PHPのフリーランスに興味がある人のなかには、PHPのフリーランスとして本当にやっていけるのか、どれくらい稼げるのか、どのように案件を探せばいいのかなどの疑問を持っている人も多いと思います。

PHPは需要の高いプログラミング言語のひとつであり、フリーランスとして独立する道も開かれています。ただし、正しい知識を身につけ、事前にしっかりと準備をしておかないと、案件が獲得できなかったり、収入が不安定になったりするリスクもあるため注意が必要です。

そこでこの記事では、PHPフリーランスのニーズや将来性、年収・単価相場、案件の特徴などについて解説します。成功するためのポイント、案件獲得方法などについても説明しているので参考にしてください。

PHPのフリーランスのニーズと将来性

PHPのフリーランスには十分なニーズと将来性があるのでしょうか。

PHPの需要

PHPには現在も十分な需要があります。PHPは依然として世界中のWeb開発において主力のプログラミング言語であり、多様な業種で利用が続いています。PHPは軽量で開発スピードが速いことから、スタートアップ企業から大手企業まで幅広く採用されているのです。

実際、PHP技術者認定機構の発表によると、2024年時点で世界のサーバーサイド言語におけるPHPのシェアは75.7%を占めています。さらに、W3Techsの調査によると、2024年時点で世界中のWebサイトの74.3%がPHPを使用しているとされています。

このように、PHPの需要は依然として高く、今後も企業のデジタル化に伴ってさらなる拡大が見込まれており、需要は拡大しているといえるでしょう。

PHPフリーランスの将来性

では、PHPフリーランスの将来性はどうなのでしょうか。結論から言えば、PHPフリーランスには今後も十分な将来性があるといえます。

PHPエンジニアの需要は世界全体で見ても依然として高い水準にあります。また、上のPHP技術者認定機構の調査によると、日本国内における2024年11月時点のPHPエンジニアの求人数は、2022年1月と比べて約3倍に増加しているとされています。

今後もWebサイトをはじめ、マーケティングオートメーションシステムや社内基幹システムに至るまで、DXを推進する企業が増加する見込みであり、PHPフリーランスに対するニーズもさらに高まると考えられるでしょう。

PHPのフリーランス案件の特徴

PHPのフリーランス案件にはどのような特徴があるのでしょうか。

案件数

PHPのフリーランス案件数は多いといえます。28,211件の案件をもとにした「PHPエンジニア案件の調査レポート」を見ると、PHPのフリーランス案件の比率は全体の14.5%で2位となっています。このデータからもわかるように、PHPのフリーランス案件は他のプログラミング言語と比較しても多く、安定した需要があることがわかります。

特にWebシステムやCMS、ECサイト構築など、幅広い分野でPHPが活用されているため、多様な案件で求められる点は強みといえるでしょう。特に、Web開発やCMS、ECサイトなどの分野では今なお根強い需要があり、未経験者や駆け出しのフリーランスにとっても挑戦しやすい領域といえるはずです。

出典:フリーランスボード(https://freelance-board.com/jobs/skills-2

働き方

PHPのフリーランスの働き方は多様化しており、自分のライフスタイルに合わせて柔軟に選択できる点が大きな魅力といえます。

PHPエンジニア案件の調査レポート」によると、PHPフリーランス案件のうち、週4〜5日稼働の案件が64.6%、週2〜3日の案件が34.2%を占めています。週3日以下で稼働できる案件が全体の3割以上を占めており、副業や家庭との両立を目指す人にも適した環境といえるでしょう。

さらに、働く場所についても柔軟性があり、フルリモート(在宅OK)の案件が62.6%、一部リモート可の案件が27.6%と、リモートワークに対応している案件が全体の9割以上を占めています。通勤のストレスから解放され、地方在住でも首都圏の案件に携わることが可能であることがわかります。

このように、PHPフリーランスは働き方の自由度が高く、個々のライフステージに応じたキャリア構築がしやすい職種といえるでしょう。

出典:SOKUDAN Magazine ( https://magazine.sokudan.work )

業界・職種

上の「PHPエンジニア案件の調査レポート」では、PHPのフリーランス案件の業種や職種が調査されており、以下のようになっています。

業種 割合
その他IT関連 50.79%
Web制作 11.02%
SaaS 5.12%
Webマーケティング 4.72%
その他人材サービス 4.33%

業種では「その他IT関連」が全体の約5割を占めており、PHPが幅広いIT分野で利用されていることが見て取れます。たとえば、業務系システムやクラウドサービス、メディア運営など、特定のカテゴリに分類されにくいプロジェクトにPHPが採用されているケースが多いと考えられます。

また、「Web制作」や「SaaS」といった領域も一定の割合を占めており、特に中小企業やスタートアップ企業によるWebサービス開発においてPHPのニーズが根強いことが示されています。

職種 割合
バックエンドエンジニア 67.72%
フロントエンドエンジニア 19.69%
プロジェクトマネージャー 6.30%
WEBディレクター 2.76%
iOS / Androidエンジニア 1.57%

また、職種別では「バックエンドエンジニア」が圧倒的に多く、全体の67.72%を占めています。 これは、PHPがサーバーサイド言語として広く活用されていることの表れです。データベースとの連携やAPIの開発、既存システムの改修など、PHPが得意とする領域の案件が多いことを示しています。

一方で、「フロントエンドエンジニア」や「プロジェクトマネージャー」、「Webディレクター」などの案件も一定数存在しており、フルスタックなスキルや管理能力を活かせるポジションも増えてきていることがわかります。特に、フロントエンドやモバイル開発と連携した案件もあるため、PHPに加えてJavaScriptやReact、Flutterなどの知識を持っていると、より高単価で多様な案件に携わるチャンスが広がるでしょう。

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PHPフリーランスの年収・単価相場

PHPのフリーランスの年収や案件の単価の相場はどれくらいなのでしょうか。

「PHPエンジニア案件の調査レポート」によると、PHPフリーランスの平均年収は823万円、平均月収は68万円となっています。また、28,211件の案件データをもとにした別の調査では、平均年収は856万円、平均月収は71.3万円という結果も出ており、おおよそ年収850万円前後、月収70万円前後が相場といえるでしょう。

ただし、これはあくまで平均値です。実務経験が豊富で、LaravelやCakePHPなどのフレームワークに精通し、インフラやフロントエンドとの連携スキルも備えているエンジニアであれば、月単価100万円以上の高単価案件を受注することも十分に可能です。経験やスキル次第で、大きく収入を伸ばせるのがPHPフリーランスの特徴といえるでしょう。

PHPフリーランスに必要な能力や条件

では、PHPのフリーランスとして案件を得て、十分な収入を稼いでいくにはどのような能力や条件が必要なのでしょうか。

経験と実績

PHPフリーランスとして活躍するためには、十分な経験と実績を積み重ねておくことが重要です。

クライアントは即戦力となるフリーランスエンジニアを求める傾向が強く、過去にどのような案件を担当し、どのような成果を上げたかが判断材料となります。そのため、単に年数を重ねるだけでなく、知識やスキルは十分なレベルに達しているか、実務を通じてどれだけ成果を出してきたかが重要になります。

経験や実績が不足していると、スキルや知識が十分であっても、それを証明する手段が乏しいとされ、クライアントからの信頼を得にくくなります。特にフリーランスの現場では、履歴書や職務経歴書だけでなく、過去のプロジェクトや成果物によって実力を判断されることが多いため、実績の蓄積が大事です。

データベースやサーバーに関する知識

PHPフリーランスとして安定して活躍するためには、データベースやサーバーに関する知識も重要です。

多くのWebアプリケーションはデータベースとの連携やサーバー環境での運用を前提として構築されています。PHPはサーバーサイド言語として、MySQLなどのデータベースと連携し、ApacheやNginxなどのWebサーバー上で動作するため、これらの知識がなければ、案件を円滑にこなすことが難しくなるでしょう。

MySQLなどの基本的なSQL操作はもちろん、複雑なクエリ作成やパフォーマンスチューニング、セキュリティ対策も理解していることが求められますし、サーバーに関してはLinuxの基本操作やApache、Nginxの設定、PHP実行環境の管理ができることが必須となるでしょう。

コミュニケーション力・マネジメント力

PHPフリーランスとして活躍するには、コミュニケーション力やマネジメント力も欠かせない重要なスキルです。

フリーランスエンジニアは、単にコードを書く技術だけでなく、クライアントとの意思疎通やプロジェクトの進行管理まで自ら対応する場面が多くあります。開発要件の確認、納期の調整、進捗の報告など、円滑なコミュニケーションは信頼関係の構築に直結します。また、業務を計画的に進めるマネジメント力も、納品の品質やスピードを維持するために重要です。

たとえ高度な技術力があっても、クライアントとの認識にズレがあれば、成果物が意図と異なるものになってしまう恐れがありますし、継続的に案件を受注するのが難しくなる可能性もあるので注意しましょう。

フレームワークの知識とスキル

PHPフリーランスとして活躍するためには、Laravel、CakePHP、FuelPHPといった主要なフレームワークに関する知識とスキルが欠かせません。これらのフレームワークは、開発効率を大幅に向上させるだけでなく、保守性やセキュリティの確保といった面でも多くの利点があります。

「PHPエンジニア案件の調査レポート」の「PHP案件のフレームワーク別動向」を見ると、Laravelの案件数が突出して多く、高い需要を誇っていることがわかります。そのため、フリーランスとして活動していく上では、Laravelのスキルを優先的に習得・強化することが重要でしょう。

一方で、CakePHPやFuelPHPといったフレームワークも、既存システムの保守や改修を担う案件で根強いニーズがあります。とくに中小企業やレガシー環境を抱える現場では、これらのフレームワークを扱える人材が重宝されています。

PHPフリーランスとして成功するためのポイント

PHPのフリーランスとして成功するために抑えておいたほうがよいポイントがあります。

営業・交渉力を高める

PHPのフリーランスとして成功するためには、営業・交渉力を高めることが重要です。

営業・交渉力があることで、自分のスキルや実績を適切にアピールし、より良い条件で案件を獲得できるようになるからです。特にフリーランスの場合、エージェント経由だけでなく、直請け案件やリピートの受注につなげるには、自ら提案したり、単価や納期などの条件を調整したりする能力が欠かせません。

また、営業力に長けたフリーランスは自分の成果を論理的に説明できるため、クライアントに高く評価され、高単価案件や長期契約を獲得できる可能性が高まるでしょう。

ポートフォリオを作成する

PHPのフリーランスとして成功するためには、ポートフォリオを作成することが重要です。

ポートフォリオは、自身のスキルや実績を客観的に示す最も効果的な手段であり、クライアントからの信頼を得やすくなります。特に開発の現場では、具体的な制作物を提示することで技術力を可視化できるため、案件獲得において有利になるでしょう。

例えば、自作のECサイトや会員管理システム、Laravelを用いた業務用アプリケーションなどをポートフォリオに含めることで、自身の開発スキルを具体的にアピールできます。また、GitHubなどでソースコードを公開しておけば、コーディングスタイルやテストの実装状況、設計思想なども確認してもらえるため、技術への信頼度がさらに高まるでしょう。

リスクヘッジを行う

PHPフリーランスとして安定して活動を続けるためには、リスクヘッジを意識することが不可欠です。

フリーランスは自由度が高い一方で、収入の変動や案件の途切れ、急な契約終了といった不安定要素を常に抱えています。特にPHP案件は単価に幅があり、安定収入を得るには戦略的な備えが求められます。こうしたリスクに事前に備えておくことで、精神的・経済的な余裕を持って仕事に取り組むことができるでしょう。

例えば、複数のクライアントと並行して契約を結ぶことで、仮に1社との契約が終了しても他の案件で収入を維持できます。また、エージェントサイトなどに登録しておくと、継続的に新規案件の情報を得やすくなり、案件が途切れた際にも迅速なリカバリーが可能です。

継続的な学習とスキルアップ

PHPフリーランスとして成功するためには、継続的な学習とスキルアップを欠かさないこともポイントです。

IT業界は技術の進化が非常に速く、特にWeb開発分野ではトレンドや求められるスキルが数年単位で大きく変化します。PHPも例外ではなく、フレームワークやセキュリティ要件、開発環境のアップデートなどに対応し続けなければ、時代遅れのエンジニアと見なされるリスクがあります。

常にスキルを磨いておくことで、案件の幅を広げ、単価アップや継続受注につなげることができるでしょう。

PHPのフリーランスの案件獲得方法

PHPのフリーランスとして案件を獲得するために、どのような方法があるのでしょうか。

フリーランスエージェント

PHPフリーランスが効率的に案件を獲得する手段として、フリーランスエージェントの活用がおすすめです。

フリーランスエージェントは、企業とエンジニアの間に立ってマッチングを行ってくれるサービスで、スキルや希望条件に合った案件を紹介してくれます。PHPに特化した案件も多く取り扱っており、継続的に案件を受注したいフリーランスにとっては非常に心強い存在です。報酬交渉や契約手続きなどの面倒な業務も代行してくれるため、営業が苦手な人にとって大きなメリットが得られるでしょう。

このように、フリーランスエージェントを活用することで、自分のスキルや働き方に合った案件を効率よく獲得できるようになり、安定したフリーランス活動につなげることができるでしょう。

クラウドソーシングサービスや求人サイト

PHPのフリーランスが案件を獲得するための方法として、クラウドソーシングサービスや求人サイトなどもあります。

クラウドソーシングは短期案件や副業向けの仕事も豊富で、実績づくりや経験を積むには最適な場といえるでしょう。また、求人サイトでは、より専門的で高単価な案件や継続的なプロジェクトを見つけることが可能です。

ただし、こうしたサービスにはデメリットもあります。基本的には自分で案件を探し、応募から契約までをすべて一人で対応する必要があり、手間や時間がかかる傾向があります。また、人気の案件には応募が集中するため、競争が激しく、思うように案件を獲得できないこともあるでしょう。

直接営業・紹介

PHPのフリーランスとして案件を獲得するためには、直接営業や知人・過去の取引先からの紹介を活用するのも効果的な方法です。

直接営業や紹介は、信頼関係を前提としたアプローチであるため、提案が受け入れられやすく、受注につながる確率が高いという特徴があります。さらに、すでに面識や実績がある相手との取引では、スキルや人柄に対する不安が少ないため、クライアント側も安心して依頼できます。

実際、中小企業庁が公表しているデータでは、「顧客を獲得する方法」として「既存の顧客からの紹介」が1位、「友人・知人からの紹介」が3位となっており、多くの企業が信頼関係に基づいた紹介を重要視していることがわかります。積極的に活用しましょう。

PHPのフリーランス案件ならベスキャリITで

PHPフリーランスとして活躍するためには、技術力だけでなく、営業力や継続的な学習姿勢も欠かせません。安定して案件を獲得するには、信頼関係を築けるクライアントとの出会いが重要です。そのためにも、より良いクライアントと出会う手段のひとつとして、フリーランスエージェントの活用を積極的に検討しましょう。

「ベスキャリIT」は、ITエンジニア専門のフリーランスエージェントとして、PHPエンジニア向けの高単価・好条件な案件を多数取り扱っています。専任のキャリアアドバイザーが、スキルや希望条件にマッチした案件を紹介するだけでなく、面談や契約、就業開始までをしっかりサポートします。

参画後も定期的なフォローやキャリア相談を通じて、長期的なキャリア形成をサポートしています。非公開案件やリモート可能な案件も充実しているので、他社にはない案件情報なども見つけることができるはずです。ぜひ「ベスキャリIT」を活用してみてください。

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