「AWSのスキルを活かしてフリーランスとして独立できるのか」「フリーランスのAWSエンジニアで稼いでいけるのか」「どんな案件があって、どうやって仕事を見つければいいのか」などと悩んでいる人も多いと思います。

AWSはクラウドインフラの中でも高い需要がありますが、案件の見つけ方、選び方、身につけるスキルを間違えると、フリーランスとして活動することは難しくなってしまうかもしれません。

この記事では、AWSフリーランスの需要動向、収入の目安・単価、必要なスキル、フリーランスで稼ぐ方法、案件の探し方などを詳しく紹介しますので参考にしてください。

AWSフリーランスの現状と動向

まず、AWSフリーランスの現状や動向を解説しておきます。

クラウド業界におけるAWSのシェアと影響力

クラウドインフラ市場において、Amazon Web Services(AWS)は依然として大きなシェアを誇っています。グローバルにおける2024年第2四半期のクラウドインフラの市場状況調査によると、AWSの市場シェアは32%に達しており、業界の中でトップの座を維持しています。続くのはMicrosoft Azureの23%、Google Cloudの12%であり、AWSは他社を大きく引き離していることがわかります。

この圧倒的なシェアは、AWSの高い信頼性、豊富な機能群、そして継続的なアップデートやサービス拡充によって支えられているといえるでしょう。企業のクラウド移行を支える中核的な存在として、システムの運用最適化やセキュリティ強化、さらにはインフラ自動化など、幅広い分野でAWSの採用が進んでいるのです。

今後もグローバル市場におけるクラウド需要の高まりとともに、AWSの影響力はより一層強まると考えられており、クラウド基盤の中心的な存在としての地位は揺るぎないものとなっています。

AWSエンジニアの市場ニーズ

クラウド技術の普及とAWSの拡大に伴い、AWSエンジニアに対する市場ニーズは年々高まりを見せています。

AWSが2021年に発表したレポートでは、日本では2025年までに2,950万人もの追加のデジタル人材が必要になると予測されており、その多くがクラウド関連スキル、特にAWSに代表されるクラウドアーキテクチャの設計・構築能力を求められると言われています。実際、製造業や小売業などの非IT業界の労働者の多くが、今後5年間で業務においてクラウドスキルの習得が必要になると考えているという調査結果があります。

こうした背景から、AWSの知識を持つ人材の需要は今後も継続して拡大すると考えられるでしょう。特に、AWSを活用したインフラ構築、運用の自動化、セキュリティ対策、コスト最適化といったスキルを持つ人材は、業種を問わず重宝される存在となるはずです。

AWSエンジニアは、IT業界に限らず、さまざまな産業領域において欠かせない人材となり、フリーランスのAWSエンジニアの需要も高まるでしょう。

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AWSフリーランスの年収・単価相場

AWSのフリーランスの年収や単価の相場はどれくらいなのでしょうか。フリーランスになっても十分な収入を稼いでいくことができるのでしょうか。

AWS案件調査レポート」を見ると、AWS案件の平均年収は1,181万円となっています。また、月収は98万円となっており、これはフリーランスエンジニアの中でも比較的高単価な水準に位置しています。

このように、AWSのフリーランスは十分な収入を得られるポテンシャルがあり、スキルと実績次第では年収1,000万円超えも現実的なラインです。安定した案件獲得と継続的なスキルアップを両立させることが、高収入を維持する鍵となるでしょう。

出典:SOKUDAN Magazine(https://magazine.sokudan.work

AWSフリーランスに必要なスキル

では、AWSのフリーランスとして案件を獲得し収入を稼いでいくためには、どんなスキルが必要なのでしょうか。

プログラミングスキル

AWSのフリーランスとして活躍するには、インフラの知識だけでなく、ある程度のプログラミングスキルも重要です。特に、インフラ構成をコードで管理する「Infrastructure as Code(IaC)」の考え方が主流となっているので、TerraformやAWS CloudFormationなどのツールを使いこなすためにコードに対する理解が必要になります。

また、AWS Lambdaをはじめとしたサーバーレスアーキテクチャでは、PythonやNode.js、Goなどの言語で関数コードを書くこともあります。API Gatewayと連携したシステム構築や、CloudWatch Logsの分析・通知なども、スクリプトを活用する場面が増えており、基本的なコーディングスキルは欠かせません。

フリーランスとしては、「インフラだけ」「開発だけ」ではなく、クラウド環境全体を俯瞰して設計・構築・運用まで対応できる人材が求められているため、プログラミングスキルがあることで案件の幅も広がり、より高単価なプロジェクトを受注しやすくなるでしょう。

インフラ構築スキル

AWSフリーランスとして仕事を獲得していくには、インフラ構築スキルが不可欠です。

AWS環境でシステムを安定的かつ効率的に動かすためには、VPCやサブネットの設計、EC2やRDSといった主要サービスの構築、IAMによるアクセス管理など、インフラの基礎設計と構築が求められます。これらのスキルがあれば、企業のニーズに合ったクラウド環境を柔軟に提供できるようになります。

単にEC2を立ち上げるだけでなく、Auto Scalingを使って負荷に応じて自動でサーバーを増減させたり、CloudWatchで監視を行ったりと、運用までを見越した設計力も必要です。AWSフリーランスとして安定して案件を獲得し活躍するためには、インフラ構築スキルをしっかりと身につけておくことが重要です。

セキュリティに関する知識

AWSフリーランスとして活躍するためには、セキュリティに関する知識を身につけておいたほうがよいでしょう。

AWS環境では、顧客の機密データや業務システムを扱うため、セキュリティ設計が甘いと重大な情報漏洩やシステム障害につながるリスクがあります。フリーランスとして信頼を得るためにも、セキュリティに配慮したシステム構築ができるスキルを身につけるのが大事です。

例えば、IAMポリシーの最小権限設計、S3バケットのパブリックアクセス制御、VPC内のセキュリティグループ設計など、AWSには多層的なセキュリティ機能があります。これらを正しく理解し活用できない場合、不用意な設定ミスによって外部からの不正アクセスを招く恐れがあります。セキュリティに関する深い知識と実践的な対策スキルを身につけておきましょう。

クラウドアーキテクチャ設計の知見

AWSフリーランスとして案件を獲得していくには、クラウドアーキテクチャ設計の知見を持っておくことも重要です。

クラウド環境では、単にインフラを構築するだけでなく、スケーラビリティや可用性、セキュリティ、コスト最適化といった観点を総合的に考慮した設計が求められます。クラウドアーキテクチャ設計に関する知識を持っていることで、信頼性の高いシステムを構築し、顧客からの評価を得ることができるでしょう。

また、クラウドサービスは日々進化を続けているため、常に最新の設計パターンやベストプラクティスをキャッチアップし続ける姿勢も大切です。クラウドアーキテクチャの深い理解と応用力、最新の情報を持つことで、長期的に信頼されるAWSフリーランスになることができるでしょう。

顧客折衝・ドキュメンテーション能力

AWSのフリーランスには、顧客折衝能力とドキュメンテーションスキルが欠かせません。

AWSフリーランスは単に技術力を提供するだけでなく、顧客と直接やり取りを行い、要件のヒアリングから設計、進捗報告、成果物の引き渡しまでを一貫して担当する場面が多いです。また、要件定義書や設計書、運用マニュアルといったドキュメントの整備も必要です。

技術的に優れたエンジニアでも、顧客との認識のすり合わせがうまくできなければ、成果物が期待とずれてしまうリスクがあるので、こういった顧客折衝やドキュメンテーションの能力を身につけておきましょう。

AWSフリーランスで収入を伸ばす方法

AWSのフリーランスになったあとに、さらに収入を伸ばすためにはどのような方法があるでしょうか。

信頼できるエージェントを活用する

信頼できるエージェントを活用することは、AWSフリーランスとして収入を伸ばすうえで効果的な手段のひとつです。

エージェントを活用することで、自分のスキルや経験にマッチした高単価の案件を効率的に見つけやすくなり、交渉や契約の面でも有利に進めることができます。特にAWSのような専門性の高い分野では、個人の力だけで最適な案件にたどり着くのは難しく、エージェントの存在が大きな助けとなります。

エージェントを活用して転職したITエンジニアの方が、非利用者よりも年収が上がる傾向があるというデータもあります。AWSフリーランスとして収入を伸ばすためには、信頼できるエージェントの活用を検討してみてください。

マネジメントスキルを習得する

AWSフリーランスとして収入を伸ばすためには、マネジメントスキルを習得するのも有効です。

マネジメントスキルがあれば、チームリーダーやプロジェクトマネージャーとしての役割を担えるようになり、より高単価の案件にアサインされる可能性が高まります。AWSの現場では、技術力だけでなく、複数人のタスク管理やスケジュール調整、クライアントとの調整能力も重要視されるため、マネジメントスキルがあるフリーランスは希少価値が高くなるでしょう。

例えば、AWS案件の中には、インフラ構築だけでなくプロジェクト全体の進行管理を任されるポジションもあります。こういった案件では、技術スキルに加えてマネジメント経験
・スキルのあるエンジニアに優先的に声がかかるでしょう。

資格を取得する

AWSフリーランスとして収入を伸ばすには、関連資格を取得するのも効果的です。資格は自身のスキルを客観的に証明する手段であり、クライアントからの信頼を得やすくなります。特に、AWS認定資格は知識や技術力の証明として広く認知されており、案件獲得時や単価交渉において有利に働くことがあります。

AWS資格に関する調査によると、AWS認定資格の取得が「業務に役立った」と回答した人は9割を超えました。具体的には、資格をきっかけにより高度な案件に挑戦できるようになったり、クライアントからの信頼を得て長期契約につながったりという効果があるでしょう。

資格取得は実力の裏付けとなり、AWSフリーランスとして収入アップを目指す上で有効な手段となるので検討しましょう。

知っておくべきAWSフリーランスのリスク

AWSのフリーランスはメリットが多いですが、もちろんリスクもあります。

営業・案件獲得の手間がかかる

AWSフリーランスとして働くうえで注意したいのは、営業や案件獲得に多くの手間と時間がかかる点です。

会社員とは異なり、フリーランスは自分自身で案件を探し、クライアントと直接やりとりをして契約を結ばなければなりません。この営業活動は、技術スキルとは別のコミュニケーション力や交渉力も求められ、想像以上に労力がかかるケースがあります。

実力のあるAWSエンジニアであっても、営業経験が少ないと「スキルに見合った案件を獲得できない」「提案が通らない」といった壁に直面することもあるでしょう。営業や案件獲得の手間はAWSフリーランスの代表的なリスクであり、事前にその対策を考えておくことが重要です。

収入が不安定になりやすい

AWSフリーランスとして働くうえで注意すべきリスクのひとつは、収入が不安定になりやすいことです。

フリーランスは会社員のような固定給ではなく、案件ごとの契約によって報酬が決まるため、仕事量によって毎月の収入が大きく変動する可能性があります。また、継続案件の終了や急な契約解除なども発生した場合には、収入がゼロになるリスクもあります。特に1社のクライアントに依存している場合、その契約が終了すれば一気に収入源がなくなるという事態にもなりかねません。

このようなリスクに備えるためにも、複数のクライアントと契約を結んだり、貯蓄をしておいたりと、計画的なリスクヘッジを行うようにしましょう。

社会保障や税務処理の対応が必要

AWSフリーランスとして働くには、社会保障や税務処理に自ら対応する責任があります。

会社員とは異なり、フリーランスは年金や健康保険などの社会保障の手続きをすべて自分で行う必要があります。会社員であれば自動的に厚生年金や健康保険に加入できますが、フリーランスは国民健康保険や国民年金への加入手続きを自身で行わなければなりません。これらの手続きには専門的な知識が求められる場面も多く、対応を怠ると将来的なトラブルや不利益につながるおそれがあります。

さらに、AWS案件では高単価の仕事も多いため、所得税や住民税の負担が大きくなりがちです。税務処理を誤った場合、確定申告のミスによる追徴課税が発生することもあるので注意しましょう。

AWSフリーランス案件の探し方

AWSのフリーランスになったあとには案件を探さなくてはなりません。有効な案件の探し方を解説しておきます。

フリーランスエージェント

AWSのフリーランスが安定的に案件を獲得するには、フリーランスエージェントの活用が有効です。

フリーランスエージェントは、AWSのスキルを持つエンジニアと案件を探している企業をマッチングしてくれるサービスであり、自力での営業活動を行わなくてもスキルや希望条件に合った案件を紹介してもらえます。また、契約手続きや報酬の交渉、税務サポートなども代行してくれるため、業務以外の負担を軽減できます。

個人でAWS案件を探そうとする場合、クラウドソーシングサイトでは単価が低かったり、企業との直接交渉に不安を感じたりすることもあるでしょう。しかし、フリーランスエージェントを利用すれば、週3日〜やフルリモートの高単価案件など、好条件の案件に出会いやすくなります。さらに、初回契約時に担当者が仲介してくれるため、安心して契約を進められるのも大きなメリットでしょう。

求人サイト・クラウドソーシング

AWSフリーランスとして案件を探す際には、求人サイトやクラウドソーシングサービスを活用するのもよいでしょう。

求人サイトやクラウドソーシングサービスには、AWS関連の案件が掲載されている場合があります。経験が浅いうちは、幅広い案件にアクセスできるこれらのサービスを利用することで、実績を積みやすいでしょう。

ただし、こうしたサービスでは単価が極端に低い案件や稼働条件が厳しい案件も存在しますし、自分で案件を検索・選定し、応募・交渉までをすべて自力で行わなくてはなりません。

そのため、案件の内容や報酬、契約条件については慎重に確認することが重要です。特にAWS案件では、求められるスキルレベルや業務範囲が明確でないこともあり、曖昧な要件で進めてしまうと、後々のトラブルに発展する可能性もあります。

人脈

AWSフリーランスとして安定的に案件を獲得していくためには、人脈を活用するのも大事です。

IT業界では紹介案件が多く、信頼関係をもとにしたつながりから案件を得やすい傾向があります。とくにAWSのような専門性の高い分野では、企業側もスキルと信頼性を重視するため、前職の同僚や取引実績のあるクライアントからの紹介が有効です。

実際、中小企業庁の「平成27年版小規模企業白書」によれば、顧客を獲得する手段として「既存の顧客からの紹介」が1位、「友人・知人からの紹介」が3位にランクインしており、紹介による営業の強さが裏付けられています。

人脈が乏しい場合でも、勉強会やオンラインコミュニティに参加し、継続的にアウトプットをすることで、紹介のチャンスを自ら作り出すのもよいでしょう。

AWSのフリーランス求人はベスキャリITで

AWSのフリーランスは、クラウド市場の拡大とAWSの圧倒的なシェアを背景に、今後も高い需要が期待される職種です。スキルを活かせば、高収入を目指すことも十分可能でしょう。ただし、フリーランスとして安定した収入を得るためには、継続的に案件を獲得しなくてはなりません。

そこで有効なのが、フリーランス専門のエージェントを活用することです。特に、AWSのように専門知識が求められる分野では、自分のスキルや希望条件にマッチした高単価案件をエージェントが効率よく紹介してくれるため、営業にかかる手間を大幅に減らすことができます。

「ベスキャリIT」は15年以上の運営歴があるフリーランスエージェントです。全国のさまざまな企業とネットワークを築いているので、AWSのフリーランス案件を多数取り扱っています。フルリモートや週3日から対応可能な柔軟な働き方ができる案件も揃っています。

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