COBOLのスキルを活かして副業を行うことはできるのでしょうか。

近年では、厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表して副業を推進していることもあり、副業を行うことが一般的になってきました。COBOLエンジニアのなかにも副業に興味を持ち、実際にどのような案件があるのか、どの程度の収入が得られるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、COBOLを使用する副業案件の現状やメリット、始め方、注意点について詳しく解説します。COBOLの副業を始めようかと思っている人、これから副業を探そうと考えている人はぜひ参考にしてください。

COBOLの副業案件はある?

はじめに、COBOLを使用する副業の事情について解説します。

副業案件は少ない

COBOLの副業案件は、他のプログラミング言語の副業に比べて数が少ないのが実情です。

COBOLは銀行のオンラインシステムや官公庁のシステムに使われるプログラミング言語ですが、それらのシステムの多くは機密性が高い環境で運用されています。そのため、副業で携わることのできるケースが少ないのです。

また、COBOLを使用する開発案件の多くは、フルタイムの正社員や派遣社員に任されることが一般的です。ですので、副業という柔軟な働き方に対応している企業はまだ限られているのが現状といえるでしょう。

副業案件もある

COBOLを使用する副業案件は少ないとはいえ、まったく存在しないわけではありません。近年では、週2日から3日程度の稼働で受けられる業務委託の案件や、アルバイト契約の短時間の仕事も少しずつ見られるようになっています。

こういった副業案件の作業内容としては、既存システムのソースコード解析や、一部プログラムの改修・テスト業務などが中心となっています。これらの業務はフルタイムでの常駐を求められることが少ないため、副業として仕事を行いやすいでしょう。

また、クラウドソーシングサイトやエンジニア向けの副業求人サイトでも、COBOLに対応した業務が掲載されています。タイミングや条件が合えばCOBOLを使用する案件に副業で関わるチャンスを得ることができるでしょう。

COBOLの副業案件が狙い目な理由

COBOLの副業案件は少ないですが、狙い目な理由があります。

利用システムが多い

COBOLを利用したシステムが多いということは、COBOLの副業案件が狙い目な理由です。COBOLは1959年にアメリカで開発された言語であり、古くから使用されています。現在でも金融、保険、官公庁など多くの企業の基幹システムに利用されています。

COBOLの最新動向の資料によると、国内企業の6割以上がCOBOLで開発されたシステムを運用しており、そのうちの8割が今後も継続利用する意向を示しています。

また、日経クロステック Activeの「最も使っているプログラミング言語は何ですか」という質問に対して、2023年では圏外でしたが2024年ではCOBOLは2位にまで順位が上がっています。これは「2025年の崖」問題の影響でもあると考えられます。

このように、COBOLは歴史の長い言語であるからこそ利用システムが多いですし、メンテナンスや作り替えなどの作業が必要となり、副業の需要が今後も見込まれると考えられるでしょう。

出典:日経クロステック Active:https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/corporate/copyright/

人手不足

COBOLを扱うエンジニアが人手不足であることも、COBOLの副業にチャンスがある理由です。現在、COBOLに携わってきた世代は引退をしていっており、COBOLを扱えるエンジニアが減少しています。そして、新たにCOBOLを学ぶエンジニアが少ないことで、COBOLエンジニアは不足しています。

一方、システム開発や運用の現場では、法改正や業務の変化に合わせて機能追加や改修が必要となる場面が多く、COBOLエンジニアが継続的に求められています。このようにCOBOLに対応できる人材が足りない一方で、COBOLエンジニアのニーズが存在し続けているので副業が狙い目なのです。

将来的にもニーズが高い

COBOLは将来的にもニーズが高いと考えられるので、副業に向いているといえます。

COBOL言語に関する世界的規模の調査では、現在使用されているCOBOLコードの総数は「これまで推定されていた規模の約3倍」とされており、「回答者の52%は、所属組織におけるCOBOLベースのアプリケーションが向こう10年以上残り続けると考えている」とされています。また、年の管理に昭和2桁を用いているシステムが昭和100年を超える「昭和100年問題」などもあり、COBOLエンジニアのニーズは続くと考えられるでしょう。

ほかにも、回答者の64%はレガシーシステムの廃棄や交換ではなくCOBOLアプリケーションのモダナイズを予定していると答えており、現在のアプリケーションを最新の技術やサービスに置き換える技術が求められ、副業でもこういった内容が求められると考えられるでしょう。

このように、そのニーズからCOBOLは将来的にもニーズが高く、副業として行うことができるといえるでしょう。そして、副業ではCOBOLだけでなく最新の言語でシステムをアップデートする力なども求められるでしょう。

COBOLの副業を行うメリット

COBOLの副業に取り組むことでさまざまなメリットが得られます。

副収入が得られる

COBOLの副業を行うことで、本業の収入に加えて副収入を得られることは大きなメリットです。仕事後や休日などに作業をすることで、副収入を得ることができます。案件によっては週2日で20万円以上を得られる副業などもあります。

正社員の仕事では、どれだけ働いても毎月の収入は固定です。副業であれば、努力やスキルに応じて収入を伸ばせますし、働けば働いた分だけ収入を上げることができます。

また、正社員の年収は保険や企業の水準などの影響で低めになることが多いですが、副業案件では業務委託となることもあり、基本の単価は正社員よりも高くなる傾向にあります。まとまった収入につながることもあるため、収入を増加させたい人にとっては有効な選択肢でしょう。

スキル・知識が向上する

COBOLの副業案件を行うことでスキルや知識が向上するということも大きなメリットといえるでしょう。COBOLは金融や官公庁などで使用される大規模システムに多く採用されています。そのため、本業で大規模システムを扱う機会がないという人でも、副業で大規模システムの経験を積むことができます。

エンジニアが多い他の言語では大規模案件を担当することは難しいかもしれませんが、対応できるエンジニアが少ないCOBOLでは手がけることができる可能性があります。そして自身のスキルや経験、知識を向上させて市場価値を高めることができるでしょう。

副業によって、本業だけでは得にくい成長のきっかけを得られるのは大きなメリットといえるでしょう。

キャリアの選択肢を増やせる

キャリアの選択肢を増やせるということもCOBOLの副業のメリットです。

副業としてCOBOLの仕事を行うことで、経験が浅いという人でも適性があるのかを試せますし、さまざまな規模や内容の業務を試してみることができます。そして適性があるとわかったら、それらの業務で本格的にキャリアを築いていくこともできるでしょう。COBOLのスキルがあるという人でも、大規模システムを扱う仕事など、現在とは別のポジションへとキャリアチェンジすることなども考えられるはずです。

また、副業ではリスクを抑えながら独立の可能性なども模索することができます。副業で需要が高そうであったり、十分報酬が得られそうであったりすれば、フリーランスとして独立することも見えてくるでしょう。キャリアの選択肢を広げるための一歩として、まずは副業から始めてみるのも1つの方法です。

COBOLの副業案件の単価

COBOLの副業案件の単価はどれくらいなのでしょうか。求人サイトや副業案件サイトなどを見ると、COBOLの副業案件の時給は約2,500円~となっているものが多いようです。

IT人材の副業に関する調査を見ると、副業での月収は5万円未満が32.6%、5~10万円が17.4%で半数が10万円以下であり、副業案件の単価としてはそこまで大きくはないといえるかもしれません。

また、フリーランスとしてCOBOL案件にフルコミットする場合の月額平均単価は62.9万円という調査結果があります。この単価は前月比では+2万円、3.3%増となっており、COBOLのフリーランス案件では単価が上がってきている傾向があります。副業案件に関しても単価が上がってくる可能性があるかもしれません。

COBOLの副業を行うときの注意点

COBOLの副業を行う際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

リモート案件が少ない

COBOLの副業を検討する際に気をつけたい点の1つが、リモート対応可能な案件が少ないことです。

COBOLは、金融機関や官公庁など大規模かつ高セキュリティが求められるシステムで用いられているケースが多く、機密情報を扱う場面が多く存在します。そのため、保守や開発の業務を請け負うのは大手の信頼ある企業であることが多いですし、作業場所に関してもリモートではなく常駐型の勤務が前提となることも少なくありません。

副業として夜間や週末に自宅で対応したい場合、物理的な出社が求められる案件だと両立が難しくなる可能性があります。完全リモートでの副業を希望する場合は、案件を見つけるのが大変な可能性があるということは覚えておいたほうがよいでしょう。

会社の就業規則を確認

COBOLの副業を始める前には、勤務先の会社の就業規則を確認しておきましょう。

企業によっては、副業を全面的に禁止しているケースや、事前の許可申請を必要とするケースがあります。無断で副業を行った場合、規則違反として処分の対象となる可能性もありますし、今後の社内でのキャリアの障害になってしまうかもしれません。特に、機密情報などの重要な情報を扱うような人や、競合他社との関わりが発生しうる副業を検討している人は注意が必要です。

副業の内容や条件によっては、会社に申告することで認められる場合もあるため、自分ですべて判断するのでなくまずは会社に確認することが重要です。事前に社内規定をチェックするとともに、不安な点がある場合には上司や人事部門に相談しておきましょう。

確定申告が必要になる場合も

COBOLの副業で得た収入額によっては、確定申告が必要になることがあることに注意しましょう。

年間20万円を超える副業所得がある場合には確定申告が必要です。会社で年末調整されるのは本業の所得のみなので、20万円以上副業の収入がある場合には自分で申告しなければなりません。

収入の額や雇用形態に応じて確定申告時の税務処理の対応が異なるので注意が必要です。例えば、業務委託契約で得た報酬は「雑所得」もしくは「事業所得」として申告する必要がありますが、青色申告や控除などにも関わってきます。事前に必要な対応を確認し、スムーズに申告できるよう備えておくと安心です。

実務経験が求められる

COBOLの副業案件では、実務経験が求められる場合が多いことに注意しましょう。COBOLは歴史のある言語であり、既存システムの保守や改修を行う案件が多く、複雑化したシステムを扱うことも多いです。そのため、副業であってもエンジニアには一定以上のCOBOLのスキルと経験が求められるのです。

求人では「実務経験3年以上」や「同業界での開発経験必須」などの条件が明記されているものもあります。要件を満たしていないと、スキルがあっても応募対象外となることがあるため注意しましょう。

COBOLの副業案件では、副業とはいえ求められるスキルの水準は高めです。COBOLの副業を続けていくためにも、企業でCOBOLエンジニアとしての経験を積むようにしましょう。

COBOLの副業を始める方法

COBOLの副業を始めるときには案件を得なくてはなりませんが、そのためにはいくつかの方法があります。効率よく優良な案件を獲得するために参考にしてください。

企業と交渉をする

COBOLの副業を始める方法の1つに、企業へ直接交渉するアプローチ方法があります。

業務委託などの形態でフリーランスのCOBOLエンジニア向けの求人を募集している企業は、慢性的な人手不足に直面している可能性があります。そういった企業に対してアプローチすることで、週1日や2日などでも依頼を受けられる可能性があります。

ただし、企業にアプローチして直接副業案件の依頼を得るためには自分で営業をしなくてはなりません。営業の経験があるエンジニアであれば抵抗がないと思いますが、経験がない場合には難しいかもしれません。そういった人は以下の方法も検討してください。

求人サイトで探す

COBOLの副業を始めるときには、求人サイトの活用も有効です。派遣社員や契約社員、アルバイトなどを募集している求人サイトのなかには、副業OKのCOBOL案件を掲載しているものがあります。

ITエンジニア向けの副業紹介サイト、クラウドソーシング系のサイトなどでは、COBOLの副業を取り扱っていることがあります。こういった求人サイトであれば案件に応募をすればいいだけなので、営業活動も必要なく、負担少なく案件を探すことができるでしょう。幅広いサイトをチェックしてみてみてください。

フリーランス向けのエージェントに依頼する

COBOLの副業案件を得るには、フリーランス向けのエージェントに依頼するのもひとつの手です。

こういったエージェントは、フリーランス向けの案件情報を多く保有しています。保有する案件のなかには、短時間や短期間の案件や副業可の案件などもある可能性があります。エージェントに依頼することで自分で営業をかける必要がありませんし、求人サイトなどを調べなくてもよいので、案件獲得の手間を減らすことができます。

また、エージェントは単価や労働条件の交渉や契約手続き、就業後のフォローなども行ってくれることがあります。副業案件を効率よく探したい、企業とのやり取りなども任せたいという人はエージェントに依頼するのがよいでしょう。

COBOLのフリーランス案件ならベスキャリITで

COBOLの副業案件はまだまだ少ない状況ですが、COBOLのニーズは高まっておりフリーランス案件や副業案件なども増えてきている傾向にあります。COBOLで副業をしたいという人は、スキルと経験を高め、応募をしてみましょう。

副業案件を探すときにはフリーランス向けのエージェントに相談するのがおすすめです。フリーランス向けのエージェントサービスの「ベスキャリIT」では、ITエンジニア向けの副業・フリーランス案件を多数取り扱っています。15年以上の運営実績を持ち、全国の企業とネットワークを築いているので非公開求人を含む多くの求人を取り扱っています。COBOLの副業案件も紹介できる可能性があります。

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