エンジニアは専門的な知識やスキルが求められますし需要の大きい仕事なので、給与の水準が高い仕事です。さらに、フリーランスエンジニアは保険などがないこともあり、正社員よりも報酬の単価が高くなります。
フリーランスになることで、1,000万円を稼げたという人の話を聞くこともあると思いますが、それ以上稼ぎたい、2000万円以上稼ぎたいという人も多いのではないでしょうか。はたして、エンジニアは年収2,000万円以上を稼ぐことは可能なのでしょうか。
ここでは、実際に働くフリーランスエンジニアの年収データをもとに、フリーランスとして年収2,000万円を稼ぐ方法、求められるスキルを解説します。
目次
フリーランスエンジニアで年収2000万円稼ぐことは可能?
まず、フリーランスエンジニアで年収2,000万以上稼ぐことは可能かどうかを調査します。
エンジニア白書2022
の「現在の年収・希望年収」という項目を見ると、年間2,000万円以上を稼いでいると答えたエンジニアは12人いました。この人数は正社員とフリーランスのどちらも含まれているデータではありますが、エンジニアで2,000万円を稼ぐことが可能だとわかります。
さらに、「現在の年収(企業規模別)」を見るとフリーランスエンジニアのなかでは2,000万円以上を稼いでいるのは1%となっています。これによって、フリーランスエンジニアで2,000万円以上を稼ぐのが可能ということがわかります。
また、このデータを見ると、従業員数が1~5人未満、5人~10人未満の会社のような小規模な企業でも、2,000万円超えの人が一定割合存在します。エンジニアは大きな会社に入った人や一部の成功者だけが大きな金額を稼げるのでなく、腕や仕事次第で少人数でも2,000万円以上などの大きな収入を稼ぐことが可能な仕事といえます。
フリーランスエンジニアの年収事情
では、フリーランスエンジニアの年収相場はどれくらいなのでしょうか。
フリーランスエンジニアの年収
エンジニア白書の「現在の年収(企業規模別)」のフリーランスエンジニアの年収のデータは以下のようになっています。
300万円未満 | 30% |
---|---|
300~500万円未満 | 16% |
500~800万円未満 | 22% |
800~1,000万円未満 | 5% |
1,000~1,500万円未満 | 5% |
2,000万円以上 | 1% |
わからない、答えたくない | 21% |
このデータによると、800万円以上を稼いでいるフリーランスエンジニアは11%おり、年収の水準が高いことがわかります。
また、ITフリーランスの33・8%が800万円以上の年収を稼いでいるというデータもあります。エンジニアはフリーランスになっても、比較的高年収を期待できると言えるでしょう。
フリーランスになることで年収は上がる?
フリーランスは収入の水準が高いことがわかりましたが、フリーランスになることで年収は上がるのでしょうか。
エンジニア歴3年以上かつフリーランス歴1年以上のエンジニア206名を対象としたアンケートを見ると、元々の年収が400万円以上だったエンジニアのうち、73.1%がフリーランスになって年収が上がったと回答しています。
また、「フリーランスエンジニアとしての働き方」の調査でも、調査人数1006人のうち59.52%がフリーランスになることで年収が上がったと答えています。これらのデータから、平均でも6割程度のエンジニアが、フリーランスになることで年収を上げられていることがわかります。
フリーランスエンジニアで年収2000万円稼ぐ方法
これまで見てきたように、フリーランスエンジニアが年収2,000万円を稼ぐのは決して夢物語ではありません。ここからは、年収2,000万円を稼ぐ方法をご紹介します。
経験を蓄積する
フリーランスエンジニアが年収2,000万円のように大きく上げるためには、経験を蓄積することが欠かせません。フリーランスは即戦力としての働きを求められますので、自身の知識やスキルが収入に直結します。だからこそ、経験を蓄積することはその分仕事の単価向上につながるのです。
50代、60代は含まれませんが、20~40代を対象にしたフリーランスエンジニアの年収に関するアンケートでは、もっとも年収が高いのは40代となっています。経験を積むことで、40代年収が高まることがわかります。エンジニア白書の「現在の年収(年代・エンジニア経験年数別)」でも、2,000万円以上を超えているのは唯一、45歳以上でした。また、「エンジニア経験年数別」を見ると、エンジニア経験年数が長くなるほど高収入の割合が増えています。
このように、エンジニアとしての経験を蓄積することは、大きな年収を得るためには必須といえるでしょう。
人脈を作る
フリーランスエンジニアが年収2,000万円のような大きな収入を稼ぐうえで重要なのが、人脈作りです。フリーランス協会による「フリーランス実態調査」によれば、「直近1年間で仕事獲得に繋がったもの」の1位が人脈(70.6%)であり、「もっとも収入が得られる仕事の獲得経路」の1位も人脈(33.6%)でした。
フリーランスエンジニアが収入を高めるためには、単価の高い案件を獲得しなくてはなりません。人脈を築くことで、より良い仕事を紹介してもらえる可能性が高まります。また、フリーランスとして仕事を行う上では、パートナーと協力をすることで仕事の幅が広がりますし、仲介を通さずに仕事を直接受けられる可能性があります。年収を高めるためにも、人脈を作りましょう。
年収の高い職種に就く
年収2,000万円超のフリーランスエンジニアを目指すなら、年収の高い職種に就くのも重要です。エンジニアの仕事のなかには、専門性が高かったり求められる知識やスキルのレベルが高かったり、対応できるエンジニアが不足していたりする職種があります。そういった仕事は報酬が高くなる傾向があるので、年収を大きく高められる可能性があるのです。
フリーランス白書の「自分が意識している時間単価」を見ると、フリーランスのコンサルティングの時間単価はもっとも高く、「1万円以上」と回答したのが34.3%となっています。フリーランスで年収を高めるのには、コンサルティング系の仕事に就くのもよいでしょう。
また、「フリーランスエンジニアの平均年収ランキング」を見ると、機械学習エンジニア、データサイエンティスト、iOS/Androidエンジニアが年収の高い職種となっています。機械学習エンジニアなどは平均でも年収1,115万円となっています。こういった年収の高い職種も検討しましょう。
年収の高い言語を習得する
年収の高い言語の習得も年収2,000万円への近道になります。エンジニアの仕事は扱う言語によって年収が変わってきます。これは言語を扱える人材が不足していると、企業は単価を高めることで良い人材を確保しようとするからです。
「エンジニア白書2022」の「言語別の年収」を見ると、エンジニアが扱う言語でもっとも年収相場が高いのはGoとRustとなっています。この調査に用いられた言語では、いずれも年収2,000万円以上のエンジニアが1~2%存在しています。そのなかでも、2,000万円以上の割合がもっとも多いのはRust(2%)でした。
このように、年収2,000万円以上を稼ぐためには、このようにニーズの高い言語を習得するのがよいかもしれません。
年収の高い領域の仕事を受ける
フリーランスエンジニアが収入を大きく上げるには、年収の高い領域の仕事を受けるのもよい方法です。
エンジニアの年収は仕事の領域によって年収が異なります。エンジニアの仕事のなかにはWebを介するシステムやサービスにかかわるWeb系、情報システムの開発・運用・運営を行う情報処理サービス系、アプリの開発に関わるネイティブアプリ系の仕事があります。
エンジニア白書の「現在の年収(情報通信業・開発形態別)」を見ると、2,000万円以上を稼ぐ割合がもっとも多いのがネイティブアプリケーション系の仕事で、全体の1.1%を占めています。
また、開発形態によっても年収が異なり、受託開発よりも自社開発のほうが高収入の割合が大きいです。年収を高めるには、自社開発のネイティブアプリ系の仕事を行うのがよいかもしれません。
パートナーシップを結ぶ
パートナーシップを結ぶことで、フリーランスエンジニアの年収を大幅にアップできる可能性があります。
自身と同じようなフリーランスとパートナーシップ契約を結ぶことで、お互いに仕事を紹介しあうことができます。さらに、デザイナーや営業、ディレクターのフリーランスなどともパートナーになることで、より対応できる仕事の幅が広がるでしょう。パートナー契約を結んでおくことで、より案件をもらえるチャンスが増えますし、単価のよい案件や大規模な案件に巡り合える確率も高めることができます。
また、パートナーがいることでよりモチベーションが高まる点や、有益な情報が得られて自己成長につながる点なども年収を上げることに役立つでしょう。
資格を取得する
資格取得もフリーランスエンジニアの年収増につながる可能性があります。
資格によってエンジニアの知識や能力を証明することができ、クライアントからの信用を得られ、受注が得られたり継続契約を得られたりする可能性があります。また、資格があることで給与交渉において単価を上げやすくなるかもしれません。
エンジニアの資格には、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などのような国家資格や、シスコ技術者認定資格やJavaプログラミング能力認定試験、PHP技術者認定試験、Pythonエンジニア認定試験などのような民間資格などさまざまなものがあります。
資格を取得することで収入の向上につながるだけでなく、自身のスキルアップにつながるのでぜひ検討してみてください。
エージェントを利用する
フリーランスエンジニアとして年収2,000万円を目指すなら、エージェントの利用を検討するのがおすすめです。エージェントを利用することで、大きく年収を高められる可能性があります。
エージェントは多くの案件を持っていますし、非公開求人などの情報を保有しています。エージェントを利用することで、自身で営業活動を行わなくても、より単価の高い案件を紹介してもらえるでしょう。また、フリーランスに特化したエージェントというものもあり、他の媒体では掲載していないような案件も紹介してもらえる可能性があります。
転職エージェント利用者は、非利用者に比べて転職時の年収が高くなるというデータもあります。これは報酬の交渉などをエージェントが行ってくれることで、自身で交渉するよりも報酬が高くなることが理由と考えられます。
2,000万円など大きく年収を高めたいのであれば、フリーランス専門のエージェントを活用するのがよいでしょう。
年収2000万円を稼ぐフリーランスエンジニアに必要なスキル
年収2,000万円を稼ぐフリーランスエンジニアになるためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
営業力・交渉力
年収2,000万円を稼ぐフリーランスエンジニアに必要なスキルとしては、営業力や交渉力が挙げられます。大きな年収を稼ぐためには、より単価の良い案件を、より多く獲得しなくてはなりません。そのためには、営業先の情報を得るノウハウ、成約を得るための営業能力、単価交渉の能力が必要になります。
エンジニアの人は営業の経験がない場合が多いと思いますが、エージェントなどを活用することで営業活動をしなくても仕事を得ることはできます。ただし、その場合でも自身をアピールして成約を得る能力、単価交渉の能力は必要になります。
うまく自分をアピールできるように、自分の強みをまとめ、営業力・交渉力を鍛えましょう。
自己管理能力
高収入を稼ぐフリーランスエンジニアにとって重要なスキルが自己管理能力です。
フリーランスエンジニアは、稼働した時間が収入に結びつきます。自己管理ができておらず、働く時間や能率が落ちてしまうと、大きな年収を稼ぐことはできません。規則正しい生活を続け、怠けないように自己管理をしなくてはなりません。
また、納期を守るなどの自己管理ができていないと、クライアントの信頼を失ってしまいます。フリーランスが高収入を得るには、多くの継続案件が必要となります。自己管理を徹底して納期を守るとともに、信頼を得なくてはならないのです。
プロジェクトマネジメント能力
プロジェクトマネジメント能力も、年収2,000万円を稼ぐには有効なスキルです。複数人のメンバーをマネジメントするポジションのPMの仕事は高単価になることが多く、マネジメント能力を身につけることでより高収入が得られる可能性があります。
また、プロジェクトマネジメント能力を身につければ、プログラミング以外の仕事も受けられるようになり仕事の幅を広げることができます。プロジェクトマネジメントは、上流の仕事なので下流の仕事より同時に受けられる案件の数も増やすことができるでしょう。
プロジェクトマネジメント能力を得ることで、フリーランスでも収入を大きく高めることができるかもしないので、セミナーや学校で学んだり、資格を取得するなどもおすすめです。
高レベルのプログラミングスキル
フリーランスエンジニアが高収入を稼げるようになるには、高レベルのプログラミングスキルが必要です。
エンジニアの単価はその知識やスキルによって決まります。高レベルのスキルがあれば、より難易度の高いシステムを開発できます。こういった案件は対応できる人が少ないので、企業は人材を獲得するために単価を上げるのです。
大規模かつ複雑なシステムを開発できたり、扱う人材が少ないプログラム言語を習得する、今後需要がさらに高まるであろう機械学習や深層学習に関するプログラミングスキルを学ぶなど、需要の高い言語を高レベルで習得することで、収入を大きく高めることができるでしょう。
事務・税務知識
フリーランスエンジニアが高収入を稼ぐ場合には、事務や税務の知識も抑えておく必要があります。
高収入を得ると、その分税金の額が大きくなります。そのため、日々の会計処理や確定申告などの手間も大きくなりますし、節税のことを知らなくては税金を抑えることもできません。そのために、ある程度の税金の知識を備えていかなければなりません。
また、「労務や確定申告などの事務作業の手間がかかる」ことをデメリットと考えている人は25%に及ぶというアンケート結果もあります。収入を得る作業に集中するためにも、こういった事務や税金に関わる作業をスムーズに行う知識やスキルは持っておいたほうがよいでしょう。
2,000万円以上の年収があれば外注をするという選択肢がありますが、外注する場合にも正しく行われているか確認をするためにも、一定レベルの知識は持っておきましょう。
フリーランスエンジニアの求人はベスキャリITで
フリーランスエンジニアはスキルや人脈、方法次第で年収2,000万円も狙える仕事といえます。ただし、2,000万円を稼ぐためにはより高単価の案件を多く得なくてはなりません。
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