C#のエンジニアのなかには、フリーランスとして独立することを考えている人も多いと思います。C#のフリーランスとして独立しても仕事はあるのかや、本当に稼げるのか、将来性はあるのかと疑問を持っている人も多いと思います。
そこで本記事では、C#のエンジニアがフリーランスとして働くメリットやデメリット、案件単価・年収、将来性について解説します。成功するために必要な準備や行動までを紹介するので、C#のフリーランスエンジニアとしてのキャリアを考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
C#のフリーランスの近況
まず、C#のフリーランス案件やエンジニアの近況について解説します。
C#利用者の割合
C#は、フリーランス・正社員を問わず、多くのエンジニアに利用されているプログラミング言語です。「フリーランスITエンジニア動向調査」によると、メインスキルとして「C#・C#.NET」を使うエンジニアは全体の7.8%で、3位にランクインしています。
また、「プログラミング言語の利用実態に関する調査」でも、455人中97人のエンジニアが何らかの業務に「C#」を使っているという結果になりました。
フリーランスだけでなく正社員も含むデータですが、C#の利用者が多く、それだけ需要が大きいということが伺えます。
C#の需要
では、C#の需要はどれくらいなのでしょうか。C#の案件を調査することで需要を紐解いていきましょう。
「C#エンジニアの調査レポート」によると、開発にC#を使う案件の比率は全体の4.6%であり、8位となっています。別の調査では、「C#/C#.NET」を扱うフリーランス案件の求人倍率が1.5倍であるとされています。
また、こちらの調査を見ると、Javaを用いた開発では正社員の割合が高いですが、C#を用いた案件では正社員とフリーランスの割合が変わっていません。C#ではフリーランスを求める企業が多いことがわかります。
このような結果から、C#のフリーランスには大きな需要があることがわかるでしょう。
C#のフリーランスのメリット
C#のフリーランスエンジニアにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
自由な働き方ができる
C#のフリーランスエンジニアになることで、自由な働き方を実現できる可能性があります。フリーランスであれば、勤務時間や勤務地、さらにはプロジェクト内容まで自分の裁量で選択できるため、自分のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができます。
「C#エンジニアの調査レポート」によると、C#案件のうち「週3日以下」の稼働条件のものが28.57%、フルリモート案件は38.1%となっています。リモート不可の案件は2.38%にとどまっており、C#開発の現場では柔軟な働き方が主流であることがわかります。
また、「フリーランスエンジニアになって感じたメリット」としては、「働く時間に縛られない」「働く場所に縛られない」ことが1位と2位になっています。このように、C#のフリーランスエンジニアは場所や時間に縛られず、自由な働き方を実現できることが大きなメリットといえます。
収入アップが期待できる
C#のフリーランスエンジニアは、収入アップも期待できます。フリーランスエンジニアは自ら案件を選べますし、高単価の案件に挑戦できるため、会社員よりも高い報酬を得られる可能性が高いからです。
会社員の場合、企業には給与の水準があるので、すぐに給与を大きく増やすことはできません。また、フリーランスは保険や長期雇用の保障などもないので、報酬が高くなる傾向にあります。
C#のフリーランスエンジニアのみを対象とした調査結果ではありませんが、「フリーランスエンジニアの働き方についてのアンケート」では、フリーランスエンジニアに転向した後に「収入が上がった」と回答した人は全体の59.52%となっていました。
C#のフリーランスエンジニアになることで、会社員のときと比較して高い収入を得られる可能性があります。
経験やスキルを広げられる
C#のフリーランスエンジニアになることで、経験やスキルを広げられる可能性があります。
会社員の場合には、特定の分野の仕事を行うことが多いですが、フリーランスエンジニアは自分で案件を選ぶことができます。多様なプロジェクトや業界に携わることができ、実践を通して新しい技術や知識を習得できるでしょう。
また、C#は業務系システムだけでなく、VRやAIなどの先端技術の領域においても活用されています。C#のフリーランスエンジニアになり、さまざまな案件を経験することで、新しいスキルを得られるでしょう。
C#のフリーランスのデメリット
C#だけでなく、フリーランスという働き方全般に共通することですが、デメリットもあるので以下で解説します。
社会的信用が低い
C#のフリーランスエンジニアは社会的な信用が低くなるというリスクがあります。上の働き方の調査でも、フリーランスエンジニアになって感じたデメリットとして社会的信用が低いことはもっとも高い割合となっています。
フリーランスは企業に所属していないため、安定した収入や雇用保障がないとみなされ、金融機関や不動産契約などで信用力が劣ると判断されることがあります。そのため、新規の取引先と交渉する際や銀行から融資を受ける際、クレジットカードを作る際などに、フリーランスは不利になる可能性があります。
フリーランスとして独立する場合は、これらの信用が会社員よりも下がることを理解しておき、銀行口座の開設やローン契約、住宅の購入などはフリーランスになる前に行っておくのが良いかもしれません。
事務作業が必要
フリーランスになると、開発業務だけでなく、さまざまな事務作業に自分で対処する必要があります。フリーランスは会社のように専門の経理や事務スタッフがいないため、請求書の発行や経費管理、契約、確定申告などの事務作業をすべて自身で行わなければなりません。
こういった事務作業は慣れていないと時間がかかりますし、日々の開発業務も圧迫する可能性があります。C#エンジニアとして業務に集中したい人は、これらの作業の効率化や、外部委託やクラウドツールの活用なども視野に入れて、無理のない働き方を整えることが大切です。
将来の社会保障が少ない
フリーランスエンジニアは、将来の社会保障が少ないことがデメリットといえます。
フリーランスは会社員とは異なり、厚生年金や健康保険組合といった手厚い社会保障制度に加入できず、基本的には国民年金や国民健康保険のみの加入となります。病気やケガで働けなくなった際にも、会社員が受けられる傷病手当金のようなサポートがない場合が多いので、自分で備えなくてはなりません。
こういった将来の不安に備えるには、個人での資産形成や保険の加入、iDeCoやNISAの活用などを自身で行うのがよいでしょう。ライフプランを長期的に見据えて、早めに準備を始めることが安心につながるでしょう。
フリーランスエンジニアについては、下記の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
『フリーランスエンジニアとは?職種やリスク、仕事獲得方法などを解説』
C#のフリーランスの年収事情
C#のフリーランスエンジニアはどれくらいの年収が得られるのでしょうか。年収事情を調査してみました。
「C#エンジニアの調査レポート」によると、フリーランスのC#エンジニアの平均年収は903万円となっています。C#エンジニアの平均年収は、他の主要なプログラミング言語であるJava(946万円)やPHP(973万円)を扱うエンジニアと比較しても大きな差はなく、C#のフリーランスエンジニアは収入をしっかりと得られるということがわかります。
このようにC#エンジニアの年収が高い理由としては、C#が汎用性の高いプログラミング言語であり、大きな需要を持っているからと考えられます。
C#のフリーランスの職種・業界
C#を扱うフリーランスエンジニアは、さまざまな職種・業界で活躍しています。ここではC#のフリーランスエンジニアが多い職種・業界の特徴や、それぞれの活躍フィールドについて解説します。
職種
C#エンジニアの調査レポートによると、C#エンジニアは以下のような職種で活躍しています。
職種 | 割合 |
---|---|
バックエンドエンジニア | 42.86% |
iOS/Androidエンジニア | 30.95% |
フロントエンドエンジニア | 16.67% |
プロジェクトマネージャー | 7.14% |
フリーランスのC#エンジニアは、バックエンドエンジニアでもっとも活躍しているようです。C#はサーバーサイドの開発に適した言語であり、業務システムやWebサービス、APIの構築など、バックエンドの領域でのニーズが非常に高いからと考えられます。
また、iOS/Androidエンジニアも多いですが、C#はクロスプラットフォーム開発が可能な「Xamarin」や「MAUI」といったフレームワークに対応しており、フリーランス市場でも需要が高まっているからと考えられるでしょう。さらに、フロントエンジニアの領域においてもC#エンジニアは活躍することができるとわかります。
業界
C#エンジニアの調査レポートから、フリーランスのC#エンジニアは以下のような業界で活躍できるといえます。
業界 | 割合 |
---|---|
その他IT関連 | 30.95% |
玩具・ゲーム | 28.57% |
システムインテグレータ | 11.90% |
Webマーケティング | 11.90% |
コンサルティング | 7.14% |
その他人材サービス | 4.76% |
C#案件はIT関連の業界で最も多くなっていますが、これはC#がMicrosoftの技術スタックで広く使われており、特にエンタープライズシステムやデスクトップアプリケーション、クラウド開発において非常に重要な役割を果たしているからと考えられます。
また、玩具やゲーム業界では、C#が主にゲーム開発で利用されており、特にUnityエンジンを使ったゲーム開発において広く使われているからです。
ほかにも、システムインテグレータ業界では、企業の業務システムや大規模なシステム開発など複雑なシステム開発や運用にもC#が使用されています。
C#の将来性
C#のフリーランスには将来性があるのでしょうか。
C#はMicrosoftが提供するプログラミング言語であり、特にWindows環境でのアプリケーション開発に強みを持っているだけでなく、スマホアプリ、ゲーム開発などの幅広い分野で利用されています。最近ではクロスプラットフォーム開発を支援する.NET CoreやAzureとの統合により、Web開発やクラウドサービスでも重要な役割を果たしています。
ほかにも、クラウドやAI、IoTといった成長分野でもC#の需要が高まっており、将来的にも案件が多くなるでしょう。このように、C#は既存の技術の枠を超えて、新しい技術領域へも適応しており、その将来性は高いといえるでしょう。
C#でフリーランスになって成功するためのポイント
C#のフリーランスエンジニアとして成功するためには、抑えておいたほうがよいポイントがあります。
エージェントを利用する
C#のフリーランスとして案件を安定して獲得するには、エージェントを利用するのがおすすめです。
フリーランスエージェントはC#案件の情報を豊富に保有しているので、最適な仕事を提案してもらえる可能性があります。自分で営業をしなくても案件を提案してもらえるので、エンジニアリングに集中することができるでしょう。
エージェントのなかには、報酬の交渉や商談のアドバイス、キャリアプランの相談などを行ってくれる会社もあるので、より良い条件の仕事を得ることができる可能性があります。転職エージェント利用者は非利用者よりも年収が上がったというデータもあります。
フリーランスとして成功するために、エージェントを積極的に活用しましょう。
マネジメントを学ぶ
C#のフリーランスとしての成功するにはマネジメントを学ぶのもよいでしょう。
フリーランスとして独立して働く場合、プロジェクトの進行管理やクライアントとのコミュニケーション、納期管理など、技術力以外にも多くのマネジメント業務が求められます。これらのスキルが不足していると仕事を効率よく進めることができず、クライアントとの信頼関係を築くのが難しいかもしれません。
また、C#のフリーランスとして動く場合には、クライアントや他のフリーランサーと協力する場面が多くあります。C#は大規模なプロジェクトで使用されることも多く、複数のメンバーと協力して作業を進めることが求められます。チームをうまくマネジメントできるスキルを持っていれば、大きな評価を得られるでしょう。このように技術力に加えてマネジメントを学ぶことで、フリーランスとして信頼される存在となり、高収入や長期的な契約を得られるはずです。
資格を取得する
C#のフリーランスエンジニアとして成功するためには、資格を取得することも有効です。
資格を取得することで、専門知識や技術の証明を行うことができますし、クライアントに信頼性を示すことができます。特に、C#のようなプログラミング言語では、資格を持つことで自分のスキルを客観的に証明でき、競争の激しい市場で有利に働くでしょう。また、資格を取得する過程で得られる知識や経験は、実際のプロジェクトでも役立つでしょう。
C#のエンジニアに有効な資格としては以下のようなものがあります。
- 応用情報技術者試験
- システムアーキテクト試験
- Foundational C# with Microsoft
- 基本情報技術者試験
- ORACLE MASTER Silver DBA
先端技術を学ぶ
C#フリーランスとして成功するためには、先端技術を学ぶことも有効です。
先端技術を学ぶことで、時代に即したスキルを身につけ、競争力を高めることができます。技術は常に進化しており、特にソフトウェア開発分野では、新しい技術を習得することが他のフリーランスと差別化する鍵となります。C#に関連する技術やツール、フレームワークのアップデート、AIやゲーム、VRなどの分野について学ぶことで、自身の市場価値を高めることができるでしょう。
たとえば、Unityを用いたゲーム開発や仮想空間向けのインターフェース開発、AIと連携した業務アプリケーション開発などが挙げられます。NFTやブロックチェーン技術とC#を組み合わせたシステムも登場しており、技術の幅を広げることで案件の選択肢が増えます。
C#の適用領域が拡大している現状から見ても、常に新しい技術をキャッチアップする姿勢は、フリーランスとしての競争力を高めるうえで重要です。
フリーランスエンジニアの求人ならベスキャリITで
C#は汎用性が高く、幅広い業界での開発に使われているため、フリーランスエンジニアになることで今後も高い需要が期待できます。ただし、営業活動などが大変であったり、報酬の交渉なども必要になるので、C#のフリーランスになる際はエージェントを利用して自分に合った案件を見つけましょう。
「ベスキャリIT」は、ITエンジニアに特化したフリーランスエージェントです。常時10,000件以上の開発案件を掲載しており、C#を扱う案件も多く扱っています。
一人ひとりに専任のアドバイザーが付き、それぞれに合った案件をご提案しています。年収の交渉や商談同行、面接のアドバイス、参画後のアフターサポートなども行っているので、フリーランスの経験がない人や面接が苦手といった人でも安心です。ぜひベスキャリITを利用してみてください。