。
機械設計エンジニアは、顧客とコミュニケーションを取り、類似製品に関する調査の結果などをふまえて、製品のコンセプトを設計し、使用可能な技術を選定したうえで設計・開発を行います。
機械設計エンジニアには、機械工学や電気工学・電子工学、機械材料に関する専門知識、CADやCAEなどのソフトウェアを活用するスキルなどが必要とされます。顧客の要望を正確に把握し、提案を行うためのコミュニケーション力も必要です。
機械設計エンジニアの平均年収は612.4万円とされています。機械設計エンジニアについては以下の記事で詳しく解説しています。
『機械設計エンジニアの仕事を徹底解説!年収、必要な知識、やりがいも紹介』
電気関係の仕事に就・転職するときのポイント
電気関係の仕事への就職・転職をさせるにはどうすればいいのでしょうか。ここでは、就職・転職するときのポイントを紹介します。
知識・スキルを身につける
電気関係の仕事に就職・転職するには、専門知識とスキルの習得が重要です。
電気関係の仕事では、電気・電子工学、機械工学、CAD、プログラミングなどの知識や技術を求められることがあります。そのため、事前にこういった専門的な学習をしておくことで、実務における即戦力としてアピールでき、企業からの評価も高まる可能性があります。
電気に関係する仕事を経験したり、大学や高専、専門学校で学んだり、本や研修、講座などで勉強したりしておくことで知識やスキルを身につけておくのがよいでしょう。特に未経験者は学校などで学ぶことで、電気関係の仕事に必要な基礎知識を体系的に学ぶことができ、実践的なスキルも身につけられるので就職や転職に有利になる可能性があります。
資格を取得する
電気関係の仕事に就職・転職する際には、資格を保有していることが大きな強みになる可能性があります。資格があると自分の知識やスキルを証明でき、企業に対して能力や熱意のアピールができます。また、資格取得が必要な職種にも応募できるため、仕事の幅が広がります。
例えば、電気工事士や電気主任技術者などの資格を持っていると、特定の業務に従事できるだけでなく、資格手当が支給されるケースもあります。入社後に資格を取ることも可能ですが、業務と並行しての学習は負担が大きいため、余裕のある入社前に取得しておくのがおすすめです。
資格の取得は就職・転職活動を有利にするだけでなく、仕事の選択肢を増やし、将来的なキャリアアップにもつながるので積極的に取得を検討するのがおすすめです。
転職エージェントに相談する
転職エージェントを利用することで、電気関係の仕事への転職成功率を高め、年収アップを叶えることができるかもしれません。
転職エージェントは豊富な求人情報を保有しており、求職者の希望条件に合った求人を紹介してくれるだけでなく、さまざまなサポートも提供してくれるサービスです。求職者に代わって年収交渉を行ってくれることもあり、自力で転職するよりも好条件で就職・転職をしやすくなります。
転職者を対象にした調査によると、転職エージェントを利用した転職者の42.9%が年収アップに成功しており、非利用者(36.0%)と比較して高い割合を示しています。さらに、転職エージェント利用者の転職後の平均年収増加額は88.7万円で、非利用者の79.5万円よりも高くなっています。
このように、電気関係の仕事に就職・転職する際は、転職エージェントを活用することで、年収アップの可能性を高め、より良い条件の仕事を見つけられる可能性があります。
電気関係の仕事におすすめの資格
電気関係の仕事を目指すときには、資格を取得していることで有利になる可能性があります。ここでは電気関係の仕事におすすめの資格を紹介します。
電気主任技術者
電気主任技術者は、電気設備の保守や監督を行うために必要な国家資格です。電気主任技術者には独占業務があり、電気設備を管理する企業では必須の資格とされています。
電気主任技術者には第一種から第三種までの区分があり、扱える電圧範囲が異なります。第三種では5万V未満の設備、第二種では17万V未満、第一種では全ての電圧の事業用電気工作物を扱えます。そのため、資格の種類によって就職・転職の選択肢が広がります。
電気主任技術者の資格を取得すれば電気設備に関する理解が深まり、電気設備の設計や保守管理などの仕事への就職・転職をより有利にすることができるはずです。
電気通信主任技術者
電気通信主任技術者は、電気通信事業の安全かつ適切な運用を確保するために必要な国家資格です。電気通信事業者は、ネットワーク設備の監督責任者として電気通信主任技術者を選任せねばならず、通信インフラの管理に欠かせない存在となります。
ネットワークを構成する設備の種類に応じて、電気通信主任技術者には「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」の2種類があります。前者は伝送交換設備やその付随設備を、後者は線路設備とその関連設備を管理・監督します。
電気通信主任技術者は、通信インフラの管理と運用を担う重要な資格です。電気工事士や電気エンジニア、電気通信技術者など電気通信業界でのキャリアを考えている方は、取得によって採用の可能性を高められるかもしれません。
電気工事士
電気工事士は、電気設備の設計・施工を行うために必要な国家資格です。資格の取得により、建築電気工事や鉄道電気工事といった幅広い分野での作業が可能になります。
電気工事士には第一種と第二種の資格があります。第二種電気工事士の取得により一般住宅や小規模施設の電気工事が可能となり、第一種を取得すると500kW未満の自家用電気工作物を扱うことができ、大規模施設の電気工事にも携われるようになります。
試験では電気に関する基礎理論、配電理論や配線設計、電気機器や配線器具、電気工事用の材料、電気工事の施工方法などが問われます。電気工事士やプラントエンジニアなどの職業に就く際に有利になるでしょう。
E検定
E検定は、エレクトロニクス分野の専門知識を証明できる資格です。
この検定では、電子回路、電気回路、半導体、コンピューター、設計・計測などの幅広い技術知識が問われ、エンジニアとしての基礎力を強化できます。さらに、実務経験を積んだ技術者が試験問題を作成しており、実践的な知識を効率的に習得できる点も魅力です。電子機器の開発や電気設計の業務に直接活かせるため、企業での評価向上やキャリアアップにつながるでしょう。
E検定の取得で電気・電子系エンジニアとしての専門性を高められるだけでなく、半導体の構造や電気回路の設計に関する理解を深めることができるので、半導体エンジニアにもおすすめの資格です。
電気関係のエンジニアへの就職・転職ならベスキャリ機電で
電気関係の仕事は、電気工事士や電気エンジニア、電子機器エンジニアなど多岐にわたります。電気に関係するエンジニアは年収が高い傾向にありますし、電気・電子の知識やスキルを身につけることで将来も安定した条件で働くことができるでしょう。電気関係の仕事に興味がある方は、就職・転職を検討してみてはいかがでしょうか。
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