「フロントエンドエンジニアとしてフリーランスになるには何が必要?」「正社員と比べてフリーランスって本当に稼げるの?」「どうすれば年収を高められるのか」という疑問を持っている人も多いと思います。フロントエンドエンジニアがフリーランスとして活躍するには、必要なスキルだけでなく、案件獲得のコツや働き方の選択肢についても理解しておくことが重要です。

この記事では、フリーランスのフロントエンドエンジニアの近況や働き方、年収、求められるスキルなどについて解説します。案件獲得の方法、収入アップのポイントについても説明するので参考にしてください。

フロントエンドエンジニアはフリーランスになれる?

フロントエンドエンジニアはフリーランスになりやすいのでしょうか。メリットやリスクとともに解説します。

フロントエンドエンジニアはフリーランスに向いているのか

まず、フロントエンドエンジニアはフリーランスに向いている職種なのでしょうか。結論から述べると、フリーランスに適した職種といえます。というのも、フロントエンドの業務の多くはオンラインで完結可能であり、かつ需要が高いからです。

フロントエンドでよく用いるHTMLやCSS、JavaScript、ReactやVueなどのフレームワークを活用するスキルは、あらゆるWeb開発の現場で求められており、企業は外部のプロフェッショナルにプロジェクト単位で業務を委託するケースが増えています。だからこそ、フロントエンドエンジニアは案件を受注しやすいですし、フリーランスとして生活を安定させやすいのです。

正社員との違い・メリットとデメリット

フロントエンドエンジニアがフリーランスとして働く場合、正社員とは異なるメリットとデメリットがあります。

正社員は安定した収入や福利厚生、チームでのサポートといったメリットがありますが、働く時間や場所に制約がある場合が多いです。一方、フリーランスは自分の裁量で仕事を選べる自由さや高単価案件に挑戦できるチャンスがある反面、収入が不安定になるリスクや自己管理や営業活動などの負担があります。

どちらにも一長一短があり、自身のライフスタイルやキャリア設計に応じて選ぶことが大切です。

フリーランスエンジニアとは?職種やリスク、仕事獲得方法などを解説

フリーランスのフロントエンドエンジニアの近況

フリーランスのフロントエンドエンジニアの現在の状況はどのようなものなのでしょうか。

2023年5月における人材の市況感の調査によると、「全エンジニアのうちフロントエンドエンジニアの割合が2ヶ月連続で16%以上を占め、全体の約8.8%を占めている」とされていることから、市場における存在感が高まっていることがわかります。

また、2024年のフリーランス・副業の「案件数が増加した職種ランキング」によると、フロントエンドエンジニアは増加率46.3%で6位にランクインしています。このように増加している理由としては、スマートフォンやタブレットの普及により、レスポンシブデザインやモバイルファーストのアプローチがWeb開発において標準化されたことが挙げられます。

これにより、ユーザーインターフェースの品質やユーザー体験(UX)の向上を担うフロントエンドエンジニアの重要性が大きく高まり、企業からの需要が高まっていると考えられます。

出典:テクフリ(https://freelance.techcareer.jp/

フリーランスのフロントエンドエンジニアの年収と案件相場

フリーランスのフロントエンドエンジニアの年収と案件相場はどれくらいなのでしょうか。

平均年収・時給

フリーランスフロントエンドエンジニアの平均年収・時給についての調査では、フロントエンドエンジニアの平均年収は867万円と報告されています。これは、会社員として働くエンジニアの平均年収を大きく上回っており、フリーランスとして活動することで高収入が見込めることがわかります。

この調査によると、フリーランスのフロントエンドエンジニアの平均時給は4,307円となっており、高い専門性に見合った報酬水準であることがわかります。時給5,000円を超えるエンジニアも少なくなく、案件によっては月収80万円〜100万円を超えるケースも珍しくありません。さらに、年収800万円以上のエンジニアは全体の56.2%を占めており、半数以上が高額な収入を得ているという結果になっています。

特に人気のある技術スタックでは、Next.jsを扱うフロントエンドエンジニアの平均年収は1,026万円、Vue.jsでは1,035万円、Reactでは927万円と、技術ごとに年収の傾向も異なっています。

案件相場

上の調査結果から、フリーランスのフロントエンドエンジニアの平均年収が867万円であることを踏まえると、案件単価の相場は月額70万円〜80万円前後がひとつの基準と考えられます。そこにスキルや実績が加わることで、月額90万円〜100万円以上の高単価案件を獲得できるケースも少なくありません。

フロントエンドエンジニアとしての専門性が高ければ、フリーランス市場においても安定した高収入が見込める相場感となっています。特にReact、Vue.js、Next.jsといったモダンなフレームワークを扱えるエンジニアは、より高単価での案件獲得が期待できるでしょう。

フリーランスのフロントエンドエンジニアの働き方

フリーランスのフロントエンドエンジニアはどのような働き方をしているのでしょうか。ここでも、上の調査をもとに解説します。

稼働日数、時間

「フリーランスフロントエンドエンジニアの平均年収・時給についての調査」を見ると、フリーランスとして働くフロントエンドエンジニアの約57.7%が週5日稼働しており、多くの人が会社員とほぼ同じペースで働いていることが分かります。さらに、週4日稼働の人は約23.1%、週3日稼働の人は約11.5%と、週に3~5日働くスタイルが主流となっていることがわかります。

また、稼働時間に関しては、1日8時間稼働が最も多く、全体の42.3%を占めるという結果になっています。次いで多いのが1日6時間(26.9%)であり、標準的な労働時間をベースにしつつも、自分のライフスタイルに合わせて調整している様子が見受けられます。

このように、フリーランスであっても安定して稼働する働き方が一般的であり、フルタイムに近い日数・時間で働くことで、継続的な収入を確保しているケースが多いといえます。

リモートワークの可否

フロントエンドエンジニアとして働くフリーランスの約88.5%がフルリモートで業務を行っていることが明らかになっています。これは、他の職種と比較しても非常に高い割合であり、フロントエンド開発がリモートワークと親和性の高い職種であることを示しています。

開発環境が整備されている企業の案件などでは、オンラインでのタスク管理やコードレビュー、ミーティングなどがスムーズに行えるため、オフィスに出社せずとも高い生産性を保ちながら業務を遂行できるでしょう。

このように、フロントエンドエンジニアという職種は、フリーランスとしてリモートワークを希望する人にとって非常に魅力的な選択肢であるといえます。地方在住者や家庭の事情で通勤が難しい人でも、首都圏の案件にリモートで参画できるというのは大きなメリットといえます。

フリーランスのフロントエンドエンジニアに必要なスキル

フロントエンドエンジニアがフリーランスになるには、どのようなスキルをどのレベルまで習得しておく必要があるのでしょうか。

HTML、CSS、JavaScript、Typescript

フリーランスのフロントエンドエンジニアには、HTML・CSS・JavaScript・TypeScriptといった基礎的なフロントエンド技術の習得が不可欠です。

これらの言語は、WebサイトやWebアプリケーションの構造設計、デザイン、動的な動作の実装に欠かせない要素であり、クライアントの要望に応えるためには確実に身につけておく必要があります。特にフリーランスの場合、案件ごとに求められる技術が異なるうえ、1人で幅広い工程を担当するケースが多いため、柔軟に対応できる知識とスキルが求められます。

なかでもTypeScriptは、近年多くの企業案件で採用が進んでおり、保守性や安全性を重視した開発現場ではすでにスタンダードになりつつあります。JavaScriptの理解を前提としながら、TypeScriptの基本構文や型システムも習得しておくことで、対応できる案件の幅を大きく広げることができるでしょう。

フレームワークのスキル

フリーランスのフロントエンドエンジニアにとって、ReactやVue.jsなどのモダンなJavaScriptフレームワークの習得はほぼ必須といえます。

フレームワークを使いこなすことで、開発スピードや保守性、拡張性が格段に向上し、クライアントからの信頼にもつながります。近年のWeb開発では、フレームワークを前提とした設計が一般的であり、HTML・CSS・JavaScriptの基礎に加えて、コンポーネント指向の理解や状態管理、ルーティングといったフレームワーク固有の概念も習得しておく必要があります。

ReactではNext.js、VueではNuxt.jsといったSSR対応のフレームワークが重宝されるケースも多く、より高度な案件への対応力を高めるためにも、こうしたフレームワークの知識とスキルを身につけておくと有利でしょう。

ライブラリ活用能力

フリーランスとして実務をこなすには、フレームワークに加えてライブラリを適切に選び、使いこなす力も求められます。

ライブラリとは、既に用意された機能を簡単に導入できるコードの集まりで、開発効率を大幅に高めてくれます。たとえば、フォームバリデーションには「React Hook Form」や「vee-validate」、状態管理には「Redux」や「Pinia」、スタイルには「Tailwind CSS」や「styled-components」などが使われる傾向にあります。

必要に応じて最適なライブラリを選定し、ドキュメントを読み解いて実装する力があれば、クライアントの要望に柔軟に応えることが可能でしょう。また、ライブラリの選定ミスが技術的負債や保守の手間につながるケースもあるため、「使わないことを選ぶ判断力」も重要なスキルのひとつといえます。

UI/UXに関する知識

ユーザーにとって使いやすく魅力的なWebサイトやアプリを作るには、UIとUXに関する知識が欠かせません。

フリーランスのフロントエンドエンジニアとして案件を受ける場合、単にデザインを再現するだけでなく、「どうすればユーザーにとって操作しやすいか」「どんな導線がコンバージョンにつながるか」といった視点を持って開発をすることが求められます。

たとえば、ボタンの配置やサイズ、スクロール時のアニメーション、レスポンシブデザインの工夫など、細部にまで気を配ることで、ユーザーの満足度や再訪率が大きく変わってきます。UI/UXに関する基本的な設計思想やユーザー視点を理解し、それを実装に活かせる力を身につけましょう。

API連携や非同期処理への対応力

フリーランスのフロントエンドエンジニアにとって、APIとの連携スキルや非同期処理への理解と対応力は実務で必須となる技術領域です。

Webアプリケーションや業務システムでは、サーバー側のデータを取得・送信する処理が不可欠であり、多くのプロジェクトでREST APIやGraphQLを用いた通信が行われています。クライアントとサーバーが分離されたSPAでは、API連携は開発の中心ともいえる作業です。

具体的には、fetchやaxiosなどのライブラリを使って非同期にデータを取得し、状態管理やUIへの反映を適切に行う力が必要です。また、ローディング中の処理やエラーハンドリング、ユーザーへのフィードバック表示といった実装も重要です。

コミュニケーション力

フリーランスのフロントエンドエンジニアにとって、コミュニケーション力は技術力と同じように重要な要素です。

企業に所属していないフリーランスは、クライアントとのやり取りをすべて自分で行う必要があります。営業活動や契約交渉に始まり、要件のヒアリング、仕様変更への対応、進捗報告、納品後のサポートに至るまで、あらゆる場面で適切なコミュニケーションが求められます。

また、相手の意図を正確にくみ取るヒアリング力や、納期やスコープの調整をする交渉力も、長期的に信頼関係を築く上で重要です。こうしたソフトスキルが高いフリーランスは、技術力以上にリピートや紹介につながる可能性があるでしょう。

フリーランスのフロントエンドエンジニアが成功するためのポイント

フロントエンドエンジニアがフリーランスになったあとに案件を得続けて成功をするためには、以下のようなポイントを抑えておいたほうがよいです。

スキルの定期的なアップデートを怠らない

フリーランスのフロントエンドエンジニアとして成功するには、スキルの定期的なアップデートを怠らないことが重要です。

Web技術は進化のスピードが速く、新しいフレームワークやライブラリ、開発手法が次々と登場しています。数年前の常識が通用しなくなることも多く、技術が古いままだと、高単価な案件への参画が難しくなる可能性もあります。

だからこそ、常に最新の技術動向をチェックし、スキルセットをアップデートし続けなくてはなりません。ReactやVueなどのフレームワークのバージョンアップ、TypeScriptの進化、パフォーマンス改善のための新手法など、トレンドを把握することでクライアントのニーズに迅速かつ的確に応えられるようになるでしょう。

ポートフォリオや実績を可視化する

ポートフォリオや実績を可視化することは、フリーランスのフロントエンドエンジニアが仕事を得ていく上で大事なポイントです。

クライアントはエンジニアのスキルや経験を判断する材料として、過去の制作物や実績を重視します。そのため、自分の強みや得意分野をアピールできるポートフォリオを用意しておくことが、案件獲得の第一歩となります。

ポートフォリオには、具体的なプロジェクト内容、使用した技術スタック、担当した範囲、具体的な成果などを明記すると説得力が増します。GitHubや自作のWebサイトに公開するのが一般的ですが、場合によってはNotionなどを使って資料形式でまとめるのもよいでしょう。

継続案件・長期契約を意識した営業活動

フリーランスのフロントエンドエンジニアが安定した収入を得て成功するには、継続案件や長期契約を意識した営業活動が重要です。

単発案件ばかりを受注していると、常に新しい案件を探す必要があり、時間的・精神的なコストが大きくなってしまいます。継続的な取引先を確保できれば、営業に割くリソースを減らし、開発に集中することが可能になります。

そのため、クライアントとの信頼関係を構築し、「この人なら長期的に任せられる」と思ってもらうことが大切です。具体的には、納期の厳守や丁寧なコミュニケーション、課題に対する柔軟な対応など、誠実な姿勢を日頃から示すことがポイントです。また、初回の営業段階で「保守運用も対応可能」「フェーズ2以降の提案も可能」といった、将来的な関わりを前提とした提案を行うことで、クライアント側も長期的な関係を視野に入れて検討しやすくなるはずです。

営業・交渉スキルも鍛えておく

フリーランスのフロントエンドエンジニアが成功するためには、営業・交渉スキルを鍛えておくことが重要です。

どれだけ高い技術力を持っていても、自分のスキルや価値を相手に適切に伝えられなければ、好条件の案件を獲得することは難しいです。また、報酬や契約条件について交渉できる力がなければ、実力に見合わない報酬で働き続けることにもなりかねません。

営業や交渉のスキルを身につけておくことで、自分の価値を最大限に活かし、より高単価で安定した案件を継続的に獲得することができるでしょう。

フリーランスコミュニティに参加する

フリーランスのフロントエンドエンジニアが成功するためには、フリーランスコミュニティに参加するのもおすすめです。フリーランスコミュニティに参加することで、案件情報の共有や技術的な相談、人脈形成など、個人では得づらい情報や支援を得られます。

例えば、SNSやオンラインサロン、Slackグループなどでは、現役のフロントエンドエンジニア同士が案件の紹介を行ったり、最新のフレームワークやトレンドについて情報交換を行っています。こうした場に参加していると、自分では探しにくい高単価案件や長期案件の情報が得られる可能性があります。

また、技術的な問題でつまずいたときも、同じ経験を持つ仲間に相談することでスピーディに解決できるかもしれません。

フリーランスのフロントエンドエンジニアが年収を高める方法

フリーランスのフロントエンドエンジニアがより年収を高めるためには、以下の方法も検討するのがおすすめです。

エージェントを活用する

フリーランスエージェントを活用することで、自力で営業を行うよりも効率的に高単価案件へアクセスすることができます。

エージェントは企業とフリーランスの間に立ち、要望に合った案件を紹介してくれるサービスです。スキルや経験に応じて最適な案件を提案してもらえるため、自分に合った条件の仕事を見つけやすく、結果として年収アップにつながる可能性が高まります。

また、契約交渉やトラブル対応なども代行してくれるため、業務に集中しやすい環境を整えることができるでしょう。エージェントをうまく活用することで、安定した収入を確保しながらフリーランスとしての年収を着実に高めることが可能です。

マネジメント力を高める

マネジメント力を高めることは、フロントエンドエンジニアとしての年収を引き上げる有効な手段のひとつです。

フロントエンドの開発だけでなく、進行管理やチーム統括、クライアントとの調整業務などを担うことができれば、単なる実装者としてではなくプロジェクトを牽引する人材として評価されるでしょう。結果として、単価の高い案件を受注しやすくなり、他のエンジニアとの差別化にもつながります。

実際に、「フリーランスフロントエンドエンジニアの平均年収・時給についての調査」によると、フリーランス職種の中で最も単価が上昇しているのは「プロジェクトマネージャー」であり、マネジメントスキルの市場価値が非常に高まっていることがわかります。フロントエンドエンジニアとしての専門性に加えてマネジメント力も磨きましょう。

資格を取得する

資格を取得することで、自身のスキルを客観的に証明でき、フリーランスとしての信頼性や案件の受注率を高めることができます。

特にフロントエンドエンジニアとして活動する場合、HTML/CSSやJavaScriptの基礎に加え、WebアクセシビリティやUX、セキュリティなど幅広い知識が求められます。これらに関連する資格、たとえば「ウェブデザイン技能検定」や「HTML5プロフェッショナル認定試験」「情報処理技術者試験」などを取得することで技術力の裏付けとなり、企業側からの信頼も得やすくなるでしょう。また、継続的な学習姿勢を示すことで、スキルアップ意欲の高い人材として評価されることにもつながる場合があります。

資格を取得することは、自身のスキルを可視化し、高単価案件への道を開くための有効なステップとなります。

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フロントエンドエンジニアはフリーランスとしても活躍しやすい職種です。実際に多くのフリーランスエンジニアが高収入を実現しています。とはいえ、単にスキルがあるだけで安定して稼ぎ続けられるわけではありません。市場の動向を把握し、スキルアップやポートフォリオの充実、営業戦略の見直しなど、継続的な努力が求められます。また、信頼できるエージェントを活用することで、案件探しや契約交渉の負担を減らし、収入の最大化を図ることも可能です。

「ベスキャリIT」は、運営歴が15年以上あるフリーランスエンジニア専門のエージェントサービスです。フロントエンドエンジニアのための高単価案件、非公開求人を多数取り扱っています。また、経験豊富な専任のアドバイザーが継続的にサポートするため、初めてのフリーランスでも安心して案件に取り組むことができます。希望の働き方やスキルに応じて最適な案件を提案するだけでなく、契約交渉や就業後のフォローも充実しているのが特徴です。

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