Unityのフリーランスに興味があるけれども、「Unityのスキルを活かしてフリーランスになれるのか」「Unityフリーランスってどれくらい稼げるのか」「案件はどのように探せばよいのか」という疑問を持っている人も多いと思います。
Unityはゲーム開発だけでなく、VR/ARやシミュレーション分野でも活用されており、フリーランスとしても高い需要があります。しかし、単にスキルがあるだけでは安定した案件獲得や収入にはつながるとは限らず、ポイントを抑えておかなくてはなりません。
そこでこの記事では、Unityフリーランスの近況や市場ニーズを解説するとともに、案件内容やフリーランスとして活動していく上で必要なものを解説します。
目次
Unityフリーランスの近況
Unityのフリーランスの近況はどのような状態なのでしょうか。
ゲームエンジンの市場動向
近年、ゲーム開発に欠かせないゲームエンジン市場は、グローバルにおいて急速な拡大を見せています。こちらのレポートによると、世界のゲームエンジン市場規模は2022年に約24億米ドルとなっていますが、2031年には77億4,000万米ドルに達すると予測されています。これは、2023年から2031年の予測期間中で、年平均成長率13.9%という高い伸び率となっています。
このような市場の成長を牽引している存在のひとつがUnityです。Unityは高い汎用性と導入のしやすさ、2D・3D両方に対応する柔軟性から、世界中の開発現場で広く採用されており、モバイルゲーム、インディーゲーム、VR/AR、さらには自動車や建築分野のシミュレーション開発にも利用が広がっています。
この圧倒的なシェアと多用途性の高さにより、Unityを扱えるエンジニアのニーズも年々増加しています。今後もゲームエンジン市場の成長とともに、Unityを扱うエンジニアの活躍の場はますます拡大していくと考えられるでしょう。
Unityフリーランスの需要
Unityエンジニアのフリーランス市場における現在の需要はやや限定的です。「Unity案件の調査レポート」によれば、2023年時点でUnity関連のフリーランス案件は全体の1.4%にとどまり、取り扱い言語・スキル別ランキングでは12位という結果になっています。
UnityはゲームやXRなど特定分野では引き続き利用されているものの、フリーランス市場全体として見ると、JavaScriptやPython、PHPといったWeb系スキルと比較して案件数は少ないのが現状のようです。
ただし、Unityのスキルはゲーム業界以外にも自動車のシミュレーションや建築・製造業における可視化、VR/ARアプリの開発など幅広い分野に応用可能であり、今後の需要拡大が期待されます。また、Unityのフリーランスエンジニアの総数は他の言語と比べても少ないため、特定分野で高い専門性を持つエンジニアであれば、競合が少ない中で案件を獲得しやすいでしょう。
ニッチな領域で専門性を高めることで、競争が少ない分高単価案件を狙える可能性もあるため、戦略的なスキルの磨き方が大事だと考えられます。
出典:SOKUDAN Magazine(https://magazine.sokudan.work)
Unityフリーランスの働き方
Unityのフリーランスエンジニアはどのような働き方をしているのでしょうか。上の調査レポートを見ると、リモートワークの可否に関しては以下のようになっています。
| 勤務形態 | 割合 |
|---|---|
| フルリモート(在宅OK) | 40.8% |
| リモート(一部)可 | 57.1% |
| リモート不可 | 2.1% |
Unityのフリーランスエンジニアは、比較的柔軟な働き方ができる職種といえるでしょう。 特に勤務形態においては、リモートワークを導入している案件が大多数を占めており、フルリモート(在宅OK)が40.8%、リモート(一部)可が57.1%と、ほぼすべての案件で何らかの形でリモート勤務が可能となっています。
また、勤務日数に関しては以下のような結果になっています。
| 勤務日数 | 割合 |
|---|---|
| 週4~5日 | 75% |
| 週2~3日 | 25% |
勤務日数に関しては週4~5日の案件が75%を占めており、ある程度の稼働を求められる傾向にあることがわかります。一方で、週2~3日など柔軟な働き方が可能な案件も25%存在しており、副業や複業としてUnity案件に関わることも可能であることがわかります。
『フリーランスエンジニアとは?職種やリスク、仕事獲得方法などを解説』
Unityフリーランスの案件内容
Unityのフリーランス案件の内容にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、上の調査レポートの「Unity案件の多い業界」を参考にして、それぞれの内容の解説をします。
| 業界カテゴリ | 割合 |
|---|---|
| 玩具・ゲーム | 45.83% |
| AR / VR | 12.50% |
| システムインテグレータ | 12.50% |
| その他IT関連 | 8.33% |
| その他人材サービス | 8.33% |
ゲーム開発・運用
Unityのフリーランス案件の中で最も多くを占めているのが、玩具・ゲーム業界です。全体の約46%を占めており、スマートフォン向けのアプリゲームやPCゲーム、家庭用ゲーム機向けのタイトルの開発・運用など、案件の幅も広いのが特徴です。
この業界では、プレイヤーが楽しめる体験を提供するため、エンタメ性やユーザーインターフェースの完成度が重視されます。グラフィックやアニメーションなどの表現力が問われるため、エンジニアには技術力だけでなくクリエイティブな感性も必要とされます。
必要なものとしては、UnityにおけるC#での開発経験が必須です。また、ゲームロジックやUIの設計、3D・2Dアセットの取り扱い、エフェクトやアニメーションの制御など、幅広い技術的知識が求められます。
AR・VR
UnityはARやVR分野でも広く利用されており、Unityフリーランス案件のうち約12.5%がこの領域に属します。近年では教育、医療、不動産、製造業など様々な業界でAR・VR技術が導入されており、それに伴ってUnityエンジニアの需要も高まっています。
この分野の特徴は、リアルな空間体験と直感的なユーザーインタラクションの設計が求められる点です。単なる映像表現にとどまらず、ユーザーの動作に反応する操作性や、ARにおける現実世界との融合など、体験全体を意識した設計と実装が必要です。
フリーランスとしてこの領域で活躍するには、Unityの基礎スキルに加えて、ARKitやARCore、Meta Quest、HTC Viveなど各種デバイスへの対応経験があると有利です。また、空間認識やセンサー情報の活用、3D空間におけるUI/UX設計に関する知識も重要となります。
システム開発・運用
Unityはシステムインテグレータを中心としたシステム開発・運用の分野でも一定の需要があります。Unityフリーランス案件の約12.5%がこの領域に分類されており、業務システムやシミュレーションツール、可視化システムの開発など、エンタメ以外の実用的な用途で活用されています。
この分野の特徴は、ビジネスや産業向けに分かりやすく見せる、直感的に操作させるといったニーズが強い点です。たとえば、製造現場の設備操作シミュレーターや、医療・教育分野で使われるトレーニング用アプリケーションなどが挙げられます。
フリーランスとして関わる場合、Unityの基本的な開発スキルに加えて、業務要件の理解力やクライアントとの調整能力が求められます。UI/UX設計はもちろん、データベースやAPIとの連携、バックエンドとの接続といった周辺知識が必要になることもあります。
Unityフリーランスの年収・案件単価の相場
Unityのフリーランスの年収や案件単価はどれくらいなのでしょうか。「Unity案件の調査レポート」を参考に解説します。
Unityフリーランスの年収・案件単価は、他のエンジニア職と比較しても高水準にあります。レポートによると、Unityフリーランスの平均年収は約832万円とされています。これは、1日8時間、週5日、月21日稼働という一般的なフルタイム想定で算出されたもので、時給ベースではおよそ4,127円、月収に換算すると約69万円となります。
この水準は、日本国内の正社員エンジニアの平均年収と比較してもかなり高く、Unityのスキルの需要と希少性の高さを反映しています。特にゲーム開発やAR/VR、業務システム分野など、Unityが活用される領域が拡大していることが、高単価の背景にあるといえるでしょう。
Unityのフリーランスになるのに必要なものとは
では、Unityエンジニアがフリーランスになるのにはどのようなスキルや要素が、どのレベルで必要になるのでしょうか。
Unityエンジンの実践的なスキル
Unityエンジニアがフリーランスになるためには、Unityエンジンを使いこなす実践的なスキルが求められます。クライアントがフリーランスに求めるのは即戦力であるため、チュートリアルレベルの知識では不十分です。実案件で通用する技術力を持っているかどうかが、仕事を受注できるかどうかに直結します。
C#によるスクリプト実装や、Prefab、アニメーション、UI設計、物理演算などのUnity基本機能に精通していることが前提となります。また、ARKitやVRデバイスなど特殊な分野のスキルを持つことで、より高単価の案件獲得も可能になります。
このように、Unityエンジンを実務レベルで活用できるスキルがあってこそ、フリーランスとして活躍できるのです。
モバイルアプリ開発の知識・スキル
Unityエンジニアがフリーランスとして活躍するには、モバイルアプリ開発の知識やスキルを備えておくことが重要です。
調査レポートの「Unity案件の職種」では、「iOS/Androidエンジニア」が全体の66.67%を占めており、Unityが主にモバイルアプリ開発で利用されていることが明らかになっています。このことからも、モバイル開発の経験を持つことが、Unityフリーランスとしての市場価値を高める大きな要因になるといえるでしょう。
特にスマートフォンゲームや教育系アプリといった分野では、Unityの採用例が多く見られます。そのため、iOSやAndroidへのビルド設定、モバイル端末に適したUI設計、パフォーマンスの最適化、各ストアへの申請手続きなど、一連の開発・運用プロセスに精通していることで、クライアントからの信頼が得られるでしょう。
3Dコンテンツに関する知識・スキル
Unityのフリーランスとして活躍するためには、3Dコンテンツに関する知識やスキルも身につけておくとよいでしょう。
近年のゲーム開発やVR・AR、メタバースなどの分野では、リアルな3D表現が求められており、Unityを使った3Dコンテンツ制作の需要が高まっています。クライアント案件でも、3Dモデルの取り扱いやアニメーション、物理演算などの高度な技術を求められるケースが増えているため、これらの知識とスキルがあると案件の幅が広がります。
3D分野のスキルがあることで「VR空間のUI設計」「3Dアバターの制御」「バーチャル展示会の開発」など、報酬単価の高い案件にも対応できるようになります。また、Blenderなどの3DツールとUnityの連携ができるようになれば、より包括的な開発が可能になり、フリーランスとしての市場価値も高まるでしょう。
実績とポートフォリオの充実
Unityのフリーランスとして仕事を得るためには、実績とポートフォリオを充実させることが大事です。
フリーランスは企業に比べて信用面で不利な立場にあるため、これまでの制作実績や成果物を通じてスキルを証明することが重要です。特にUnityは、ゲーム開発だけでなく、VR・AR・シミュレーションなど活用分野が広いため、自分がどの領域に強みを持っているのかを明確に示すことで、信頼性と受注率が向上します。
ポートフォリオにはGitHubや個人サイトのリンクを添え、コードの品質や設計力を可視化しましょう。また、VR、AR、UI/UXなど分野別に制作物を整理することで、クライアントが求めるスキルを的確に伝えることができます。
営業力・コミュニケーション能力
Unityのフリーランスとして継続的に仕事を得るためには、営業力とコミュニケーション能力が欠かせません。
フリーランスは自ら案件を探し、クライアントと直接やり取りを行わなくてはなりません。そのため、単に開発スキルだけではなく、相手のニーズを正確に把握し、自分の強みを適切に伝える営業力が求められます。また、案件をスムーズに進めるには、要望のすり合わせや進捗報告、納期調整といったコミュニケーションも欠かせません。
Unityフリーランスとして安定した受注を目指すには、営業力やクライアントとのコミュニケーション能力を意識的に磨いていくことが重要です。
継続的な学習と技術トレンドへの対応
Unityのフリーランスとして活躍を続けるには、継続的な学習と技術トレンドへの対応が必要です。
Unityは日々アップデートされており、新しい機能や開発手法が次々に登場しています。XR技術、リアルタイム3D、マルチプラットフォーム対応など、需要が急増する分野に対応するためにも、知識のアップデートは必要不可欠です。スキルを磨き続けることで、自分の市場価値を高め、高単価な案件への参画が可能になるでしょう。
Unityの公式ドキュメントやチュートリアル、YouTube公式チャンネルを活用したり、UdemyやCourseraといったオンライン学習プラットフォームで学ぶのもおすすめです。また、技術系イベントや勉強会、Unity公式の技術ブログを定期的にチェックし、業界の動向にも目を向けましょう。
Unityフリーランス案件の探し方と獲得方法
Unityのフリーランス案件を探したいときには、どのような方法があるでしょうか。
フリーランスエージェント
Unityのフリーランス案件を探すのであれば、フリーランスエージェントの利用がおすすめです。フリーランス専門のエージェントは、フリーランスに特化した案件情報を多数保有しており、自分に合った仕事を紹介してくれます。
特にUnity関連の案件は専門性が高いため、自分だけで条件に合う案件を見つけるのが難しいことがあります。しかし、エージェントなら経験豊富なコンサルタントがスキルや希望を詳しくヒアリングし、最適な案件を提案してくれます。さらに、契約内容や報酬面の交渉も代理で行ってくれるため、安心して開発に集中できます。
また、フリーランスエージェントは非公開案件を多数取り扱っていることも大きなメリットです。これにより、一般の求人サイトには掲載されない高単価や大規模プロジェクトに参加できるチャンスが広がります。ぜひ利用しましょう。
求人サイト・クラウドソーシング
Unityのフリーランス案件を探す際には、求人サイトやクラウドソーシングを活用することも効果的です。
求人サイトやクラウドソーシングは、多種多様な案件が常時掲載されており、自分のスキルや希望条件に合った案件を手軽に検索・応募できます。特にクラウドソーシングは初心者から経験者まで幅広く利用されており、案件数が豊富であるため、案件獲得のチャンスが多い点が魅力です。
しかし、求人サイトやクラウドソーシングでは競争が激しいことや、単価が低めの案件も多い傾向があるので注意が必要です。大手プラットフォームでは、多くのフリーランスが同じ案件に応募するため、提案内容や実績が優れていなければ案件を獲得しにくいことがあります。
人脈
Unityのフリーランスとして案件を獲得する上で、人脈の活用も有効です。
前職のクライアントや知人・友人からの紹介は、信頼性が高く新たな仕事の依頼につながりやすいです。実際、中小企業庁の調査によると、顧客獲得方法の中で「既存の顧客からの紹介」が最も多く、「友人・知人からの紹介」も上位にランクインしていることからも、その効果の高さが裏付けられています。
人脈は一朝一夕でできるものではないため、日頃から丁寧な対応と信頼関係の構築を心がけることが重要です。
Unityのフリーランス案件ならベスキャリITで
Unityフリーランスは、ゲーム開発だけでなくVR/ARやシミュレーション分野など幅広い活用が期待され、市場も拡大傾向なので、これからフリーランスの需要が高まると考えられます。
案件獲得にはフリーランスエージェントの活用が効果的です。専門のエージェントはUnity案件に特化した豊富な案件情報を保有しており、経験豊富なコンサルタントがスキルや希望条件をしっかりとヒアリングした上で、最適な案件を紹介してくれます。さらに、一般公開されていない非公開案件にもアクセスできるため、高単価や大規模プロジェクトへの参加チャンスが広がります。
「ベスキャリIT」はIT・Web系に特化したフリーランスエージェントで、Unityエンジニア向けの案件も多数取り扱っています。15年以上の運営歴があるので全国にネットワークがあり、非公開求人なども多く保有しています。業界動向に精通した専任コンサルタントが在籍しており、フリーランスとしてのキャリア形成から案件選定、契約交渉、稼働後のフォローまで、一貫してサポートを提供しています。
これからUnityのフリーランスになろうかと考えている人、フリーランスになったが案件探しに苦戦しているという人はぜひご登録ください。
ベスキャリITのUnityのフリーランス案件は以下に掲載しているので参考にしてください。