これからフリーランスエンジニアとして独立をしようと考えている人のなかには、始め方がわからないという人もいるのではないでしょうか。そして、フリーランスエンジニアとして働き始めたあとに安定した収入を得ていき成功をする方法なども知りたいことだと思います。

そこで今回は、フリーランスエンジニアの始め方や、成功するためのポイントを解説します。実際のアンケートデータなどをもとに、どのような人がフリーランスになっているのか、始めるにあたってどのような不安を抱いていたのかなども紹介するので参考にしてください。

フリーランスエンジニアを始めるメリット

フリーランスエンジニアとして働くことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

自由な働き方を実現できる

フリーランスエンジニアを始めるメリットとしては、自由な働き方を実現できることが挙げられます。フリーランスエンジニアは、いつ働くかや何時間働くか、どこで働くかを自由に決めることができます。

企業に属する場合、出社時間や労働時間、働く場所が決められていることが多いですが、フリーランスエンジニアは時間や場所に縛られず、自分のペースで働くことができるのです。

実際、「2024年版 フリーランスエンジニア白書」では、「フリーランスになって感じたメリット」に対する回答として、「働く場所に縛られない」と「働く時間に縛られない」が上位を占めています。多くの方が時間や場所に縛られず、自由な働き方を実現できることをフリーランスエンジニアを始めるメリットと感じているようです。

フリーランスエンジニアを始めることで、より自由な働き方ができるようになるでしょう。

収入アップが期待できる

フリーランスエンジニアとして独立することで収入アップも期待できます。企業に所属している場合、給与は会社の規定に基づき支払われ昇給にも制限がありますが、フリーランスエンジニアは稼働した分が報酬になるので働けば働いた分が給与になります。また、スキルや実績次第で単価を上げることも可能です。

フリーランスエンジニア白書でも、「フリーランスになって収入が上がった」と回答した人は54.52%に上りました。さらに、年収が100万円以上増加した人も多数おり、スキルや案件選びによっては大幅な収入アップを実現できることがわかります。

会社員時代よりも高い収入を得られる可能性が高まることは、フリーランスエンジニアを始める大きなメリットであるといえるでしょう。

幸福度が高まる

フリーランスエンジニアを始めるメリットのひとつに、「幸福度が高まる」ことがあります。

会社員として働く場合には、業務量の多さや仕事上のストレスが蓄積し、精神的な負担が大きくなることがあります。フリーランスエンジニアは自分の裁量で働くことができますし、無理な依頼や指示を受けることも少ないでしょう。それによって、会社員の頃よりも幸福度が高まることがあるのです。

フリーランスの意識・就業実態調査」では、フリーランスになることで「私生活の幸福度が増えた」と回答した人は58.6%でした。さらに、会社員時代と比較して「仕事上のストレスが減った」「業務量が減った」と回答した人も多く、ストレスと業務負担の軽減が幸福度の向上につながっていることがわかります。

多くの人が、仕事の負担をコントロールしながら充実した私生活を送れることを、フリーランスエンジニアを始めるメリットと感じているようです。

フリーランスエンジニアの始め方とは

ここからは、フリーランスエンジニアの始め方を解説していきます。

開業届の提出

フリーランスエンジニアとして仕事を始める際は、まず開業届の提出を行う必要があります。個人事業主として所得を得ていくためには、所得税法により開業届を税務署に提出しなければならないと決められています。開業届を提出することで事業に必要な支出を経費にできますし、青色申告特別控除を受けられるというメリットもあります。

提出する時期は「開業から1ヶ月以内」が原則です。届出先は税務署で、窓口への提出もしくは郵送での提出、オンライン提出の3種類があります。

青色申告承認申請書の提出

青色申告承認申請書とは、確定申告で青色申告を選択するために税務署へ提出する届出書類です。開業届を提出したあとには、この青色申告承認申請書も提出しましょう。

フリーランスエンジニアとして独立すると、毎年確定申告を行う必要があり、その際に「白色申告」と「青色申告」のどちらかを選択することになります。青色申告承認申請書を提出することで、青色申告を選択できるようになり節税が可能になります。

この申請書は開業届を提出した事業者のみが提出でき、業務を開始してから2ヶ月以内に税務署へ提出する必要があります。白色申告と異なり、複式簿記による記帳が必要であるものの、青色申告では最大65万円の特別控除が受けられたり、赤字を3年間繰り越せたりできるといったメリットがあります。

個人事業開始申告書の提出

個人事業開始申告書とは、個人事業税の課税対象であることを自治体に申告するための書類です。この申告書は、開業から一定期間内(都道府県により異なる)に都道府県税事務所へ提出します。

提出は義務ではありませんが、提出することで家族への給与を経費として計上できるようになったり、補助金や助成金の申請がしやすくなったり、事業用銀行口座の開設がスムーズになったりといったメリットがあります。

個人事業開始申告書を提出していなくても、課税対象となる所得があれば個人事業税は自動で発生するため、フリーランスエンジニアとして開業したタイミングで提出しておきましょう。

年金と健康保険の手続き

フリーランスエンジニアとして働き始める場合、会社員時代に加入していた厚生年金や健康保険から、国民年金および国民健康保険へ切り替える必要があります。これは、会社を退職すると同時に、それまで加入していた社会保険の適用がなくなるためです。

健康保険に未加入のままだと、病院での診療費を全額自己負担することになります。また、年金未納のままだと将来の年金受給額が減少し、老後の生活に大きな影響を与えます。最悪の場合、未納が続くと財産差し押さえなどのリスクもあるため、適切な手続きを行うことが重要です。

以下に、年金と健康保険の手続きに関する具体的な手続き場所や必要なものをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

手続き内容 手続き場所 手続きタイミング 必要なもの
国民年金の加入 市区町村役所の年金窓口 退職後14日以内 ①年金手帳
②退職証明書または離職票
③本人確認書類(マイナンバーカードなど)
国民健康保険の加入 市区町村役所の国民健康保険窓口 退職後14日以内 ①健康保険資格喪失証明書
②本人確認書類(マイナンバーカードなど)
③印鑑(自治体による)

エージェントや求人サイトに登録

フリーランスエンジニアとして働き始めるときには、エージェントや求人サイトに登録することをおすすめします。

フリーランスは会社員と異なり、自ら案件を獲得しなくてはなりません。ただ、エンジニアで営業経験がある人も少ないでしょうし、自分で営業をして仕事を取っていくのは難しいかもしれません。エージェントや求人サイトを利用すれば、自分で営業をしなくても仕事を探せたり案件を紹介したりしてもらえます。

ただし、エージェントや求人サイトによって扱う案件の内容や単価、契約形態が異なるので、複数のエージェントや求人サイトに登録することをおすすめします。

そこで、フリーランスエンジニアにおすすめなのが「ベスキャリIT」です。10,000件以上もの案件を常時保持しており、専任のアドバイザーがそれぞれに合った案件を提案してくれます。好条件な案件も豊富にあるので、興味があればチェックしてみてください。

フリーランスエンジニアになった人とはどんな人?

フリーランスエンジニアとしてのキャリアを開始した人とはどんな人物なのでしょうか。「フリーランスの意識・就業実態調査」から、動機や年齢、経験などを探っていきます。

動機

フリーランスエンジニアになった動機の調査では、以下のような回答結果となっています。

自分の仕事のスタイルで働きたいため 45.9%
働く時間や場所を自由にするため 43.8%
好きな仕事で働くため 31.6%
ワークライフバランスをよくするため 27.1%

これらの回答から、自由な働き方やワークライフバランスを整えるという動機でフリーランスになっている人が多いことが分かります。

また、「好きな仕事で働くため」が高いことから、自分で仕事の内容を選びたいというニーズが高いことも伺えます。自身のスキルを活かせる仕事や身につけたいスキルに関係する仕事につきたいという人は多いこともわかります。

年齢

「ITエンジニア・開発系」の年齢ごとの割合を見ると、「30〜35歳」と「40〜45歳」で22.8%となっており、もっとも多くなっています。さらに、フリーランスエンジニアの平均年齢は39.2歳となっています。ある程度年齢を経てからフリーランスへと移行する人が多いことがわかります。

また、「26-29歳」は14.2%で、「20-25歳」は5.6%となっており、若い人も一定数がフリーランスになっています。プログラミングなどは自分で学ぶこともできるので、若くても独立が可能といえるでしょう。

経験

「独立系フリーランスの前職の職種経験年数」で、フリーランスになった人の「ITエンジニア・開発系」の経験年数を見ると、以下のようになっています。

1年以下 7.3%
2年~3年 9.3%
4年~5年 13.2%
6年~9年 15.2%
10年~14年 21.2%
15年~19年 11.9%
20年以上 21.9%

エンジニアとしての経験が、「20年以上」が21.9%、「10〜14年」が21.2%、「6年~9年」が15.2%と多くなっています。平均すると12.3年となっており、やはり長年エンジニアとしての経験を積んでからフリーランスとして独立している人が多いことがわかります。

ただし、「1年以下」は7.3%、「2年~3年」は9.3%となっており、一定数は短い経験でもフリーランスになっているようです。

フリーランスエンジニアの意味やリスクなどについては以下で解説しています。
フリーランスエンジニアとは?職種やリスク、仕事獲得方法などを解説

フリーランスエンジニアを始めるときの不安とは

フリーランスとしてスタートするときには、様々な不安があると思います。どんな不安を抱えている方が多いのか、「フリーランスの意識・就業実態調査」を参考に解説します。

収入

調査の「フリーランスとして働く上での不安上位」の項目では、「収入に波がある・不安定」が38.8%で最も多く、「収入額が少ない」が31.6%となっています。やはりフリーランスエンジニアを始める際には、収入が大きな不安要素のようです。

会社員と比べるとフリーランスは収入アップが期待できる一方で、固定給がないため収入が安定しにくいですし、仕事が得られないと収入が低くなってしまうというリスクがあります。特に、フリーランスを始めたばかりの頃は案件の獲得が不安定になりやすいですし、収入が少なくなることもあるでしょう。

そのため、ある程度の貯蓄を蓄えておくことに加え、定期預金や積立投資を活用しながら、安定した資産管理を行うことが重要です。

老後の心配

フリーランスエンジニアを始める際の不安のひとつに老後の心配があります。上の調査でも、「フリーランスとして働く上での不安上位」で「老後の心配」は24.6%で3位でした。

フリーランスは会社員とは異なり、厚生年金に加入できず老後にもらえる年金額が少なくなるため、老後の生活資金に不安を感じる人が多いようです。さらに、フリーランスは年をとったときに仕事を継続できるのか、病気やケガで収入が途絶えたときにどう対応するのかといったリスクも考えなければなりません。特に、自分ひとりで事業を運営しているため、働けなくなった場合の保障が限られる点も不安要素となります。

老後の不安を解消するためにも、小規模企業共済やiDeCo、NISAなどを活用して早い段階から資産形成を行い、老後資金を準備することが重要です。また、民間の医療保険や所得補償保険に加入することで、病気やケガのリスクにも備えられます。

事務処理

事務処理もフリーランスエンジニアになるときの不安要素です。上の調査でも「確定申告など事務処理を自分で行うことが手間」は18.8%でした。

会社員であれば企業の担当者が行ってくれる事務作業や請求作業も、フリーランスになるとすべて自分で対応しなければならず、手間がかかります。また、確定申告を自分で行わなくてはならないので、帳簿をつける作業や確定申告など、会社員よりも行うことが多くなってしまいます。

フリーランスは業務以外にこういった事務作業を行わなくてはなりませんが、ツールの導入や外注の利用などによって手間を減らすことができる可能性があります。

こういったフリーランスエンジニアの不安や実態については以下で解説しています。
フリーランスエンジニアの実態とは?客観的データから調査します!

フリーランスエンジニアを始めたあとに成功するためのポイント

最後にフリーランスエンジニアとして成功するためのポイントを解説していきます。

エージェントに相談する

フリーランスエンジニアとして成功を目指すうえで、信頼できるエージェントの活用は効果的です。エージェントは、エンジニアごとのスキルや希望条件に合った案件を提案してくれるだけでなく、契約内容の調整や報酬交渉、案件参画後のサポートまで行ってくれます。

フリーランスエンジニアを始めたばかりの頃は、案件の探し方がわからなかったり、適正な報酬水準を把握できなかったりと、さまざまな不安を感じやすいものです。そんなときにエージェントに相談すれば、経験豊富な担当者がキャリアや市場の動向を踏まえたアドバイスをしてくれるため、案件選びの精度が高まり、自分に合った仕事を効率よく見つけることができます。

複数のエージェントに登録しておくことで比較検討もしやすく、自分にとって最適な条件の案件に出会える可能性も高まります。信頼できるエージェントとの関係構築は、安定的かつ継続的に仕事を受注していくための第一歩と言えるでしょう。

人脈を築く

フリーランスエンジニアとして成功するためには、人脈を築くことが重要です。フリーランスは会社員と異なり何もしなくても仕事をもらえるわけではないので、自分で案件を獲得していかなくてはなりません。人脈を活用できれば、仕事の紹介を受けやすくなり、案件獲得のチャンスを広げることができるでしょう。

フリーランス白書2023」によると、「直近1年間で仕事獲得に繋がったことのあるもの」で「人脈(知人の紹介含む)」は70.6%で1位であり、多くのフリーランスが紹介から仕事を得られているようです。中小企業庁の調査データでも、「顧客を獲得する方法」で「既存の顧客からの紹介」は1位で「友人・知人からの紹介」は3位となっています。

フリーランスエンジニアとして成功するためには、積極的にコミュニティや交流会などに参加し人脈を広げ、仕事のチャンスを増やしていくことが大切です。

スキル・経験

フリーランスとして成功するためには、スキルや経験が必要です。

企業のフリーランス人材活用に関する実態調査レポートによれば、企業がフリーランスに仕事を発注する目的としては「プロの知見を活かしたサービス品質向上」が最も多い回答となっています。また、フリーランスへの発注における重要なポイントとして、発注スピードに次いで「成果物の品質が高いこと」が求められていることがわかります。

スキルや経験が豊富であれば、クオリティの高い成果物を提供できるため、クライアントの満足度も向上し、継続的な案件獲得につながるでしょう。フリーランスとして成功するためには対応スピードや成果物の品質を高められるように、実務経験を積むとともにスキルを磨くことが欠かせません。

小さく始める

フリーランスエンジニアとして成功するためには、小さく始めることが大切です。初めから借入や採用を行ったり、大きな投資を行ったりしてしまうと、失敗した際の損失が大きくなってしまいますし、事業を継続するのも難しくなってしまうかもしれません。

新しい事業を始める際にもいきなり大規模に展開するのではなく、小さく試しながら進めれば、その事業に成功の見込みがあるかどうかを確認することができます。試してみて、成果が出そうであれば規模を広げて展開するのがよいでしょう。

フリーランスになる際も、会社員として働きながら副業として始めることで、フリーランスとしてやっていけるかを確認することができます。フリーランスエンジニアとして成功するためには、最初から大きなリスクを取るのではなく、小さく始めることを意識しながら段階的に成長していくことが重要です。

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フリーランスエンジニアの始め方には、開業届の提出や年金・健康保険の切り替え、案件獲得の準備など、さまざまなステップがあります。加えて、継続的に案件を確保するためには、エージェントや求人サイトに登録するなど仕事の選択肢を広げることも重要です。

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