JavaScriptのスキルを活かしてフリーランスとして働けるのか、JavaScriptのフリーランスで案件を獲得できるのか、デメリットはないのかなど、不安を感じている人もいるかと思います。はたしてJavaScriptのフリーランスとして独立し、収入を得ていくことはできるのでしょうか。
そこでこの記事では、JavaScriptのフリーランスの近況を解説するとともに、フリーランスとして働くメリットやデメリット、働ける職種や業界、年収を高めるために必要なスキルやポイントなどについて詳しく紹介していきます。
目次
JavaScriptのフリーランスの近況
JavaScriptのフリーランスはどのような状況なのかを解説します。
JavaScript利用者の割合
エンジニアのなかでJavaScriptの利用者はどれくらいいるのでしょうか。「プログラミング言語利用実態調査2021」では、現在使っているプログラミング言語としてJavaScriptは2位でした。JavaScriptを利用している人は多いことがわかります。
また、「最近のシステム開発では何らかのWeb技術を利用することが多い。こうした背景からJavaScriptが上位に選ばれたと思われる」とされており、Web技術の普及によりその利用者数が増加傾向にあることが伺えます。
また、JavaScriptはフロントエンドだけでなく、バックエンドやモバイルアプリ、デスクトップアプリの開発にも活用できるため、対応できる領域が非常に広い言語です。だからこそ、多くの人に使われていますし、今後も需要が高まることが予想できるでしょう。
JavaScriptの需要
では、JavaScriptの需要はどれほどあり、どのような傾向があるのでしょうか。
2025年のフリーランス・副業の「JavaScript案件の調査レポート」の案件数ランキングを見ると、JavaScriptの案件数はもっとも多いという結果になっています。つまり、それだけ需要が大きいということがわかります。
また、「フリーランスITエンジニア動向調査の結果」を見ると、Javaでは正社員希望の登録者が全体の約42%を占めたのに対して、フリーランス希望の登録者は約27%にとどまっており、Javaの採用率が高い企業は正社員人材を求める傾向にあるという結果となりました。それに比べて、JavaScriptの登録者では正社員とフリーランス希望の割合がほぼ変わらず、JavaScriptではフリーランスとして採用されやすいということがわかります。
フリーランスエンジニアについては以下でまとめています。
『フリーランスエンジニアとは?職種やリスク、仕事獲得方法などを解説』
出典:SOKUDAN Magazine(https://magazine.sokudan.work)
JavaScriptのフリーランスのメリット
では、JavaScriptのフリーランスになるメリットとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、「JavaScript案件の調査レポート」をもとに、フリーランスのメリットを解説していきます。
自由な働き方ができる
JavaScriptフリーランスの大きな魅力のひとつは、自由な働き方ができる点にあります。フリーランスは企業に雇用される形ではなく、プロジェクト単位で契約を結ぶため、働く場所や時間を自分で決められます。特に、JavaScriptはWeb開発やアプリ開発など、リモートで対応可能な案件が多いため、場所に縛られず働ける環境が整っています。
「フリーランスエンジニアとしての働き方」についてのアンケート調査の「フリーランスエンジニアになって感じたメリット」を見ると、働く時間や場所に縛られないが多くなっています。
実際、調査レポートの「JavaScript案件のリモート可否」を見ると、稼働日数が週2~3日以下の案件は42.8%となっています。また、フルリモート案件が27.1%でリモート可が65.2%となっています。このように、JavaScriptのフリーランスは、時間的・空間的な制約が少なく、柔軟な働き方を実現しやすい職種なのです。
収入アップが期待できる
JavaScriptフリーランスとして働くことで、収入アップが期待できるでしょう。企業に雇用されている場合と異なり、フリーランスは自分のスキルや実績に応じて報酬を自由に設定できるため、成果に見合った収入を得やすくなります。さらに、JavaScriptはWeb開発やアプリケーション開発など幅広い分野で活用されており、需要が非常に高いため、高単価案件も豊富です。
また、保険や年金などの福利厚生は自己負担になりますが、その分が単価に反映されることも多く、結果的に手取り収入が増える傾向があります。実際、フリーランスエンジニアとしての働き方に関する調査によると、「フリーランスエンジニアになって収入が上がった」と回答した人は全体の59.5%にのぼります。このデータからも、フリーランスという働き方が収入面でプラスに働くケースが多いことがわかります。
経験やスキル、人脈を広げられる
JavaScriptのフリーランスとして活動することで、経験やスキル、人脈を広げることができるでしょう。
フリーランスは、企業に属して特定の業務を継続的に行う会社員と異なり、プロジェクトごとにさまざまな案件に携わるため、多様な技術に触れる機会が豊富です。また、クライアントごとに異なる業種や開発環境に関わることで、技術力だけでなく業界知識や課題解決力も自然と養われていきます。さらに、クライアントや他のフリーランスとの連携を通じて、人脈も広がりやすい環境にあります。
このように、JavaScriptフリーランスとして働くことで、多様な経験を積みながらスキルを磨き、人脈も広げることが可能なのです。
JavaScriptのフリーランスのデメリット
JavaScriptのフリーランスになることでデメリットはあるのでしょうか。
将来年収が下がる可能性
JavaScriptフリーランスとして働く場合、将来的に年収が下がる可能性も視野に入れておくべきでしょう。
フリーランスは常に自身で案件を獲得し続ける必要があり、市場環境の変化や技術トレンドに適応できなければ、収入が減少するリスクがあります。特にJavaScriptは人気言語である一方、競争も激しくスキルの陳腐化が早い分野です。経験や実績があっても、継続的なスキルアップを怠ると単価が下がったり、仕事の受注が難しくなったりする可能性があります。
現に、フリーランスのJavaScriptの平均年収データを見ると、2024年は平均年収1,040万円でしたが、2025年は825万円となっています。このように、市場や技術の変化によってフリーランスの年収が大きく変動するリスクがあることに注意しましょう。
社会的信用が低い
JavaScriptのフリーランスとして働く場合、「社会的信用が低い」というデメリットがある点に注意が必要です。
フリーランスは会社員のような雇用契約を結んでおらず、収入も不安定な場合があるため、社会的な信用度が低く評価される傾向があります。特に金融機関や不動産関連など、信用情報を重視する場面では、フリーランスであることが不利に働くことがあります。
上の「フリーランスエンジニアとしての働き方に関する調査」の「フリーランスエンジニアになって感じたデメリット・不満な点」では、「社会的信用が低い」がもっとも高くなりました。これはエンジニア全体についての調査ですが、JavaScriptのエンジニアについても同じことがいえるでしょう。
事務作業が必要
JavaScriptのフリーランスとして働く際には、開発以外にも事務作業が必要になる点を理解しておくべきです。
フリーランスは企業に雇用されているわけではないため、案件の契約、請求書の作成、確定申告など、すべての事務作業を自分で行う必要があります。会社員の場合には、これらの業務は専門の部署が担当してくれましたが、フリーランスになるとそれらの業務すべてを自分ひとりで管理・処理しなければなりません。
これらの事務作業は慣れていないとミスを招く可能性もあり、特に税務処理や契約内容の確認ミスは、トラブルやペナルティに発展するリスクがあります。さらに、事務作業は直接の収入に結びつかないにも関わらず時間と労力がかかるため、フリーランスとしての生産性を下げる要因にもなるので、効率よく処理するための知識とノウハウが求められます。
将来の社会保障が少ない
JavaScriptのフリーランスとして働く場合、将来的に受けられる社会保障が限られる可能性があります。
会社員とは異なり、フリーランスは厚生年金や健康保険といった社会保険制度に自動的には加入できず、自ら国民年金や国民健康保険に個別で加入する必要があります。企業に所属している場合、保険料の半額は会社が負担し、将来的に受け取れる年金額も比較的安定していますが、フリーランスはこれらをすべて自己負担でまかなわなければならないのです。
そのため、将来の保障が薄くなり、老後の生活資金に不安を感じやすくなるリスクがあるでしょう。iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済などの制度を活用して、自ら老後資金を準備するのがよいでしょう。
JavaScriptのフリーランスの年収・案件相場
JavaScriptのフリーランスの年収や案件の相場はどれくらいなのでしょうか。
「JavaScript案件の調査レポート」を見ると、2025年のフリーランスのJavaScriptエンジニアの平均年収は825万円となっています。「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」の「転職における言語別の平均年収ランキング」では、正社員のJavaScriptエンジニアの平均年収は599.4万円なので、フリーランスの方が年収の水準が高いことがわかります。
また、フリーランスのJavaScript案件の単価を見ると、平均値と中央値はおおよそ70万円という調査もあります。案件ごとの月収の相場としてはこれくらいが基準となるでしょう。
JavaScriptのフリーランスの職種・業界
JavaScriptのフリーランスにはどのような職種があり、どんな業界で働くのでしょうか。
職種
「JavaScript案件の調査レポート」を見ると、JavaScript案件の職種は以下のような割合とされています。
フロントエンドエンジニア | 51.78% |
---|---|
バックエンドエンジニア | 27.51% |
プロジェクトマネージャー | 6.51% |
WEBディレクター | 5.33% |
デザイナー | 3.55% |
これを見ると、全体の約半数を占める51.78%がフロントエンド領域に集中しており、JavaScript案件の多くがフロントエンドエンジニア向けであることがわかります。これは、JavaScriptが主にWebブラウザ上のユーザーインターフェースの構築に用いられる言語であることに起因していると考えられます。
また、バックエンドエンジニアも27.51%と一定の割合を占めており、Node.jsなどの技術を用いてサーバーサイドの開発にJavaScriptが活用されるケースが増えていることがうかがえます。さらに、プロジェクトマネージャーやWEBディレクターといった、開発の進行管理や設計に関わる職種も一定数見られ、JavaScriptが開発プロセス全体に広く関与していることがわかります。JavaScriptは単なるフロントエンド言語にとどまらず、多様な職種において求められる汎用性の高いスキルとなっているのです。
業界
フリーランスのJavaScriptの案件はどのような業界で用いられるのでしょうか。「JavaScript案件の調査レポート」を見ると、JavaScript案件の業界は以下のような割合とされています。
その他IT関連 | 30.18% |
---|---|
その他人材サービス | 12.72% |
Web制作 | 11.24% |
AI(人工知能) | 8.28% |
Webマーケティング | 4.44% |
このデータから見ると、JavaScript案件は「その他IT関連」が30.18%と最も多く、幅広いIT業界で活用されていることがわかります。これは、業務システムやクラウドサービス、SaaSプロダクトなど多種多様な分野でJavaScriptが用いられているためと考えられます。次に多いのが「その他人材サービス」の12.72%で、人材系プラットフォームや求人情報サイトの構築・運用などにJavaScriptが活用されていることを示しています。
また、「Web制作」が11.24%を占めており、コーポレートサイトやLPの制作におけるインタラクティブなUI開発での需要も依然として高いと言えます。
JavaScriptのフリーランスで年収を高めるためのポイント
JavaScriptのフリーランスとして、高収入を得ていくためにはどのようなポイントに気をつければよいでしょうか。プログラミングスキルやテスト・デバッグスキルなどは当然必要なものなので、それ以外に何が必要かを解説します。
フレームワークの知識
「JavaScript案件の調査レポート」では、「特に価値が高いのは、React、Vue.js、AngularといったモダンなJavaScriptフレームワークに精通した開発者」であると述べられています。このことから、これらのフレームワークを習得することが、エンジニアとしての市場価値を高めるうえで非常に重要であることがわかります。特にフロントエンド開発の現場では、こういったフレームワークを活用した効率的かつ高度なUI構築が求められるため、実践的なスキルとして習得しておくべき要素といえるでしょう。
ほかにも、TypeScriptとの併用や、状態管理ライブラリ(例:Redux、Pinia、NgRx)などと組み合わせた開発経験があると、より高度な案件に対応できるようになります。また、Next.jsやNuxt.jsといったSSR(サーバーサイドレンダリング)対応のフレームワークの知識も、パフォーマンスやSEOが重視されるプロジェクトにおいて高く評価されるでしょう。
周辺知識の習得
JavaScriptを扱うエンジニアとして活躍するためには、JavaScriptそのもののスキルに加え、周辺技術や関連知識の習得が重要です。
実際の開発現場では、JavaScript単体で完結するケースは少なく、HTMLやCSSなどのマークアップ・スタイリング言語と組み合わせてフロントエンドを構築することが一般的です。また、サーバーサイドの処理に携わる場合は、PHPやRuby、Pythonなどのバックエンド言語に対する理解も求められることがあります。
さらに、UI/UXの観点からデザインの基礎知識があると、より実用的かつユーザーにとって使いやすいインターフェースを実現しやすくなるでしょう。JavaScriptだけにとどまらず、周辺知識を積極的に学ぶことで、自身の市場価値を高めることができ、結果としてキャリアアップや年収アップにもつながる可能性が高くなります。
マネジメントを学ぶ
JavaScriptのフリーランスとして高年収を得るためには、マネジメントスキルを学ぶのも有効な手段です。
フリーランスとして案件単価を上げたり、より大規模なプロジェクトに関わったりするためには、単なる技術力だけでなく、チームの進行管理や顧客とのコミュニケーションを円滑に進められる能力が求められます。特に中長期の案件では、クライアントとの折衝や納期・品質管理を担う役割も発生することが多く、マネジメント力が高く評価されます。
特にフリーランスでは、一人で複数の役割を担う必要があるため、開発スキルに加えてマネジメントスキルがあると、上流工程から関われる高単価案件の受注につながるケースも多いです。このように、マネジメントスキルを学ぶことで、JavaScriptフリーランスとしてより高い市場価値を持ち、高単価の案件を受けられるでしょう。
資格を取得する
JavaScriptのフリーランスとして年収を高めるには、関連する資格を取得するのも効果的な手段です。
資格を取得することで、自身のスキルや知識を客観的に証明でき、クライアントからの信頼を得やすくなります。特に未経験からフリーランスとして活動する場合や、高単価案件を獲得したいと考えている場合には、実績の代わりとなる資格が強い武器になります。
JavaScriptに関する日本語で取れる資格としては、「Salesforce認定 JavaScriptデベロッパー資格」「HTML5プロフェッショナル認定試験」などがあります。
資格を持っていることで、クライアントは安心して仕事を依頼できるため、案件の獲得や単価交渉の際にも有利になるでしょう。
エージェントを利用する
JavaScriptのフリーランスで高年収を得るためには、エージェントを利用することが効果的です。エージェントは市場の最新動向や案件情報を豊富に持っており、自分だけでは見つけにくい高単価の案件を紹介してくれます。また、契約や単価交渉のサポートをしてくれるため、適正な報酬を得やすくなります。
自力で案件を探す場合、どうしても情報量に限りがあり、単価の低い案件や条件の悪い案件にしか出会えない可能性があります。しかし、エージェントを利用すると専門のコンサルタントが個別に相談に乗り、スキルや希望に合った高単価案件を優先的に紹介してくれます。さらに、面倒な契約手続きや報酬交渉も代行してくれるため、フリーランスとしての活動に集中できるメリットが得られるでしょう。
このように、エージェントを利用することで効率よく高単価案件を獲得しやすくなるため、JavaScriptのフリーランスとして活躍するには積極的に活用するのがよいでしょう。
JavaScriptのフリーランス求人ならベスキャリITで
JavaScriptは現在も高い需要があり、今後もその傾向は続くと予想できます。フリーランスとして独立することで、会社員よりも高い収入が得られる可能性がありますし、自分のスキルやライフスタイルに合わせた働き方が可能になるでしょう。そして、フリーランス案件を探すときにはエンジニアを利用するのがおすすめです。
「ベスキャリIT」は、フリーランスのITエンジニアに特化した案件紹介サービスです。運営歴が15年以上あり、JavaScriptをはじめ、フロントエンドからバックエンドまで幅広い技術スタックに対応した豊富な案件を取り扱っており、自分のスキルや経験に合った仕事を見つけやすいです。
また、専門のキャリアアドバイザーが在籍しており、案件選びから面談対策、契約交渉に至るまで、フリーランスとしての活動をトータルでサポートしてくれます。初めてフリーランスとして独立する方でも安心して利用できる体制が整っています。JavaScriptスキルを活かして理想の働き方を実現したい方は、ぜひ一度「ベスキャリIT」に相談してみてください。
JavaScriptのフリーランス案件は以下のページにまとめていますのでご覧ください。